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パートタイム労働法が施行!企業に求められる対応とは?

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「パートタイム労働法」とは、パートタイム労働者と正社員との不合理な格差を解消するために制定された法律です。

少子高齢化により、労働人口が減少している日本において、短時間労働などの多様な働き方が求められるようになると同時にその働き方に合わせて、法律も改正されていくことが予想されます。

そこで現在までに施行されているパートタイム労働法において、事業主の皆さまが、具体的にどのような取組みをする必要があるのか?ご紹介します。


※パートタイム労働法正式名称:「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」

パートタイム労働法とは?

パートタイム労働法とは正しくは、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」で平成5年6月に制定され、同年12月に施行されました。

パートタイム労働者の対象


パートタイム労働者の対象は、同じ会社で働く通常の労働者(一般的に「正社員」や「フルタイム労働者」を指す)の1週間の中で定まっている労働時間に比べて、1週間で定まっている労働時間が、短い労働者が対象となります。

〇1週間の所定労働時間
パートタイム労働者 < 正社員・フルタイム労働者

パートタイム労働法が制定された目的


現在の日本において、アルバイトなどのパートタイムで働いている方は、全国で 1,817万人(※平成30年時点)と働く人の約3人に1人が、パートタイム労働者として働いており、日本の経済活動を支える重要な役割を担っています。

しかし、一般的に、パートタイム労働者における待遇は、働きや貢献に見合ったものとならず、賃金などの待遇が、正社員と比較して低くなりやすい状況にあります。

実際に労働者の中には、『仕事内容は同じだが、給与などの待遇が異なるのは、おかしい』など待遇の違いに関して、様々な不満の声が上がるようになりました。

そこでパートタイム労働者に対して、適正な労働条件の確保や雇用管理の改善などを図るため、「パートタイム労働法」が平成5年に制定後、一人一人の納得性の向上に向け、平成20年や平成27年とパートタイム労働者の状況にあわせて法改正が行われております。

<参考>パートタイム労働法のあらまし/厚生労働省

パートタイム労働法が改正されます!(2020年4月1日施行)


平成30年6月の【働き方改革関連法】の成立により、これまでパートタイム労働者のみが法律の対象とされていたところ、パート有期雇用労働者も法律の対象に含まれることになりました。

法律の名称も「パートタイム・有期雇用労働法」に変わることになっており、2020年4月1日から施行されます。※正式名称「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」

 

事業主に求められる7つの対応とは?

パートタイム労働者を一人でも雇用している事業主は、パートタイム労働法で規定されている法律に沿って、パートタイマーを雇用する必要があります。

事業主は、次の7つのポイントに注意しながら、パートタイム労働者の雇用をしていきましょう。

1.雇入れの際、労働条件を文書などで明示してください
2.就業規則の作成・変更の際には、パートタイム労働者の意見を聴くよう努めてください
3.パートタイム労働者の待遇はその働きや貢献に応じて決定してください
4.パートタイム労働者から正社員へ転換するチャンスを整えてください
5.雇入れの際、雇用管理の改善措置の内容を説明してください
また、雇入れ後、待遇の決定に当たって考慮した事項を説明してください
6.パートタイム労働者からの相談に対応するための体制を整備してください
7.「短時間雇用管理者」を選任するように努めてください

パートタイム労働法のポイント

では、実際のパートタイム労働法には、どのような規定があるのか、具体的にご紹介します。

労働条件に関する文書の交付等


パートタイム労働法では、パートタイマーを【雇い入れる時】と【契約を更新する時】に、雇用主は次の4点を文書で明示する必要があります。(パートタイム労働者が希望した場合は、電子メールやFAXでも可能)

【 明示する項目 】
a.昇給の有無
b.退職手当の有無
c.賞与の有無
d.相談窓口 ※相談のため体制の整備の義務をご確認下さい。

違反の場合、行政指導によっても改善がみられなければ、パートタイム労働者1人につき契約ごとに10万円以下の過料の対象となります。

〇労働基準法では?
労働基準法では、パートタイム労働者も含めて、労働者との労働契約の締結に際して、労働条件を明示することが事業主に義務付けられています。

特に「契約期間」「有期労働契約を更新する場合の基準」「仕事をする場所と仕事の内容」「始業・終業の時刻や所定時間外労働の有無、休憩、休日、休暇」「賃金」「退職に関する事項」などについては、文書で明示することが義務付けられています(違反の場合は30万円以下の罰金に処せられます)。

〇昇給や賞与の支給要件を満たさない場合の対処法
事業所の業績やパートタイム労働者の勤務成績・勤続年数などによって「昇給」「賞与」の支給を行っており、支給要件を満たさない場合には支給されない可能性があるときは、制度「有」とした上で、「業績により不支給の場合あり」や「勤続〇年未満は不支給」など支給されない可能性があることを明記してください。

