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ダブルワークの注意点!保険、税金、確定申告…パートの仕事をかけ持ちするとき、気を付けるべき事は?

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お金と法律

収入を増やしたいと思ったり、新しい仕事にチャレンジしてみたいと思った時、今の仕事を辞めずにかけ持ちすることも1つの方法です。

いわゆるダブルワークは収入が増える・新しい職場にチャレンジできるといったメリットがありますが、気をつけなければいけないこともあります。特に社会保険や税金といった項目では、注意しておかないと不利益を被ることになってしまいます。

今回は、ダブルワークを検討し始めた方が気をつけておくべきことをご紹介していきます。

 

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ダブルワークって何?

ダブルワークとは2つの仕事を掛け持ちしてこなすことです。ただ、仕事の掛け持ちには「副業」や「兼業」といった言葉もあるので、何が違うのかわかりにくくなっています。

まずはダブルワークといった言葉が何を指しているのか、整理していきましょう。

 

ダブルワークと副業は違う?

ダブルワークと副業の違いは、本業と定義できるものがあるかどうかです。副業とは主たる収入源の本業があり、加えて副次的な収入手段としてこなしていくものです。

一方、ダブルワークと呼んでいる際は、本業・副業の区別は生まれません。抱えている2つの仕事に比重差はなく、どちらかが本業と言い切れない場合が多いです。

 

ダブルワークは誰でもできる?

フリーランスや事業主の場合、ダブルワークをするのは個人の自由になります。しかし、雇用されている場合は契約や就業規則に従う必要があります。

就業規則にダブルワーク禁止の記載がなくても、雇用主と無駄なトラブルを避けるために始める前に相談しておきましょう。今抱えている業務に影響が出ないかどうか雇用主に判断してもらった方が無難といえます。

 

ダブルワークをするメリット

ダブルワークをこなすことで得られる主なメリットは以下の3点です。

・総収入がアップする
・より多くの経験が積める
・可能性が広がる

以下にて順々に詳しく解説していきます。

 

総収入がアップする

今まで1つの職場からもらっていた給与が2つに増えるため、単純に総収入額がアップします。時間や体力に余裕があり、より収入を増やしたい方にはダブルワークは有効な手段になります。

また、収入源が2つになるため、どちらかの職場で不測の事態が起きても収入源を失わず安定した収入を得る環境を作ることが可能です。

 

より多くの経験が積める

ダブルワークで全く異なる分野の業種を選択した場合、自分のスキルアップにつながるだけでなく新しい人脈開拓の機会を得ることができます。

たとえ2つの仕事が同じような内容・業務であったとしても、職場環境や細かな違いへの適応力が上がっていくでしょう。また、同じ内容を違う現場でこなしていくからこそ、双方の現場で培った経験をすぐに実践していくことができます。

 

可能性が広がる

2つの仕事をこなすことで、今まで気づくことのできなかった自分の強みや特徴を認識し、新しい可能性につなげることもできます。収入を増やしたいと思い始めた2つめの仕事がそのまま天職になることもあるでしょう。

また人間関係も、今後長く続く掛け替えのない人と出会うことがあるかもしれません。

 

ダブルワークをするデメリット

一方ダブルワークをすることで起こり得るデメリットは以下の2つです。

・労働時間が増える
・スケジュール管理に気をつかう

ダブルワークもいいことばかりではありません。デメリットも理解しながらどう進めていくのか検討していきましょう。

 

労働時間が増える

当然といえば当然ですが、2つの仕事を掛け持つことによって労働時間は長くなります。給与の計算が時給になっている場合、単純に働いた分が収入になるため、労働時間が長くなりがちです。

負担に感じていないうちは問題ありませんが、生活や心身に影響が出ないようにしましょう。

 

スケジュール管理に気をつかう

2つの仕事をこなしていると、いつ、どちらの職場にいくのかを管理する必要が生まれます。社会人として、ダブルブッキングはなんとしても避けなければいけません。

自身の責任でダブルワークの体制をとっているのであれば、当然自分のスケジュール管理にも注意を払うことが求められます。いつ・どちらの職場にいくのか、そして休みはどこで取れるのかを常に意識しておきましょう。

 

掛け持ちの基本スタイルとは?

パートを掛け持ちしている人にその理由を聞くと、

・収入が欲しい
・空き時間を有効活用したい
・飽きないように2つの職場で仕事したい

という回答が多くありました。パートの掛け持ちには、以下のような2つのスタイルがあります。

・日中は事務職や製造業、夜間はファミレスなどのサービス業
・メインは平日にお休みがあるパート、休みの日に単発のパート

日中は事務職や製造業、夜間はファミレスなどのサービス業

1つめは、定時に上がって一度家に帰り、夕飯の支度などの家事をして、帰宅した夫に育児をお願いしてから再び働きに出るというスタイルです。

このスタイルで働くママにとっては、朝や夕方に家事をする時間を取れることが魅力のようです。

メインは平日にお休みがあるパート、休みの日に単発のパート

2つめは、医療事務や美容室といった平日に休業日があるパートを中心に、休業日にデモンストレーターや販売職などの単発パートをするというスタイルです。
空き時間を最大限に活用したい方向けの働き方と言えるでしょう。

また、業種を問わず、平日の間で週2日&週2日のWワーク、という声もありました。
このほかに、平日日中は外に働きに出て、家で内職やweb関連の在宅仕事を掛け持ちする人もいます。
在宅仕事は時間に縛られないことから、子育て中の場合や、第3の仕事としても人気があるようです。

