パートで週20時間超えたらどうなる?社会保険への加入や注意点
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お金と法律
「パートで週20時間超えたら社会保険に入る?」
「週20時間働いたら扶養は外れてしまう?」
パートの働き方について、このような不安を感じている主婦・主夫は少なくありません。本記事では、パートで週20時間働く際の社会保険や扶養について解説します。今後パートを始める方や、すでに扶養内で働いている方はお役立てください。
もくじ
【結論】パートで週20時間以上働くと社会保険の加入対象
パートで週20時間働くと、社会保険加入の対象になります。
国は、パートやアルバイトにおいて「週20時間」という所定労働時間を、雇用保険や社会保険の加入ラインとしています。
具体的には以下のように扱われます。
- ・雇用保険は、週20時間以上で働く場合、原則加入
- ・社会保険は、特定の条件を満たす会社で週20時間以上となる場合、原則加入
特に社会保険においては、条件を満たすことで希望を問わず原則加入となるため、あらかじめ条件を理解しておくことが大切です。
関連記事:『パートの社会保険加入条件とは?2026年最新の年収の壁・メリット・デメリットを解説』
パートにおける社会保険加入条件
パートにおける社会保険の加入条件は、以下をすべて満たす人です。
- ・従業員数51人以上の企業
- ・週の所定労働時間が20時間以上
- ・所定内賃金が月額8.8万円以上
- ・2か月を超える雇用見込みがある
- ・学生ではない
条件を細かく見てみると、賃金要件(所定内賃金8.8万円以上)がありますが、週20時間の所定労働時間を超える場合、所定内賃金も月額8.8万円を超えるため、あまり気にする必要はありません。そのため、パート主婦がもっとも注意すべき条件は、週の所定労働時間です。
参照:『社会保険加入の要件|社会保険適用拡大特設サイト 』厚生労働省
雇用保険と社会保険の違い
社会保険と混同しやすいのが雇用保険です。
雇用保険とは、主に労働者を対象としていて、失業時の生活支援を目的としています。社会保険とは、健康保険や年金保険を含む総合的な制度の総称です。社会保険は、以下のように広義と狭義の意味合いがあり、広義の社会保険には雇用保険も含まれます。
| 目的 | 含まれるもの | |
| 広義の社会保険 | 生活リスクの備え | ・健康保険 ・厚生年金 ・介護保険 ・雇用保険 ・労災保険 |
| 狭義の社会保険 | 病気や怪我、老後の備え | ・健康保険 ・厚生年金 ・介護保険 |
雇用保険と社会保険の主な違いは以下のとおりです。
| 労働時間 | 社会保険 | |
| 目的 | 失業時などの生活支援 | 労働者の健康維持・老後の備え |
| 対象 | 雇用される労働者 | 健康保険・年金保険の加入者 |
| 保険料 | 労働者と事業者の双方が負担 ※事業者側が多く負担 |
労働者と事業者の折半 |
このように、雇用保険と社会保険は、対象者の範囲や目的などが異なります。
なお、雇用保険は、雇用される労働者を対象としていますが、主に以下の条件が設定されています。
- ・週の所定労働時間が週20時間以上
- ・同一事業主の適用事業に31日以上雇用される見込みである
パートとして週20時間以上働く場合は、企業規模に関係なく、原則雇用保険の加入対象として扱われるという点を理解しておきましょう。
参照:『雇用保険の加入手続き 』徳島労働局
関連記事:パートの雇用保険とは?加入条件や失業保険を受け取れる人、保険料も解説【税理士監修】
パートで週20時間を超えるかどうかの扱い
パートで週20時間以上かどうかの扱いは、「所定労働時間」で判断されます。
所定労働時間とは、パートとして雇用契約を結ぶ時点で決める労働時間のことです。
そのため、社会保険の加入については、実際に働いた労働時間ではなく、契約上の労働時間を基準とします。
週20時間を超えても、すぐに社会保険へ加入するわけではない
パートにおいて、仮に実労働時間が週20時間以上となった場合、直ちに社会保険に加入するということではありません。
たとえば、所定労働時間が週20時間未満で、臨時で残業をしたことによって実労働時間が週20時間以上になったとします。この場合、一時的な残業にあたるため、直ちに社会保険に加入しなければならないということにはなりません。
ただし、所定労働時間が週20時間未満であっても、恒常的に残業をしているような場合は、社会保険に加入することになります。たとえば、実労働時間が2か月連続で週20時間以上になる(今後も継続されると見込まれる)場合は、3か月目から加入対象と判断されることがあります。
今後も社会保険の加入拡大が進む予定
社会保険の適用拡大は段階的に進んでおり、今後も以下の内容で条件の縮小や撤廃が予定されています。
- ・企業規模の縮小・撤廃(2027年10月以降)
- ・賃金要件が撤廃(3年以内に撤廃)
企業規模の縮小は2027年10月以降、さらに段階的に進み、2035年10月にはすべての企業が対象になる予定です。
賃金要件の撤廃は、最低賃金の引き上げに伴い、必然的に賃金要件を満たすことになるためです。また、賃金要件を廃止することで社会保険上の年収の壁(106万円の壁)も撤廃されることになり、労働者の働き控えを回避する狙いもあります。
関連記事:【2026年】最低賃金はいつ上がる?全国の最低賃金ランキングや上昇率を紹介
関連記事:【2026年】扶養内パートはいくらまで?103→123万→178万・130万など年収の壁を解説
パートで週20時間程度働くと扶養から外れる?
