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児童手当・児童扶養手当の違いを解説!「特例給付金」と所得制限とは?

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お金のこと

 

2020年11月、児童手当の特例給付が廃止になることが検討されている、というニュースが流れました。

2021年5月21日、高所得者世帯の児童手当を廃止する「改正児童手当関連法」が賛成多数で可決・成立。これにより、2022年10月からは世帯主の年収が1200万円以上の場合、児童手当の支給がもらえなくなります

今回は、

・児童手当とは?
・児童手当の手続方法
・特例給付金とは
・児童手当/児童扶養手当は何が違うの?

という点をわかりやすくご紹介します!

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2022年10月から「特例給付」が高所得者に対し廃止される

少子化対策として、子育てを支援する目的で給付されている給付金が「児童手当」ですが、

2022年10月給付分より児童手当の「特例給付」を高所得者に対し廃止することが政府により決定されています。
子育てを応援するための施策としては、2019年10月より幼児教育・保育の無償化がスタートしました。

少子化対策の財源確保のためにさまざまな制度の見直しが必要になっており、今回の特例給付廃止もその流れを受けてのものでしょう。
本当に支援を必要としている世帯に、十分な支援を集中させることが狙いとされています。

現在の「特例給付」制度

児童手当の支給額は以下の通りです。

・3歳未満の児童に対しては、一律15,000円
・3歳以上小学校修了前の児童に対しては、10,000円(第3子以降は15,000円)
・中学生の場合は、一律10,000円

そしてこれには所得制限限度額が設けられています。

例えば、年収103万円以下の配偶者と児童2人を扶養している場合には、所得制限限度額は736万円です。

目安となる収入額は960万円(所得額+給与所得控除額等相当分)となっています。
収入額はあくまで目安であり、実際には所得額により適用を受けます。

所得制限限度額を超える所得がある場合には「特例給付」の対象となり、月額一律5,000円が児童手当として支給されます。

高所得世帯における「特例給付」が廃止

すでに解説したように、現行(2022年4月現在)では960万円程度を超える年収がある場合には、一律5,000円の特例給付が支給されています。

しかし今回の制度改正により、年収1200万円程度を超える場合には、特例給付の対象外となることが決定しました。

年収960万円〜1,200万円程度の世帯の場合は、これまで通り特例給付の対象となります。

発案当初の所得制限では、夫婦の収入合計額によって計算することが計画されていました。しかし今回の見直しでは、夫婦のうち年収が高い方の収入で計算することになっています。

社会保障費の増大により、所得制限限度額をさらに引き下げようという案も検討される可能性があるでしょう。

そもそも「児童手当」とは?

そもそも「児童手当」とは?

児童手当とは、中学校卒業までの児童を養育している人に対して国から支給される手当です。
母子(父子)家庭だけでなく全家庭に対して支給されます。

支給対象者

0歳~15歳の日本国内に住所がある子どもを養育している人が対象になります。

15歳は中学校卒業の年度末まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)を指しています。

原則として、子どもが日本国内に住んでいる場合に支給されます。(留学のために海外に住んでいるけれども一定の要件を満たす場合は支給対象になります)

また、離婚協議中などで父母が別居している場合は、子どもと一緒に住んでいる人に優先的に支給されます。

 

 

支給される金額


0~3歳未満…一律 15,000円

3歳~12歳(小学校卒業)…第1子/第2子は10,000円 第3子以降は15,000円

13歳~15歳(中学校卒業)…一律 10,000円


児童手当の支給条件を満たしているかどうかは、毎年6月1日に判定されます。

そのため、毎年居住地の市区町村市役所に、現状届を提出しなければいけません。

毎年6月に役所から詳細が郵送されてくるので、月末までに忘れずに手続きをするようにしましょう。

 

児童手当を受け取るための手続きは必要?

