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【ニュース解説】人材派遣大手5社に公正取引委員会が立ち入り検査。報道の背景にあるマージン率やカルテルの仕組み、「安心できる派遣会社の選び方」とは?

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「大手派遣会社に公正取引委員会が入ったって本当?」

「カルテルって何?私たちの給料やマージン率にどう影響しているの?」

2026年6月2日、人材派遣業界に関する大きなニュースが報道されました。 テレビやネットニュースで「人材派遣大手5社に公正取引委員会(公取委)が立ち入り検査」と報じられたのを目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、今回のニュースの概要を分かりやすく解説するとともに、話題となっている「マージン率」や「カルテル」の仕組み、そして「安心して働ける派遣会社の選び方」について詳しくご紹介します。

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人材派遣大手5社の「立ち入り検査」何が起きているの?

まずは、今回報道されたニュースの概要と、なぜ公正取引委員会が動いたのかについて解説します。

なぜ立ち入り検査されているのか?

公正取引委員会が立ち入り検査を行ったのは、「独占禁止法(不当な取引制限)」に抵触する違反行為(カルテル)を行っていた疑いがあるためです。

「カルテル」とは、競争するべき同じ業界における企業同士が、価格などを裏で示し合わせる行為を指します。競争がなくなることで、本来なら生まれるはずの値下げやサービスの向上が行われなくなるため、結果的に消費者にとって不利益が生じるのです。

どのような点が注目されている? 

今回の調査の背景として、主に以下の2点が指摘されています。

●大手派遣会社間で、派遣料金に関する適切な競争が行われていなかったのではないかという点
●それに伴い、働いている派遣スタッフの時給(給与)への還元が十分ではなかったのではないかという点

通常、派遣料金(企業が派遣会社に支払う金額)は市場の競争によって決まります。

しかし、大手派遣会社5社が事前に話し合って「これ以下の料金では契約しない」「一斉にこれだけ値上げしよう」と決めていた(カルテルを結んでいた)疑いがあります。

また、本来であれば派遣スタッフに還元されるべき部分のバランスが崩れ、派遣会社側の手数料(マージン)の割合が適切に維持されていなかったのではないか、という点が問題視されています。 

知っておきたい「人材派遣のマージン率」の仕組み

ニュースの中で「マージン率が適切に維持されていなかった」と言われても、そもそもマージン率が何なのか分からない方も多いのではないでしょうか。

派遣スタッフとして働く際に、知っておきたいマージン率の仕組みについて解説します。

人材派遣のマージン率とは?

マージン率とは、派遣先企業が支払う「派遣料金」の中から、派遣会社が差し引く割合(手数料の割合)のことです。

【計算式】
(派遣料金の平均額 - 派遣労働者の賃金の平均額) ÷ 派遣料金の平均額

例えば、企業が派遣会社に1時間あたり3,000円支払っており、スタッフの時給が2,000円だった場合、差額の1,000円(33.3%)がマージンとなります。

マージンは何で構成されている?(内訳)

「マージン=派遣会社の丸儲け」と思われがちですが、実はそうではありません。一般的なマージンの内訳と内訳の割合目安は以下の通りです。

項目 内容 目安
派遣スタッフの賃金 派遣スタッフに支払う給与 約70%
社会保険料等 派遣スタッフの健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険などの会社負担分 10.9%
有給費用 派遣スタッフが有給を取得した際に支払われる賃金 4.2%
教育訓練費・福利厚生等 スキルアップ講座やeラーニング、健康診断の費用など 13.7%
営業利益 会社の利益となる部分 1.2%

 

上記の表からわかるように、マージンのなかでも大きな割合を占めるのは賃金と社会保険料です。また、諸経費には、上記の他にも求人募集の広告費やコーディネーターの人件費なども含まれており、派遣会社の利益となるのは残りの部分となります。

平均的なマージン率はどれくらい?

厚生労働省などのデータによると、一般的な人材派遣会社のマージン率の平均は「25%〜35%程度」と言われています。

今回の件では、このマージン率が「適切な競争やコストに見合わない形で、不正に高く維持されていたのではないか」という点が問題視されています。

参考:厚生労働省「派遣会社のマージン率等について」

💡【重要】マージン率は低ければ低いほど良いの?