パートで週20時間を超えて働くと、社会保険の扶養からは外れることになります。社会保険の扶養から外れることで、手取り額にはどのような違いが生まれるのでしょうか。
ここでは、週20時間前後で働く際の手取り額について、シミュレーションをご紹介します。
週20時間を超えない場合の手取り額シミュレーション
社会保険に加入しないために以下の条件に抑えた場合の手取り額シミュレーションです。
- ・週の所定労働時間19時間
- ・月収約101,000円円(年収約121万円)
- ・社会保険料0円
- ・雇用保険料0円
| 社会保険に加入しないよう週20時間未満に抑えた場合 |
| 101,000円-0円 = 101,000円 |
※東京都の場合・概算・住民税等は考慮せず
このように、社会保険における所定労働時間の条件を満たしていないため、社会保険には加入対象となりません。社会保険料も雇用保険料も発生しないため、月収は手取り額そのままです。
週20時間を超えた場合の手取り額シミュレーション
社会保険加入の条件をギリギリのラインで満たした場合のシミュレーションです。
- ・週の所定労働時間20時間
- ・月収約106,000円(年収約127万円)
- ・社会保険料約15,000円
- ・雇用保険料約600円
| 週20時間をギリギリ超えて社会保険加入した場合 |
| 106,000-15,600円=90,400円 |
※東京都の場合・概算・住民税等は考慮せず
週20時間働く場合は、社会保険における所定労働時間と収入要件をどちらも満たすため、従業員数51名以上の企業の場合は社会保険に加入することになります。仮に従業員数50名以下の企業であっても、130万円の壁に近づくため、注意しなければなりません。
従業員数51名以上の企業で働くパートとして、週20時間を超えないように調整した場合の手取り額と比較すると、額面給与としては5,000円程度多くなるにもかかわらず、手取り額は約10,000円円減るという逆転現象が起こります。
従業員数51名以上の企業で働くパートの場合、手取り額の逆転現象を防ぐためには、
- ・所定労働時間を20時間未満に抑えて年収も106万円未満にする
- ・社会保険料を払い、週25時間程度(年収を150万円程度)に上げる
上記どちらかの対策が必要です。
働き損を解消するにはいくら稼げばいい?
週20時間を超えない場合と超えた場合のシミュレーションから、週20時間をギリギリ超えるラインの場合「働き損」が発生してしまうことがわかりました。
働き損を発生させないためには、社会保険料との兼ね合いから、年収として125〜130万円程度を目安にする必要があります。
パートで社会保険に加入するメリット
パートで社会保険に加入するメリットには以下のような点が挙げられます。
- ・将来受け取れる年金額が増える
- ・傷病手当金や出産手当金がもらえる
- ・保険料を会社側と折半できる
将来受け取れる年金額が増える
社会保険の加入者になれば、国民年金と厚生年金の2階建ての年金となるため、将来受け取れる年金額が増えます。
社会保険上の扶養内で働く場合、国民年金部分(基礎年金)しか受け取れません。自分で厚生年金保険に加入することで、在職中に支払った厚生年金保険料に応じて将来受け取れる年金額も増える仕組みです。
傷病手当金や出産手当金がもらえる
社会保険の被保険者であれば、条件を満たすことで「出産手当金」や「傷病手当金」など、様々な保障を受けられます。妊娠したり、万が一怪我をしたりしても、手当金を受け取れるため、収入が途絶えるリスクを抑えられます。
保険料を会社側と折半できる
パートが社会保険に加入することで、社会保険の保険料を折半にできる(=自己負担分を抑えられる)点もメリットのひとつです。
パート先で社会保険に加入すれば、厚生年金・健康保険(協会けんぽ等)の保険料は、労働者と事業者による折半になります。
個人事業主や自営業では、国民健康保険・国民年金に加入しますが、これらの保険料はすべて全額自己負担であるため、パートとして社会保険に加入することは保険料負担を抑えて手厚い保障を受けられることになります。
パートで社会保険に加入するデメリット
パートは社会保険加入にするメリットがある一方で、以下のようなデメリットも挙げられます。
- ・毎月の手取り収入が減る
- ・配偶者の手当がなくなる可能性がある
毎月の手取り収入が減る
パートで社会保険に加入することで、厚生年金保険や健康保険の保険料が発生することになります。保険料は、原則給与から天引きされるため、手取り額が減ります。
これまでと同じ労働時間で働くと手取り額が減ってしまうため、「シフトや労働時間を増やせないか」などを職場へ相談してみましょう。
配偶者の手当がなくなる可能性がある
夫の勤め先で、企業独自の「扶養に関する手当」が支給されている場合、条件によっては支給されなくなる可能性があります。
たとえば「配偶者手当」という手当がある場合、「妻が社会保険の扶養に入っていること」を条件に設定しているケースがあります。この場合、妻が社会保険に加入することで手当の対象外となる可能性があります。企業ごとに手当の種類や条件は異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