 

パートの掛け持ちがOKな会社の見分け方

さて、なかには副業・WワークはNGという会社もあります。
ダブルワークOKな会社はどのように見分けたらいいでしょうか?今回は、ダブルワークがOKな会社の見分け方を以下の2つご紹介するので、参考の一つにしてみてください。

・求人情報に「ダブルワーク歓迎!」と明記されている
・雇用条件に、「ダブルワーク禁止」の項目がない

求人情報に「ダブルワーク歓迎!」と明記されている

求人情報に明確にOKと記載があれば、掛け持ちパートを考えている主婦には探しやすくありがたく思えますね。
しかしこれは裏を返すと、「副業程度の給与の見込み」という意味合いを含んでいることもあります。

そのお仕事をメインにしたいと考えている場合は、あらかじめシフトや収入の実態について確認することをお勧めします。

雇用条件に、「ダブルワーク禁止」の項目がない

法律的には、副業を禁止する法令はありません。そのため雇用条件に「ダブルワーク禁止」の項目がない場合は、掛け持ちOKと解釈して良い場合がほとんどです。
定款・就業規則まで確認できれば確実です。

また、自分のほかにも会社公認で掛け持ちしているパートさんがいれば心強いですね。
ただし、職場や上司によっては、掛け持ちを快く思わないケースもあります。
後々のトラブルを防ぐために、掛け持ちするときは上司や人事に先に相談するほうが安心でしょう。

掛け持ち前提で仕事を探す場合は、採用される前に確認しておくと安心ですよ。

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パートの掛け持ちで気をつけるべき2つのポイント

パートを掛け持ちする際、特に気をつけるべきポイントは以下の2つです。

・年間の合計収入額
・週の合計勤務時間

掛け持ちでパートをする場合は、メインのパート先にも掛け持ちする旨をきちんと話しておきましょう。ダブルワークをし、収入が増えると、税金や保険に影響が出てくる場合があるからです。

年間の合計収入額

ダブルワークでパートをしている場合は、メインの職場で年末調整してもらっていたとしても、全ての収入について確定申告が必要です。確定申告は複数の職場の収入の合計額によって、所得税が課せられたり住民税が増えることがあります。

メインの職場で住民税を引き落としてもらっている場合は、給与以上の住民税の請求が来ることにより、メインの職場に掛け持ちをしていることがわかってしまう場合があります。

週の合計勤務時間

収入合計が一定額を超えたり、勤務時間が長くなると自分で社会保険に入る必要が出てきます。収入の合計金額によっては、配偶者控除が受けられなくなってしまう場合もあります。

自分が働いている職場や扶養者の職場の双方で手続きが必要になりますので相談をしておきましょう。また、平成28年10月から社会保険の加入対象の拡大がありました。
これまでは「週30時間以上の労働」でしたが、下記要件に当てはまると社会保険加入対象に変更されています。

・週の労働時間が20時間以上・賃金金額が月8万8千円(年収106万円)以上
・1年以上継続して雇われている、または見込みがある
・学生ではない
・社会保険の対象となる従業員の規模が501人以上の企業に勤務している、または500人以下の企業でも労使協定をしている場合

特に気をつけておきたいのは「社会保険の対象となる従業員規模が501人以上の企業に勤めている」というところです。派遣で働く場合、派遣元企業の社員数はそんなにいないから…と思っていても、企業で雇用している派遣スタッフを含めると500人を超えているケースもあります。

また、週の勤務時間にも注意が必要です。ダブルワークで週20時間以上の仕事(A社)+週20時間未満の仕事(B社)の場合、勤務時間が長いほうの職場で保険加入をします。

週20時間以上の仕事&週20時間以上の仕事(合計週40時間)で、他の条件にもすべて該当する場合、どちらのお仕事も保険加入対象です。その場合、健康保険・雇用保険はどちらかの事業所で加入し、厚生年金は2か所で加入して賃金に応じて案分することになります。

後で遡って手続きをするのはとても面倒なので、きちんと申請するように気をつけてください。また、税金や保険額の計算について、職場や関係機関に相談しつつ進めましょう。

 

掛け持ちしやすい「内職」は特に注意が必要!

内職で収入を得ている場合、特に注意が必要な場合があります。
アフィリエイト、ネットオークションなどのネット内職で得られる収入のことを「雑所得」といいます。

パートの合計収入が住民税・所得税の課税対象の条件を満たす場合、税金を納める必要があります。それと同様に、雑所得で一定額を超える場合でも住民税・所得税を納めるケースがあることを覚えておきましょう。

雑所得は33万円以上だと住民税、38万円以上だと所得税の課税対象となることが定められています。

雑所得に対する課税は、たとえ他のパートとの合計収入が住民税の課税基準である100万円を下回っていても、支払わなければなりません。ただ、雑所得が33万円未満なら課税対象にならないのですが、盲点になりやすいので注意が必要です。

以下にもまとめているので、あわせてご確認ください。

 

まとめ

パートのかけもちは収入がアップするほか、職場が2つあることで一方のストレスが緩和されたり、知見を広めることができて良い刺激にもなるというメリットがあり、副業をする人は年々増えてきています。

税金・保険について、お仕事をスタートする前に確認をしておくことがポイントです。

好奇心旺盛にいろいろなお仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

動画でCHECK!

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