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パートの住民税・所得税はいくら? 扶養範囲内かどうか計算してみよう

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お金のこと

 

年末調整の時期がやってくると聞こえてくる悲鳴…!

「扶養範囲内で働いたはずなのに、住民税が発生した!なんで??」という話を聞いたことはありませんか?

実はこれ、よくある話なんです!そこで今回は、見落としてしまいがちな「住民税」について

・所得税と住民税の違いとは?
・住民税を上手く調整するには?
・パートの平均年収で、実際に住民税を計算してみた

の3点から解説します。

扶養範囲内で働きたい方も、扶養範囲を超えたいと考えている方も、年収から一緒に計算してみましょう!

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そもそも、住民税って?

そもそも、住民税とはどんな税金なのでしょうか。

住民税とは「都道府県」と「市区町村」に払う税金のことで、都道府県や市区町村が行う行政サービスに使われます。

住民税の金額は、均等割+所得割の2種類から決定します。

 

均等割り

均等割りは、所得金額にかかわらず、均等に課税されるもの。

原則として市区町村税は3,500円+都道府県税は1,500円です。

都道府県・市区町村に住んでいる、もしくは事業所や家を持っていれば住んでいなくても、均等割が発生します。

 

所得割り

所得割は、前年の所得をもとに計算して課税されるもの。

1月1日~12月31日までの給与支払い等の情報を、会社(給与を支払っている元)から市区町村等に報告しています。

そのため、年末調整を受けて納税をしている場合、住民税の申告を自分で行う必要はありません。

住民税の支払いについても、6月から翌年5月まで、毎月の給与から差し引かれます。

たとえば退職をして給与がない、もしくは収入が減ってしまった場合でも、前年の所得をもとに計算されるので気を付けてくださいね。

 

分かりにくい!所得税と住民税の違いとは?

先述で「所得によって課税金額が決まる」とお伝えしましたが、「あれ?それって所得税のこと?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

所得税住民税は、どちらもお給料から引かれる税金で、差がわかりにくいところです。

所得税住民税のそれぞれの違いを確認しておきましょう。

所得税と住民税には「基礎控除額」に違いがあります。

 


所得税とは?

就労者の所得に応じてかかる税金のこと。

給与所得控除55万円+基礎控除48万円=103万円 を給与から控除した額に対して課税がかかります。

給与収入が103万円以下であれば、この所得税は発生しません。

※2017年12月までは、被扶養者の給与収入が103万以内であれば、配偶者控除・配偶者特別控除により扶養主たる生計者の所得税を抑えることができました。
2018年1月からは、年収150万円以下に拡大されています。配偶者特別控除は150万~201万円に変更になっています。
併せて、こちらの記事もご確認ください。

 

住民税とは?

「都道府県」と「市区町村」に払う税金のこと。

1月1日から12月31日までに発生した所得について、給与所得控除65万円+基礎控除33万円を給与から控除した額に対して課税されます。

地方税法により「住民税所得割」の課税基準は、総所得金額が35万円を超えた場合と決められています。

多くのパート主婦は1年間の収入総額が100万円を超えた場合に、住民税が発生すると考えてよいでしょう。

所得税にかかる103万円の壁は有名ですが、意外と知られていないのが住民税の100万円の壁なのです。

なお、前年の所得について「住民税納付書」が翌年の6月ころに送られてきます。


この違いで「扶養枠内で働いていたはずなのに住民税がかかった?!」ということが起こりうるのです。

住民税と所得税の違いについて、こちらの動画でもわかりやすく紹介しています!

 

 

住民税をうまく調整するためには?

