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「登録販売者」はどんな仕事?主婦の再就職におすすめ!その理由とは…【お仕事図鑑】

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小売・販売

 

最近話題の登録販売者のお仕事。新型コロナウイルス感染拡大に伴ってあらためて注目をあつめた資格のひとつではないでしょうか。

今回は
・登録販売者のお仕事は実際はどういう業務内容なのか
・必要なスキルや経験、資格とは
・未経験から始められるのか

についてわかりやすく解説します。

調剤・薬剤師・登録販売者・薬局でのお仕事を見てみる|しゅふJOB

「登録販売者」ってどんなお仕事?

登録販売者とは、広く言うと「医薬品を販売するための専門資格を持った人」です。

かぜ薬や鎮痛剤など、一般用医薬品(※医師の処方がなくても購入できる医薬品のこと。第2類・第3類に限る)を販売する人が持っていないといけない、専門的な資格なのです。

仕事内容としては、薬の販売、お客様へ効果・副作用についての説明・使い方についてアドバイスをします。

2009年まで、薬を販売できるのは薬剤師、もしくは薬種商販売認定試験に合格した人だけでした。販売場所も、薬局かドラッグストアに限られていました。

最近では、コンビニやスーパーマーケットでも薬を売っているのを見かけますよね。薬種商販売認定試験の廃止・登録販売者資格が新設されて、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなど、一定条件を満たした店舗で、登録販売者資格がいれば医薬品の販売ができるようになりました。

これにより、登録販売者資格として働く人の需要が高まっているのです。

 

ドラッグストアに関わるお仕事を見てみる|しゅふJOB

 

必要なスキルや経験、資格とは

 

薬剤師とのお仕事の違いは?

大きな違いは2つ。1つめは「販売できる医薬品の範囲」、2つめは「調剤ができるかどうか」です。

登録販売者は第2類・第3類の医薬品に限られますが、薬剤師は第1類の一般医薬品を扱うことができます。

また、薬剤師は処方箋に基づいて調剤ができますが、登録販売者はできません。

医薬品区分
第一類医薬品 一般用医薬品としての使用経験が少ないなど、安全上特に注意が必要な成分を含むもの。その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずる恐れがある医薬品であって、その使用に関して特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの。また、新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの。質問がなくても情報提供を行う義務があり、薬剤師が対応する。通信販売はできない。例:ガスター10、ニコチネルパッチ20など
第二類医薬品 まれに、入院相当以上の健康被害が生じる可能性がある成分を含むもの。その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれのある医薬品であって厚生労働大臣が指定するもの※第一類医薬品を除く。 また、第二類医薬品のうち、特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するもの。情報提供は努力義務であり、薬剤師または登録販売者が扱う。離島居住者、継続使用者は通信販売が可能。例:バファリンA、新ジキナエースなど
第三類医薬品 日常生活に支障を来すほどではないが、身体の変調・不調が起こるおそれがある成分を含むもの。第一類および第二類以外の一般用医薬品。質問がない場合情報提供は不要であり、薬剤師または登録販売者が扱う。通販もできる。例:ハイチオールC、エアーサロンパスEXなど
医薬部外品 人体に対する作用が緩和で、安全性上特に問題がないもの。例:ソルマックS胃腸液、エビオス錠など

一般用医薬品のリスク区分(厚生労働省)

 

向いている人はどんな人?

・新しい情報を取り入れてブラッシュアップしていける人

毎年たくさんの新しい薬が販売されますよね。新薬が出た時は、その知識を身に着ける必要があります。

また、医薬品を購入するのですから、アドバイスや情報提供には責任が伴います。自信をもって商品をすすめられるよう、知識をつける必要があります。

資格を取ったからもう安心!というわけではありません。新しい薬について学んだり、既存で販売している薬との比較をしたり、常に知識を更新していける人に向いています。

・健康について興味関心がある人

登録販売者のお仕事のひとつに、健康についての悩みを聞いたり、アドバイスをすることがあります。

病院に行くほどのことでもないような、喉が痛い、咳が出る…という場合、ドラッグストアなどで市販の薬を買いますよね。

そんな時、さまざまな薬の中からどの商品を使ったらいいかわかりにくいものです。

登録販売者はその医薬品の専門知識を活かして、お薬を選ぶアドバイスができます。これはやりがいにもつながりますよ。

ただし、より適切に情報提供をするためには、自分も健康について興味・関心がないとなかなか大変なものです。

日ごろから健康に興味関心をもって、情報収集をできる人に向いています。

・人と接することが好きな人

上記と重なる部分もありますが、健康や薬についての悩みを聞いたりするので、お客様がどのような悩みや問題をもっているのか、どんな商品を求めているのかを知ることが必要です。

そのため、コミュニケーション能力は必須。人と接することが好きで、話をきいたり、丁寧に説明ができる人は重宝されます。

 

登録販売者資格をお仕事につなげるには?