パートで週20時間超えない・社会保険に加入しないためのポイント
パートで週20時間を超えないためのポイントとして、以下の3点を抑えておきましょう。
- ・所定労働時間を19時間以下にしてもらう
- ・合計労働時間を計算してシフト希望を提出する
- ・社会保険を避けたいなら『従業員50人以下』か『短期』の職場という選択肢も
それぞれのポイントについて、わかりやすく解説します。
所定労働時間を19時間以下にしてもらう
パートで社会保険に加入したくない場合、所定労働時間が週20時間を超えないようにしてもらう方法があります。そのため、職場に「社会保険の扶養内でいたいので所定労働時間を19時間以下にしてほしい」などと相談してみましょう。
採用時のミスマッチとならないよう、扶養内で働きたいという内容は、パートの面接時や雇用契約書を結ぶ前に伝えておくのがおすすめです。
合計労働時間を計算してシフト希望を提出する
所定労働時間が週20時間を超えない契約であっても、実際の労働時間が週20時間を常に超えているような場合は社会保険に加入することになります。
そのため、合計労働時間を計算した上で、希望のシフトを提出するのが安心です。
社会保険を避けたいなら『従業員50人以下』か『短期』の職場という選択肢も
社会保険の加入を避けたい場合、そもそも企業規模条件に該当しない働き方をするのも選択肢のひとつです。
たとえば、企業規模として従業員50人以下の職場や2か月以内の短期パートであれば、社会保険の加入対象にはなりません。従業員50人以下の職場では、正社員の4分の3以上の所定労働時間でないと加入義務がないため扶養を維持しやすい という特徴があります。
しかし、社会保険の適用拡大によって企業規模要件は段階的に縮小・撤廃される予定です。企業規模によって社会保険加入を避ける場合は、時期や規模を詳しく理解した上で、選択しましょう。
パートで週20時間前後の働き方に関するよくある質問
パートの「週20時間」という働き方についてよくある質問をご紹介します。
週20時間を毎月超えるわけではない場合どうなりますか?
社会保険加入における週20時間は、雇用契約上における労働時間の基準です。職場の繁忙期など、残業によって一時的に週20時間になる場合、直ちに社会保険に加入しなければならないというわけではありません。
ただし、毎週残業が発生し、週20時間を超えることが常態化しているような場合は、社会保険の加入対象となるためご注意ください。
扶養内で働き続けるにはどうしたらよいですか?
社会保険上の扶養内で働き続ける場合、週の所定労働時間を20時間以内にし、月収88,000円(年収106万円)未満にする必要があります。しかし、社会保険の加入要件である収入要件は今後撤廃される予定であるため、基本的には労働契約において週20時間未満にすることが大切です。
関連記事:【主婦必見】パートとアルバイトの違いを解説!扶養内は週何時間まで働ける?法律や社会保険も解説
社会保険に加入しないためにはどうしたらよいですか?
社会保険に加入したくない場合は、以下の加入条件を満たさないようにする必要があります。
- ・従業員数51人以上の企業
- ・週の所定労働時間が20時間以上
- ・所定内賃金が月額8.8万円以上
- ・2か月を超える雇用見込みがある
- ・学生ではない
しかし、収入要件や企業規模の要件は今後撤廃される予定です。長期的な視点で考えると、所定労働時間を20時間未満に抑えた労働契約を結ぶことが重要です。
ダブルワークの場合はどう扱われますか?
ダブルワークの場合は、職場ごとの就業状況で判断されます。
たとえば2つの勤務先でどちらも条件を満たす働き方をしている場合、いずれも社会保険に加入することになります。
ただし、雇用保険は原則として収入の高い勤務先でのみ加入します。
関連記事:ダブルワークとは?確定申告や社会保険、税金の注意点
関連記事:パート掛け持ちで130万円以内に抑えるには?扶養・社会保険・年収の考え方を解説
まとめ|パートで週20時間超えたら社会保険への加入対象!条件を把握して働き方を考えよう
パートとして働く場合、社会保険の加入対象となる条件はいくつかありますが、特にパートが注意すべき条件は下記の通りです。
- ・労働時間要件→所定労働時間が週20時間以上か
- ・収入要件→月収8.8万円(年収106万円)以上か
- ・企業規模→従業員数51名以上の企業か
ただし、今後も社会保険の適用拡大は進み、収入要件や企業規模要件は撤廃される予定であることから、社会保険に入りたくない場合は、「所定労働時間」を意識することが大切です。
しかし、社会保険に加入する=デメリットばかりではありません。社会保険加入のメリット・デメリットをふまえて、今後の働き方を考えてみてはいかがでしょうか。
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