採用方法
障がい者雇用とは?求人募集・面接における注意点を紹介
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2018年4月、民間企業の障がい者雇用率が2.2%に引き上げられ、2021年には2.3%に上がるなど、働き方改革の一環としても、障がい者雇用が奨励されています。
その一方で、人事担当の方々は「障がい者を採用したいけど、募集方法が分からない」「今まで障がい者を採用したことがない」「任せられる仕事が分からない」などと、悩んでいるのではないでしょうか。
この記事では、障がい者採用や募集の際に気を付けるべき点などをご紹介します。
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【目次】
障がい者の定義と、全国の採用状況
「障がい者雇用促進法」では、障がい者とは「身体障がい、知的障がい、精神障がい、その他の心身の機能の障がいがあるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者をいう」と定めています。
そのうち企業に対する「雇用義務制度」の対象となるのは、「障がい者手帳を持つ人」に限られます。
<参照>
障がい者の雇用の促進等に関する法律/e-Gov
<参照>
障がい者雇用対策の基本事項(平成30年12月25日)/厚生労働省
障がい者の雇用の状況
雇用されている障がい者の数は平成27年までのデータではありますが、当時15年連続で過去最高を更新していました。
新型コロナ感染拡大を受け採用活動の動きは鈍化傾向にありますが、障がい者採用に積極的に取り組む企業の数は、確実に増えていることが分かります。
<画像引用>障がい者雇用の現状等/厚生労働省
「障がい者雇用促進法」に関して
「障がい者雇用促進法」は、1960年に制定された「身体障がい者雇用促進法」が元になっており名称の変更や段階的な改正を経て、現在に至っています。
しかし障がい者雇用の水増し(対象障がい者の不正計上)や中小事業主における障がい者雇用が進まないという現状があり、2020年4月1日に一部改正されることになりました。
この中では、「事業主に対する給付制度」「優良事業主としての認定制度の創設」などの措置が新たに盛り込まれました。
短時間労働の障がい者を雇用する企業への給付制度
週10~20時間未満の障がい者を雇用する事業主に対して、「特例給付金」が支給されます。
これまでは週所定労働時間20時間未満の雇用障がい者は、雇用率制度の対象とはならず、事業主は障がい者雇用調整金などの支援が受けられませんでした。
障がいの程度から、週所定労働時間が10~20時間未満であれば働ける人が一定数いることが考えられるため、この改正により短時間であれば就業可能な障がい者の雇用機会の増加が期待されます。
中小企業を対象とした優良事業主としての「認定制度」の創設
中小企業を対象とした優良事業主として「認定制度」が新たに創設されました。
優良事業主に認定されるには評価項目ごとに加点方式で採点し、一定以上の得点を獲得する必要があります。
条件を満たした常用労働者300人以下の中小企業は、優良な事業主として認定されます。
優良企業主の認定によるメリットは、自社の商品や広告などに障がい者雇用優良中小事業主認定マークを使用できたり、認定マークによってダイバーシティや働き方改革などの広報効果が期待できたり、障がいの有無に関係なく、幅広い人材の確保につながります。
<参照>障がい者雇用に関する優良な中小事業主の認定制度について/厚生労働省
<参照>今後の障がい者雇用施策の充実強化について(別紙)/厚生労働省
違反した場合には、罰則規定があります
1.改善指導が入る
毎年1回、企業側には厚生労働省令で「対象障がい者である労働者の雇用に関する状況を厚生労働大臣に報告しなければならない」と定められています。
これにより企業は、6月1日時点の「障がい者雇用状況報告書」をハローワークに提出することが義務付けられています。
このとき違反があると、ハローワークから改善命令や「障がい者の雇入れに関する計画」の作成や提出が求められます。
また正社員の従業員が45.5人以上の企業の場合、ハローワークへの報告を怠ったり虚偽の報告をしたりすれば、30万円以下の罰金が科されます。
同様に障がい者を解雇した際の届け出を怠ったり虚偽の報告をしたりしても、30万円の罰金が科されます。
2.企業名が公表される
障がい者の雇入れ計画の適正な実施されるよう勧告を受けたり、雇用計画命令や「障がい者の雇入れに関する計画書」の提出指導(2年間の経過観察)、特別指導(社名公表直前の猶予9カ月間)といった指導を受けたにもかかわらず、改善が見られない場合には、企業名が公表されます。
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障がい者を採用する方法と3つのポイント
障がい者を採用するための方法は次の方法があります。
・ハローワークによる職業紹介サービスを利用する
・特別支援学校への求人票を提出する
・特別支援学校の生徒に向けた求人情報の提供をする
・民間職業紹介業者を利用する
・障がい者を対象とした合同面接会での募集をする
・求人募集のWEBサイトを利用する
募集先障がい者雇用の場合は、健常者の場合と勝手が違い、同じ扱いにするのは難しいためいくつか考慮すべき点があります。
そのため採用計画や人材募集、面接で聞くべきポイントなどは、次の通りしっかり検討しましょう。
1.採用計画(実雇用率)
一体、自社では何人の障がい者を雇用できるのか、計算する方法があります。
【障がい者である労働者のカウント方法】
常用雇用労働者を1人としてカウントし、短時間労働者は、1人を0.5人としてカウントします。
ただし常用雇用の重度身体障がい者と重度知的障がい者は1人を2人としてカウントし、短時間労働の重度身体障がい者と重度知的障がい者は1人としてカウントします。
<参照>障がい者雇用率制度について/厚生労働省
なお短時間労働の精神障がい者(1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満)については、2023年までの特例措置が設けられており、カウントが0.5人から1人に引き上げられています。
この特例措置は、2023年3月31日までに、雇い入れられ、かつ精神障がい者保健福祉手帳の交付を受けることが要件となっています。
また雇用すべき人数や業務の選定(業務の創出と切り出し)、雇用形態や配属先、組織形態の検討も十分に行いましょう。
2.人材募集は文言に注意を
求人募集を掲載したり、求人票へ書いたりするときには細心の注意を払いましょう。
ただし、実際に自社に在籍している障がいの方のタイプやレベルを記載することは大丈夫です。
✓ 注意ポイント
障がい者の「積極採用」の文言は謳えるものの、「障がい者以外応募不可」などの記載はできません。よって健常者からの応募を制限することはできません。
3.面接時の注意点
一般雇用の場合と同様に、主に本人の「性格」「意欲」「関心」などを判断する目的で行われます。
同時に障がい者雇用の採用面接では次の4点を確認することが重要です。
・現在の障がいの状況がどのような状態であるか
・想定する仕事がどこまでできるか
・雇う際にはどのような配慮が必要か
また配属後のミスマッチや早期離職を防ぐためにも、採用面接時には配属先の責任者には必ず同席してもらうことをおすすめします。
最後に
労働市場の人手不足や、昨今の働き方改革を受けて、多様な人材が働きやすい社会や職場が注目されています。障がい者雇用の拡大もその一環にあります。
障がい者採用での求人募集の際はぜひ当記事をご参考いただけますと幸いです。
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