就業規則の作成・変更の手続きについて


パートタイム労働者の「就業規則」の作成・変更をする場合には、パートタイム労働者から意見を聴く努力をする必要があります。

その際に、事業所において雇用しているパートタイム労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めてください。

※労働基準法第90条では、就業規則の作成・変更について、労働者の過半数で組織する労働組合等の意見を聴かなければならないこととされています。

均等・均衡待遇の確保の推進


パートタイム労働法では、パートタイム労働者の待遇について、正社員との働き方の違いに応じて均等・均衡待遇の確保を図るための措置を講ずるよう規定されています。

具体的には【職務の内容】【人材活用の仕組みや運用】などの2つの要件を正社員と比較することにより、「賃金」「教育訓練」「福利厚生」などの待遇について、下表の通り、事業主の講ずべき措置が規定されています。

[上図表補足:講ずる措置について]
◎・・・パートタイム労働者であることによる差別的取扱いの禁止
○・・・実施義務・配慮義務
△・・・職務の内容、成果、意欲、能力、経験等を勘案する努力義務
―・・・パートタイム労働指針に基づき就業の実態、正社員との均衡等を考慮するように努めるもの

<引用>パートタイム労働法のあらまし/厚生労働省

「職務内容」「人材活用の仕組みや運用」などの比較方法につきましては、厚生労働省より公開されている「パートタイム労働法の概要」より、ご確認いただくことをお勧めしています。
パートタイム労働法の概要/厚生労働省

〇短時間労働者の待遇の原則
事業主が、雇用するパートタイム労働者の待遇と正社員の待遇を相違させる場合は、その待遇の相違は、「職務の内容」「人材活用の仕組み」「その他の事情」を考慮して、決定しなければなりません。

※その他の事情とは、合理的な労働協約や就業規則に基づかない、労働条件や職場規律等に関する労働者と事業主の事実上のルールなど考慮すべきその他の事情を差します。

この法律は、パートタイム労働者の待遇の原則を明らかにしたもので、すべてのパートタイム労働者が対象となります。

事業主はパートタイム労働者の待遇に関するこうした考え方を念頭に、パートタイム労働者の雇用管理の改善を図ることが期待されます。

〇差別的取扱いの禁止
事業主は、「職務の内容」「人材活用の仕組みや運用」などが、正社員と同一のパートタイム労働者については、パートタイム労働者であることを理由として、その待遇について、差別的取扱いをしてはなりません

正社員と就業の実態が同じと判断され、賃金の決定をはじめ教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他のすべての待遇について、パートタイム労働者であることを理由に差別的に取り扱うことが禁止されています。

〇賃金(基本給、賞与、役付手当など)の決定方法
パートタイム労働者と正社員との均衡を考慮し、パートタイム労働者の職務の内容、成果、意欲、能力、経験などを勘案して賃金を決定することが努力義務とされています。

<NG例>
・パートタイム労働者の賃金を客観的な基準に基づかない事業主の主観で決定する
・パートタイム労働者だからという理由で「パートタイム労働者は一律〇円」といったように一律に決定する

なお通勤手当については、「通勤手当」という名称であっても、職務の内容に密接に関連して支払われているもの(例えば、全員に一律で金額が支払われている場合など)は、上記の法律対象となります。

〇教育訓練
◆正社員と「職務の内容が同じ」パートタイム労働者の場合:
パートタイム労働者と正社員の職務の内容が同じ場合、その職務を遂行するに当たって必要な知識や技術を身に付けるために、正社員に実施している教育訓練については、パートタイム労働者が既に必要な能力を身に付けている場合を除き、そのパートタイム労働者に対しても正社員と同様に実施することが義務付けられています。

<例>
経理業務に従事している正社員にその職務遂行上必要な簿記の訓練を実施しているときは、同じ職務に従事しているパートタイム労働者に対しても実施しなければならないことになります。

時間の制約があり、正社員に対して実施している教育訓練に参加できないパートタイム労働者については、「その教育訓練を受講すれば平均的に身に付けられる知識」、「技能などと同様の内容を習得できる教育訓練」などをパートタイム労働者が受講できるような形で別途提供する必要があります。

◆正社員と「職務の内容が異なる」パートタイム労働者の場合:
パートタイム労働者と正社員の職務の内容が異なる場合、その職務を遂行するに当たって必要な知識や技術を身に付けるための教育訓練については、パートタイム労働者の職務の内容、成果、意欲、能力及び経験などに応じ実施することが努力義務とされています。

〇福利厚生(給食施設、休憩室、更衣室)
福利厚生施設のうち、給食施設、休憩室、更衣室について、正社員が利用している場合は、パートタイム労働者にも利用の機会を与えるよう配慮することが義務付けられています。