住民税を調整するためには、住民税の仕組みを大まかにでも理解しておくといいですよ。

 

住民税の仕組み

住民税は「均等割」と「所得割」から成り立っています。


◆均等割
均等割りは、所得金額にかかわらず定額で課税されます。

市区町村税(3,500円)+都道府県税(1,500円)の合計5,000円

納税義務が発生する人の皆に同額がかかります。(例外地域あり)
→収入が年間100万円を越えると「均等割」がかかります。

 

◆所得割
所得割は、前年の所得金額に応じて課税されます。

課税標準額(1年間の所得合計-各控除額)×課税率(+定額)で計算されます。

所得割の計算は、配偶者や扶養の有無で変わってくるため複雑です。

各控除額の部分は、基本控除・扶養控除・配偶者特別控除などがあてはまります。

また、税額控除として住宅ローン控除・ふるさと納税が適用される寄付金控除などが存在します。

非課税ラインが市区町村で違う場合もあります。


所得割については「各控除」部分を利用すると調整できる部分もあります。

ふるさと納税が適用される寄付金控除、住宅ローン控除、医療費控除、生命保険料控除、障がい者控除、寡婦/寡夫控除、扶養控除など、該当するものがあれば活用してみましょう。

 

年収パターン別:給与から引かれる税金のまとめ

では、ここでよく間違えやすい所得税・住民税について、3つのパターンをふまえてまとめますね。


パターン1:年収100万円以下

→住民税も所得税もかかりません。
※生活保護基準の級地区分(後述)によっては発生する場合があります

パターン2:年収100万円超103万円以下

→住民税がかかるが、所得税はかかりません。

パターン3:年収103万円超

→住民税も所得税もかかる

となります。


では、税金はできるだけ払いたくない!と考えている場合はどうしたらいいのでしょうか?

 

所得税だけでなく「住民税を払いたくない」と考えるなら?

所得税だけでなく住民税を払いたくない場合、給与年収が100万円を超えないように働き方を調整する必要があります。

年収100万円ということは、ざっくり12カ月で割ると1か月、8万円ちょっと

例えば、時給1000円・週3日・1日6時間(残業なし)で働いた場合、72,000円くらいの収入になります。

これなら住民税の支払い対象にはなりません。収入の上限がある場合は、就業日数・時間・時給いくらなら収まるのか、計算をしてみましょう。

住民税と収入を調整できる仕事を選ぶことが大事

年収100万円以下を狙う場合、働きすぎて100万円を超える心配がありますが、一方で年収を気にしすぎて思ったよりも収入が減ってしまうことがあります。
特にシフトが柔軟に組めない仕事の場合、職場の都合で年収が100万円を大きく下回ってしまうことも。

一方で単発の仕事は重労働が多く、体力に自信がない人からは敬遠されがちでした。
しかしここ数年は副業(複業)ブームとなり、自宅でできるパソコン作業や軽作業といった副業が充実してきています。

また最近ではコロナ禍で在宅にいてもできる仕事も増えているため、好きな時間に好きな場所で好きな分仕事をすることができます。
お子さんがいる主婦の方でも、子育てや育児をしながら仕事ができるので、「もう少し収入を上げたい」と思ったらすぐに作業ができます。

「年収をぎりぎり100万円で止めたい!」という方は、ぜひ副業(複業)や在宅ワークも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

 

収入が同じなのに住民税が違うのはどうして?

ここまでは仕組みについて説明をしてきました。今度は視点を少し変えてみましょう!

住民税の金額の違い」をご存知でしょうか。

住民税は人によって、安かったり、高かったりします。その理由は、主に以下のようなものがあります。


前年度より今年度の収入が低い

住民税は前年度の収入にかかるので、支払いが一年遅れます。前年たくさん働いた方は、本年に課税額が増えるかもしれません。

 

社会保険に加入していない

社会保険未加入でご主人の扶養に入っている方は、住民税が高くなることがあります。

 

配偶者控除・扶養控除

住民税が安くなるパターンとして、所得割の控除には、配偶者がいる・扶養のなかに高齢者をいれていることにより差し引かれるものがあるので、住民税が安くなります。

 

住んでいる都道府県や市区町村が異なる

均等割りの説明をした際に、「市区町村税」と「都道府県税」という言葉が出てきました。

これらの税は地方自治体が課している税金です。

自治体の財政がよくない場合、超過課税や独自の環境税をかけている場合があり、これによって住民税が高くなってしまうことがあります。


 

住民税が高いと感じたら?