では、登録販売者の資格をとったらどのようなステージで働いていけるのでしょうか。

未経験から始められる?

登録販売者の資格を取得するためには、年に1回実施されている試験を受けて合格しなければなりません。

以前は学歴・年齢といった受験資格が定められていましたが、2015年の登録販売者制度の改正で受験資格が緩和されて、誰でも受験することができるようになりました。

それに伴って受験者は年々増加していて、改正前の2013年にには約3万人だった受験者が2018年には6万5千人が受験し、2万7千人が合格しています(合格率41.3%)。

試験は例年、だいたい8月下旬~12月中旬に実施されています。

各都道府県によって申し込み方法が異なるのですが、福祉事務所や保健所などで願書が配布されていることが多くなります。

受験料は都道府県によって異なります。12,800円~18,100円程度です。

試験に合格したら、働く薬局やお店を介して、もしくは都道府県などで登録申請をする必要があります。この販売従事登録料も都道府県によって異なるので、確認してみてください。7,100円~10,300円程度です。

参考:登録販売者試験について(東京都福祉保健局)

 

実務経験は必要じゃないの?

登録販売者の受験には実務経験は不要なのですが、試験に合格して登録販売者として仕事をし始めた場合、ひとりで売り場に立つには実務経験が必要になります。

直近5年間に2年以上(月間80時間以上)の実務経験があれば、店舗管理者になることも可能です。店舗管理者になると、お店の運営、従業員の監督、医薬品の管理などを任されるようになります。

※ただし、過去5年間のうち、一般従事者として薬剤師または登録販売者の管理・指導のもと、月80時間以上の勤務を行うと実務経験と認められます。

どんな職場で求人募集があるの?

活躍の幅は広く、医薬品を扱っているさまざまな店舗で求人が増えています。

たとえば、薬局、薬屋、接骨院、ドラッグストア、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ホームセンターなど。

医薬品販売コーナーを設置する店舗が増えているのですが、薬剤師や登録販売者がいないと医薬品の販売はできないため、需要が高いのです。

直接医薬品を販売するのではなく、医薬品の知識を活かす職場として、製薬会社の営業として商品説明に役立てたり、介護施設で薬の相談にのったり、美容サロンやマッサージ店で健康を保つためのアドバイスに役立てたりすることもできます。

つまり、職場によって活かせる知識も仕事内容もさまざまです。今後もさまざまな業界からニーズがあるかもしれません。

薬剤師が常駐するほど高度な医薬品を扱わない店舗では、登録販売者はありがたい存在。店舗によっては資格手当がでたり、時給がアップしやすかったりする場合もあります。

そのほか、薬剤師の資格がなくても薬局・薬店の開業や、個人販売も可能です。

登録販売者資格で扱える範囲の薬に限りますが、開業許可・販売許可があれば自分でお店をもつことも不可能ではありません。

 

まとめ

登録販売者のお仕事について、お仕事内容や必要な資格、向いている人などについて説明しました。お仕事のイメージはつきましたか?

未経験からチャレンジしたい!という場合、まずは一般従事者として、薬剤師または登録販売者の管理・指導のもとでお仕事をすることをおすすめします。

実務経験に認められる月80時間はなかなか正社員やフルタイム勤務でないと難しいものですが、パートで働くうちに身につく知識や経験があります。ゆくゆく資格取得・実務経験を積んでキャリアアップすることも可能です。

資格を活かして活躍できる場も増え、これから働き手が増えていくであろう分野でもあります。もし少しでも興味があったら、勇気を出して応募してみてください!

慣れるまではいろんな薬を覚えたり、商品名を覚えたり…大変なこともありますが、お店が変わっても覚えた医薬品は変わりません。引っ越しや転勤をしても働き口を探しやすいのではないでしょうか。

専門的な知識をもって、手に職をつけて働きたい方はぜひトライしてみてくださいね。

 

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