<例>
施設の利用の対象を正社員に限定しているなら、パートタイム労働者も利用できるよう個々の労働者の昼食時間帯をずらすなど、具体的な措置を求めるものです。

※定員の関係で給食施設の利用の機会を事業所の労働者全員に与えられないような場合に、増築などをして全員に利用の機会を与えることまで求めるものではありません。

正社員への転換の推進について


事業主はパートタイム労働者に対し、「パートタイム労働者」から「正社員」へ転換するチャンスを整える義務があります。

〇事業主は、下記4つのポイントのいずれかを準備してください。
1.正社員を募集する場合は、その募集内容を既に雇っているパートタイム労働者に周知する
2.正社員のポストを社内公募する場合は、既に雇っているパートタイム労働者にも応募する機会を与える
3.パートタイム労働者が正社員へ転換するための試験制度を設ける
4.上記以外の他、正社員への転換を推進するための機会を整える

事業主が講ずる措置の内容等についての説明義務


パートタイム労働者を雇用する際には、下記についてパートタイム労働者に説明する義務があります。

<引用元>パートタイム労働法のあらまし/厚生労働省

パートタイム労働者の中には、正社員との待遇の格差があることについて、その理由が分からず不満を抱く人も少なくないのが実情です。

パートタイム労働者がモチベーションを高めその能力を有効に発揮するためには、自分の待遇について納得して働くことが重要になります。※「パートタイム労働者が納得するまで説明すること」まで求めているものではありません。

<NG例>
賃金の決定方法についての説明を求められた場合の「あなたはパートタイム労働者だから賃金は○○円だ」

相談のため体制の整備の義務


事業主は、雇用しているパートタイム労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備することが義務付けられています。

〇例えば、以下のような対応が考えられます。
1.雇用する労働者の中から相談担当者を決めて、相談に対応させる
2.短時間雇用管理者を相談担当者として定め、相談に対応させる
3.事業主自身が相談担当者となり、相談に対応する
4.外部の専門機関に委託し、相談対応を行う

短時間雇用管理者の選任


パートタイム労働者を常時10人以上雇用する事業所は各事業所ごとに、「短時間雇用管理者」を選任する必要があります。

〇「短時間雇用管理者」に期待される業務
・パートタイム労働法やパートタイム労働指針に定められているものや、その他のパートタイム労働者の雇用管理の改善等に関して、事業主の指示に従い必要な措置を検討し、実施すること。
・労働条件等に関して、パートタイム労働者の相談に応じること。

〇「短時間雇用管理者」の選任後は、都道府県労働局への選任届を提出してください。
短時間雇用管理者選任・変更届のダウンロード先→短時間雇用管理者を選任しましょう/厚生労働省

苦情処理・紛争解決の援助


〇苦情の自主的解決
事業主は、パートタイム労働者から、労働条件等に関する苦情の申出を受けたときは、苦情処理機関に苦情の処理を委ねるなどして、自主的な解決を図るように努める必要があります。

〇紛争解決の援助
苦情や紛争は事業所内で解決することが望ましいですが、パートタイム労働法で事業主に義務付けられている事項の紛争については、2つの解決の仕組みが設けられています。

<対象となる紛争>
・労働条件の文書交付等
・雇入れ時の雇用管理の改善措置の内容(賃金制度の内容等)の説明
・雇入れ後に求められた場合の待遇の決定についての説明
・待遇の差別的取扱い禁止
・職務の遂行に必要な教育訓練の実施
・福利厚生施設の利用
・通常の労働者(正社員)への転換を推進するための措置

<解決する仕組み1>都道府県労働局長による紛争解決の援助

都道府県労働局長は、紛争の当事者の双方又は、一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告をすることができます。

<解決する仕組み2>均衡待遇調停会議による調停の実施

都道府県労働局長は、紛争の当事者の双方又は、一方から調停の申請があった場合において、当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、「均衡待遇調停会議」に調停を行わせるものとする。

パートタイム労働者が援助を申し出たこと、調停を申請したことを理由として解雇、配置転換、降格、減給、昇給停止、出勤停止、雇用契約の打ち切りなど不利益取扱いをすることは禁止されています。

<引用>パートタイム労働法のあらまし/厚生労働省

最後に

事業主の皆さま、現在のパートタイム労働者の雇用管理の体制に不備はないでしょうか?

パートタイム労働者の雇用管理の体制をきちんと整備することは、パートタイム労働者の「スキルアップ」や「モチベーションの向上」となります。

そして結果的に業務の生産性を押し上げる要素につながり、働き手との紛争を未然に防ぐことも可能になります。

パートタイム労働者を一人でも雇用している、もしくは、雇用することを検討している事業主の皆さまは、パートタイム労働者を雇用される場合には、パートタイム労働法をきちんと理解した上で、パートタイム労働者を雇用していきましょう。

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監修

勝川 秀興氏(勝川社会保険労務士事務所 代表)

助成金活用を強みとし、設立以来2名から200名規模まで様々な業種の企業様へ、
助成金を徹底活用するためのコンサルティングや、株式会社ビースタイル主催のセミナーなどで講師もしている。

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この記事を書いた人

しゅふJOBパート活用ノウハウ編集部

編集部

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