こちらの記事もあわせて読んでみてください。

 

また、ふるさと納税を行っているために住民税の控除が受けられることはご存知ですか?

収入が同じなのに住民税が違う理由のひとつに、ふるさと納税をやっているから、ということがあります。

ふるさと納税の税制メリットについては、こちらの記事にまとめなおしました。

 

これらの理由で、収入が同じなのに住民税が違うということが起こります。

 

パートの平均年収で、実際に住民税を計算してみた

それでは実際に住民税を計算するとどうなるのでしょうか?

以下のケースモデルで計算してみましょう!

 

ケースモデル:Aさん

・年収:約114万円
※平成27年度パートの平均年収(厚生労働省:毎月勤労統計調査 平成27年度分結果確報より

・住民税の非課税限度額:一級地
※住民税の非課税限度額は生活保護基準の級地区分によって、以下のように分かれています。
一級地・・・35万円
二級地・・・32万円
三級地・・・28万円

・扶養や介護の控除:なし

 

住民税を計算するには、4つのステップで計算をしていきます。

 

ステップ1:課税標準額を算出する

Aさんの給与収入額:1,140,000円

1.まず給与収入から給与所得控除を引きます。
→1,140,000円 ー 給与所得控除650,000円 =給与所得額490,000円(※参照:国税庁 給与所得控除

2.給与所得額から、基礎控除を引きます。
→490,000円 ー 基礎控除330,000円=160,000円

課税標準額は、160,000円 でした。

 

ステップ2:税金を計算する

次に、課税標準額に、県民税・市民税をかけます。

→課税標準額 160,000円×県民税・市民税10%=16,000円

これが税金です。ここから調整控除額を引きます。

 

ステップ3:調整控除額を計算する

基礎控除以外の人的控除(※)の差額の合計額5万円×5%=2,500円

※人的控除:基礎控除・扶養控除など、自分や家族などの「人」に関する所得控除のこと

調整控除額は2,500円。

 

ステップ4:住民税を計算する

最後に、税金に均等割りを足して、調整控除額を引きます。

税金 16,000円+均等割5,000円-調整控除額2,500円=18,500円

均等割は「一律に、一定額の税金を課す」もので、市町村民・特別区民税として3,500円、都道府県民税1,500円(3,500+1,500=5,000円)がかかります。(あくまで標準税率なので、都道府県・市区町村によって異なる可能性もあります。)

住民税は、18,500円です。

 


なかなか複雑ですが、これは仮定の計算。

この計算の金額どおりに税金を払わなくてはいけないとも限らないのですが、ある程度このくらいの金額かな?と思っておくだけでも、出費のめどがたち家計管理に役立ちます

 

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住民税の支払い方法と課税対象期間

住民税の計算ができたら次は納入方法や課税対象期間の確認が必要です。

肝心の納め方や対象期間が分からなければ、うっかり滞納する危険性も出てきます。
ここでは正しく確実に住民税を納める方法を紹介します。

住民税の課税対象期間と納付先

住民税の課税対象期間は1月〜12月の1年毎です。

毎年6月に前年分の「住民税決定通知書」と「納付書」が送付され、その内容に沿って納付をする必要があります。
また納付先は、1月1日時点で住んでいる自治体になります。

住民税の支払い方法

住民税を納める方法は2種類あります。

1つ目は月々の給料から会社側が天引きをする「特別徴収」という方法。
2つ目は送付される納付書を使って自分で納める「普通徴収」という方法です。

会社員であれば給料から天引きされる「特別徴収」が一般的で、この場合は会社側がまとめて処理をしてくれるため、納入する手間がなくうっかり忘れる心配もありません。
一方で「普通徴収」の場合は送付される納入用紙から自身で納めるため、うっかり忘れていたりつい期限を超えてしまったりする危険性があります。

