法律関連

【事業者向け】新型コロナ、従業員の休業補償は必要?判断基準などをまとめました

  • 更新日:


2020年4月16日に緊急事態宣言が発令され、7都府県から全都道府県に拡大し2020年5月現在、延長も検討されています。

経営者及び人事に携わる方はもちろん従業員の休業について、立場によってさまざま意見がありますが「何を基準に判断すればいいか?」情報が錯綜しています。

こちらでは企業が従業員へ休業させる場合の判断基準やその根拠をはじめ、それに対する補償についてをまとめました。

▶本記事のような雇用・採用に関する情報をメルマガ配信中。ご登録はこちらから。

従業員を休ませる場合の措置


こちらの内容は、厚生労働省の発表を引用し作成しています。感染者の拡大や政府の方針によって、発信内容が変わることがあります。

【厚生労働省】新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

会社は休業せず、従業員を休ませたい場合

まず、厚生労働省からもあるように、従業員(厚生労働省では労働者と表現)と企業(使用者)で十分に話し合い、休暇を取得できる就業規則や体制を整える必要があります。

年次有給休暇をこのタイミングで使用することは可能ですが、使用する意思は従業員側にあり、企業側で一律に取得したことにする、などはできません。

賃金の支払いの必要性は、労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の60%以上)を支払わなければならないとされています。これは正社員のほかにパート、アルバイト、派遣社員、契約社員も含まれます。

なお、平均賃金は「過去3ヵ月の賃金総額÷その期間の暦日数」と算出されますが、時給制や日給制(パートやアルバイトなど)の場合、「過去3ヵ月の賃金総額÷その期間の暦日数」と「過去3ヶ月の賃金総額÷その期間の労働日数×60%」のうち高い方が平均賃金となります。

また厚生労働省としては、

“労働基準法においては、平均賃金の100分の60までを支払うことが義務付けられていますが、60%を超えて(例えば100%)を支払うことを定めるが望ましい”

としています。この場合支給要件に合致すれば、雇用調整助成金の支給対象になります。

<参照>労働基準法(e-Gov)
<参照>新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令等の一部改正について

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

会社を休業して、従業員を休ませたい場合

不可抗力による休業の場合は、使用者の責に帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払義務はありません。

ここでいう不可抗力とは、

(1)その原因が事業の外部より発生した事故であること
(2)事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること

この2つの要件を満たすものでなければならないと解されています。

●不可抗力の例
例えば、海外の取引先が新型コロナウイルス感染症を受け事業を休止したことに伴う事業の休止である場合には、当該取引先への依存の程度、他の代替手段の可能性、事業休止からの期間、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、判断する必要があると考えられます。

●使用者の責に帰すべき事由
例えば、自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分検討するなど休業の回避について通常使用者として行うべき最善の努力を尽くしていないと認められた場合には、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当する場合があり、休業手当の支払が必要となることがあります。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

感染が疑われている従業員を、休ませたい場合

感染が疑われる方への対応は「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)症状がある場合の相談や新型コロナウイルス感染症に対する医療について問1「熱や咳があります。どうしたらよいでしょうか。」」をご覧ください。
これに基づき、「帰国者・接触者相談センター」でのご相談の結果を踏まえても、職務の継続が可能である方について、使用者の自主的判断で休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

感染者を、休ませたい場合

新型コロナウイルスに感染しており、都道府県知事が行う就業制限により労働者が休業する場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。

被用者保険に加入されている方であれば、要件を満たせば、各保険者から傷病手当金が支給されます。具体的には、療養のために労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、直近12カ月の平均の標準報酬日額の3/2について、傷病手当金により補償されます。具体的な申請手続き等の詳細については、加入する保険者に確認しましょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

職場で感染者が確認された場合

従業員の感染が確認された場合、職場として濃厚接触者等のリストアップ、健康観察のほか、施設の洗浄が必要となります。(各地域の労働局に問い合わせをしましょう)

当メディアを運営するビースタイルグループでは、「清掃の専門業者」が対応する除菌洗浄サービスをご提供しております。※サービスご提供エリア:東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県

感染発覚後の緊急除菌はもちろんですが、施設における集団感染リスクの低減従業員や施設利用者の不安解消企業や施設の対外的なイメージ向上にも役立てることができます。


【詳細はこちら】
ビースタイルグループの除菌洗浄サービス


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


休業補償のための保障、「雇用調整助成金」とは

令和2年4月1日から6月30日まで、「雇用調整助成金」の特例措置が実施されています。

企業や個人事業主が支払う休業手当の一定割合を政府が肩代わりする制度で、この制度を利用することで従業員の解雇や契約社員の雇い止めを回避できます。

特例措置における助成金支給要件

(1)休業等計画届の事後提出が可能
6月30日までに「計画届」と「支給申請」を提出すれば、休業前に提出されたものと見なされます。

(2)生産指標の確認対象期間は1ヶ月
新型コロナウイルスの影響で販売量、売上などの事業を示す指標(生産指標)が前年同期に比べて、5%以上低下していれば、要件を満たしたものと見なされます。