今回のニュースを聞くと「マージン率が低い派遣会社ほど、スタッフに優しくてホワイトなんだ!」と思いがちですが、マージン率は低ければ低いほど良いというわけではありません。

マージンの構成内訳でご紹介した通り、マージンには派遣会社の利益だけでなく、保険料や教育訓練費、福利厚生などが含まれています。

マージン率が極端に低い場合、こうした部分にかける費用が抑えられてしまい、以下のようなリスクが発生しやすくなります。

●トラブル時に相談に乗ってもらえない: 営業やフォロー担当の人数を限界まで削っているため、職場の人間関係や契約内容でトラブルがあっても、すぐに動いてくれないリスク
●手続きの不備や遅れ: 事務手続きの体制が不十分で、契約更新の書類が遅れたり、給与計算の間違いが発生したりするリスク
会社自体の運営が不安定: 利益が少なすぎるため会社の経営が安定せず、最悪の場合、突然倒産して次の仕事を紹介してもらえなくなるリスク

つまり、マージン率は「高すぎるとスタッフへの還元が少なくなりますが、低すぎてもサービスの質が維持できなくなる」可能性があるのです。そのため、相場(25〜35%)の範囲内で「何に使われているか」を重視することが大切です。

そもそも「カルテル」とは?

今回のニュースで何度も耳にする「カルテル」という言葉。カルテルとは、簡単に言うと「同業者同士が裏で手を組んで、価格や数量を話し合って決めてしまう不正行為」のことです。

本来、企業同士は「もっと安く、もっと良いサービスを」と競争するはずです。競争があるからこそ、消費者は適正な価格でサービスを受けられます。

しかし、企業が裏で「みんなで一緒に値上げしよう」と決めてしまうと、消費者は高いお金を払わざるを得なくなります。これを禁止しているのが「独占禁止法」です。

今回のケースで言えば、派遣を依頼する企業にとっては「不当に高い派遣料金を払わされた」ことになり働くスタッフにとっては、「本来ならもっと時給に反映された可能性があった」ということになりかねないため、市場の適正化に向けて調査が進んでいます。

派遣で働く人が気をつけるべき点と「正しい派遣会社」の見分け方

今回の事件を受けて、「いま登録している派遣会社は大丈夫?」「これからどうやって派遣会社を選べばいいの?」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。

自分を守り、安心して働ける「本当に誠実な派遣会社」を見分ける3つのポイントを解説します。

①マージン率を「情報公開」しているか確認する

労働者派遣法により、派遣会社は「マージン率」や「教育訓練に関する事項」などの情報を公開することが義務付けられています。

まずは、以下の2点を確認しましょう。

●派遣会社のホームページに「労働者派遣法に基づく情報提供」というページがあるか
●平均マージン率や派遣料金の平均、有給取得状況などが記載されているか

これらを隠さず、透明性を持って公開している会社は、少なくとも法律を遵守している会社と言えます。

②福利厚生やスキルアップ支援が充実しているか

先述の通り、適切なマージン(手数料)の中には「派遣スタッフへの還元(有休、研修、福利厚生)」が含まれています。

派遣会社によって派遣スタッフへの還元が異なるため、次のようなサービスがあるか確認してみましょう。

●eラーニングを無料で受けられる
●資格取得手当がある
●福利厚生サービスが充実している

「マージンは取るけれど、サポートや福利厚生は薄い」という派遣会社もありますが、派遣スタッフへの還元が薄いと、働き始めてから不安を感じる可能性もあるため、慎重に検討しましょう。

③担当者の対応が誠実で、相談しやすいか

どれだけ派遣会社が大きくても、担当営業やコーディネーターが誠実でなかったり、相談しにくかったりする場合は、働きにくさにつながります。

営業担当やコーディネーターの対応について、以下のポイントを注意してみましょう。

●日頃から職場環境のヒアリングをしてくれるか
●時給交渉などの相談に乗ってくれるか
●何か問題が起きたときにフットワーク軽く動いてくれるか
●連絡をした際のレスポンスがスムーズか

派遣スタッフとして、「自分が払っているマージンに見合うサポートをきちんと受けられているか」をシビアに評価しましょう。

まとめ:事件を正しく理解し、賢く派遣会社を選ぼう

大手5社への公正取引委員会の立ち入り検査は、派遣業界における取引の透明性をより高め、健全化していくための重要な一歩と言えます。過度に恐れる必要はありませんが、「自分が働いた分の対価が、正しく時給やサポートとして還元されているか」を意識することは大切です。

派遣会社を選ぶ際は、名前の大きさや、時給の高さ・マージン率の低さといった一部分だけで選ぶのではなく、

●マージン率や情報がしっかり公開されているか
●研修や福利厚生、日々のサポートとして自分に還元されるか

という全体的なバランスを見て、ぜひあなたを大切にしてくれる誠実な派遣会社を選んでくださいね。

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