それを回避するために普通徴収で一番のおすすめな納入方法は「一括支払い」です。一括で支払っておけば忘れる心配もありません。
しかし一括払いはある程度大きな金額になる場合が多いので、一括が難しい場合は通常の「四分割支払い」をするとよいでしょう。

会社員でも特別徴収にならないケース

「会社員であれば、全員自動的に特別徴収になる」と思っている方も多いかもしれませんが、実は会社員でも普通徴収になるケースがあります。
それは以下のような場合です。

給与が一定額よりも少ない場合
給与額が一定水準を下回ると、特別徴収ではなくなる場合があります。

自治体によっても異なりますが、一般的には年間の給与額が93万円を下回った場合は普通徴収となります。
通常の会社員ですと、93万円を上回ることがほとんどなので、希少なケースです。

複数の職場を掛け持ちしている場合
これも極めて少ないケースですが、2つの会社に勤務している場合に片方の会社で特別徴収をしていると、もう一方の会社では特別徴収にならない場合があります。

しかし一般的には複数の会社に勤務することはないので、これも特別なケースとなります。

従業員が少ない場合
会社に所属する従業員が2名以下の場合は、基本的に普通徴収になります。
また3名以上の場合でも創業間もない時期や、代表者の意向によって特別徴収を設定しない場合があります。

うっかり特別徴収だと思って支払い漏れをするケースがあるので、入社時に必ず確認するようにしましょう。

住民税を滞納した場合のペナルティ

万が一住民税を滞納してしまった場合、どんなペナルティが発生するのか解説します。

まず「延滞税」と呼ばれる追加金が、滞納日から発生します。
延滞金利は期間によっても変動しますが、場合によっては14%を超える延滞金利が発生する場合があります。

また滞納日から20日経過すると「督促状」が自宅に届きます。
通常その督促状には「納付書」も同封されているので、延滞金が少しでも増えないためにも、すぐに遅延金を納入することをおすすめします。

複雑な住民税や所得税はまず関心を持つところから

ここまで住民税や所得税について詳しく説明してきましたが、「難しくて覚えられない」「仕組みが複雑で理解できない」と思う方も多いかもしれません。
一気に全て理解して覚えようとすると、つい頭が混乱してしまいます。

でもご安心ください、初めは誰でもすぐに税の仕組みについて理解できないもの。
毎年の納付や計算を重ねて徐々に身についていくものです。
最近ではインターネットも発達し、すぐに検索で調べられるようになりました。

不安を抱え込まず分からないことはすぐにインターネットで調べ、それでも解消できない場合はお住まいの自治体の窓口に相談してみましょう。

 

まとめ

パートで働く上で「一番低い壁」でもある住民税

扶養控除内の働き方をする人は、住民税も意識しながら収入を調整できると良いでしょう。

住民税は前年度の収入に応じて翌年に支払うので、離職期間がある人は働き始めて2年目で徴収されることになります。

うっかり忘れて貯金を使い切ったりしないように注意してくださいね。

これからお仕事を探す&働き方を変えたいと思っている方は、働ける日数・時間はもちろんのこと、いくらくらいの収入だと税金が少なく手元に残るかも気にかけてみましょう。

年収100万円以内で働くなら、1か月に8万円ちょっとの収入におさえることが必要です。

例えば、時給1000円・週3日・1日6時間(残業なし)で働いた場合、72,000円になります。就業日数×時間×時給の計算をして、応募する前に一度希望に合った働き方かどうか?を確認をしてみてください。

手前味噌ではありますが、しゅふJOBでは扶養枠内のお仕事もたくさん扱っています。よろしければご活用ください。

 

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