(3)最近3ヶ月の雇用指標が対前年比で増加しても、対象となります。

(4)事業所設置後、1年未満の事業主についても、対象となります。

(5)短時間パートやアルバイト(学生も含む)も、対象となります。

<参照>新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金の特例措置の拡大

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

助成率と助成金額

(1)助成率は、中小企業は、4/5(解雇等※※のない場合は9/10)、大企業は2/3(解雇等ない場合は3/4)に引き上げられました。

(2)教育訓練(e-ラーニングも含む)を実施した場合、中小企業は1人1日2,400円、大企業は1,800円が加算されます。

※※解雇等とは、1月24日か賃金締切期間の末日までに事業所として労働者の解雇をしていないこと
(有期契約労働者の雇い止め、中途契約解除等も含む)や、月平均事業所動労者数と比べて4/5以上であることです。

<参照>雇用調整助成金についてホームページ/厚生労働省

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

特例ならでは。要件の緩和や廃止になったこと

(1)短時間休業の要件を緩和
店舗や製造ラインごとでなくても、短時間休業が可能です。また、管理職を残して、それ以外の従業員が短時間休業する場合も認められます。

(2)残業相殺制度の廃止
従業員が残業しても満額対象になります。

(3)支給限度日数の拡大
支給限度日数は、通常時は1年間で100日ですが、今回の特例の期間内(4/1~6/30)に実施した休業は別枠扱いとして利用できます。

<参照>雇用調整助成金申請・活用の手引き/経団連オンライン講座

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

助成金の申請方法

(1)労使で話し合い、どの程度の休業補償をするのかなどを決め、書面に残します。
(2)今回は休業を先に実施してからでも申請ができます。ただし、助成金がもらえる形(賃金台帳への適切な記載)で従業員を休ませないと支給が認められませんので、注意が必要です。
例:月の基本給21万円(1日10,000円)の従業員に対して、休業を5日行った場合(休業手当の支給率は70%):
マイナス50,000円を控除(休業控除)として残し、プラス35,000円(休業手当)を賃金台帳(給料明細にも)に記録を残します。こうすることで支給申請がスムーズに進みます。

(3)「計画届」と「支給申請」を所轄のハローワークや労働局へ提出します

<参照>新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例を拡充します(資料)/厚生労働省

子どもの休校などを理由に仕事を休む従業員の対応

臨時休校によって、小学生などの子どもの育児をするために仕事を休まざるを得ない保護者が増えています。これらの人たちの収入が大幅に下がらないように補てんするため、「小学校休業等対応助成金」が設けられています。

対象となる企業・特例措置について

(1)全従業員が対象
保護者に有給休暇を取得させた事業主に対し、休暇中に支払った賃金全額が支給されます。その際、正規雇用だけでなく、パートなど非正規雇用の従業員も含まれ、臨時休校した小学校や特別支援学校(高校まで)、幼稚園、保育所、認定こども園などに通う子どもを世話する保護者が該当します。また、子どもが風邪症状などウイルスに感染した恐れがある場合も対象となります。

(2)支給金額は1人当たり日額8,330円が上限
年次有給休暇とは別に、賃金を全額支給する有給休暇を取得させた場合、休暇中に支払った賃金全額を支給します。支給額は1人当たり日額8,330円を上限とし、大企業、中小企業とも同様です。

(3)適応期間
4月1日~6月30日の間に取得した休暇

(4)申請期間
9月30日まで

(5)申請書の提出先
学校等休業助成金・支援金受付センター(厚生労働省の委託事業者)

<引用>小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金/厚生労働省

<参照>報道関係者向け発表内容/厚生労働省

損害保険会社の保険内容の確認もおすすめ

損害保険大手各社は、新型コロナウイルスの感染者が出て休業した店舗に対して、損失を補償する検討に入っています。

感染症に伴う休業を補償する保険契約を結んでいる飲食店やホテルなどが主な対象で、行政の休業要請に伴う営業自粛は補償の対象とされません。

補償方法は保険金か保険金に準じる「見舞金」を支払う案などが挙がっています。詳しくは契約している損害保険会社に確認してください。
●東京海上日動火災保険
新型コロナウイルス感染症に関する情報、各種商品の改定について

●損保ジャパン日本興亜
新型コロナウイルス感染症に関する商品・特別措置等のご案内

●三井住友海上あいおい生命
「新型コロナウイルス感染症」の拡大に伴う各種お取扱いについて

最後に

助成金の情報が日々更新されています。

ご紹介した政府のホームページなどや正しい情報を把握して、会社と従業員の生活を守りこの難局を乗り切っていきましょう。

【企業向け】パート・アルバイト雇用に関する最新情報をメールでお届けしています

年間760万人が集まり、導入企業様数1.3万社以上の”主婦採用に特化した求人媒体”しゅふJOBパートでは、この度の助成金に関する最新情報を発信しております。

他にも、2020年4月に施行されたパートタイム労働法の改正(同一労働・同一賃金)健康増進法の改正に関する詳しい情報や、全国パート・アルバイトの職種・地域別平均時給などをデータをはじめ、パート・アルバイト採用ノウハウや成功事例を全国の企業様へメールでお届けしていますので、ぜひお気軽にご登録ください。

メールマガジン登録はこちら

署名

この記事を書いた人

しゅふJOBパート活用ノウハウ編集部

編集部

人気の記事

もっと見る

ページ上部へ