児童手当の支給を受けるためには、出生日の次の日から数えて、15日以内にお住いの市区町村への申請手続きが必要です。

初めて手当を受け取る場合は「認定請求書」を申請します。

既に手当を受けていて子どもが増える等で手当が増額になる場合には「額改定認定請求書」を記載して手続きをします。

また、里帰り出産などで、居住している市区町村以外で出生届けを提出した場合、別途住んでいる市区町村で児童手当の申請手続きをする必要があります。

申請が遅れると、遅れた月分の手当を受ることができないのでご注意ください。

※公務員の場合は、勤務先から児童手当が支給されます。公務員になった/公務員でなくなった/公務員ではあるが勤務先の官署に変更があった、という場合はその翌日から15日以内に現住所の市区町村と勤務先に届け出・申請をするようにお気をつけください。

 

 

支給条件

児童手当を受給できる条件として、世帯の所得制限があります。

扶養親族(生計を共にしている子どもや親、兄弟などで、年間所得が38万円以下である人)の人数によって所得制限が異なってきます。

※世帯の所得制限があります。年間所得が限度を超えている場合、子どもの年齢や人数にかかわらず、子ども1人あたり月額5,000円が支給されます。今回、この所得制限を超えた家庭に対しての給付廃止が検討されています。

 

いつ支給される?

支給は、年に3回、6月・10月・2月にそれぞれの前月分までの手当が支給されます。

6月には2月~5月までのぶん、10月には6月~9月までのぶん、2月には10月~1月までのぶんが支給されるということです。

お住まいの市区町村にもよりますが、だいたい12日頃に指定した口座に振り込まれます。

 

引っ越した場合はどうなる?

毎年6月に役所から現状届が送られてきます。

結婚・離婚を機に氏名が変わった場合や、引っ越しをした場合にも届け出を忘れないようにしましょう。

転出・転入届と同様に、転出した日の次の日から数えて15日以内に必ず転入先で申請を行わねばなりません。

※参考:内閣府 児童手当制度の案内

児童手当の特例給付が廃止されたらどうなる?いつから適用される?児童手当の特例給付が廃止されたらどうなる?いつから適用される?

2020年11月6日、児童手当の特例給付が来年途中に廃止になると検討されている、というニュースが流れました。

”児童手当の特例給付”とは「所得制限を超えている場合、子ども1人あたり月額5000円を支給する」というものです。

 

2021年2月2日には、待機児童の解消に必要な財源の確保につなげるとして児童手当法などの改正案が決定されました。

国会でこの改正案が成立すると、来年(2022年)10月以降、特例給付の対象から年収1200万円以上の人を除外するとされています。

 

2021年5月21日、高収入世帯の児童手当を廃止する「改正児童手当関連法」が可決、成立しました。手当廃止で得た財源を待機児童解消に充てるとされています。

 

11月の報道時点では、世帯全体の収入合算で計算する方法に変えるとも言われていました。

例えば、共働き世帯で夫・妻の年収のうち夫の収入が家族の中で最も高く、かつ所得制限を下回っていたために児童手当の給付が受けられていたとします。

計算方法が変わることで、世帯内で合計した金額を基準とするようなるため、夫の年収+妻の年収=所得制限を超えてしまった場合、いままで支給されていた手当がゼロになってしまう可能性がでてきます。

所得制限の基準についても見直されるとされていますが、現在の所得条件を見てみましょう。

 

児童手当の取得条件って?

所得制限限度額は、手当を受ける人の前年12月31日時点での税法増の扶養親族等の数に応じて設定されています。具体的には下図のとおりです。

 

たとえば、夫婦2人(妻は専業主婦)で子どもが2人いる場合、所得制限は736万円、収入額だと960万円となります。

もしこれが現行の所得制限のまま、夫婦の所得が合算された(世帯年収)上限になるとしたら、2人で736万円。1人360万円程度稼いだら所得上限に触れてしまいます。

夫婦ともにフルタイムの正社員勤務だとしたら、所得制限にかかる世帯も多いのではないでしょうか。

政府は、12月上旬をめどに所得制限の年収基準など具体的な設計を決めるとしているそうです。

今後上限額がいくらになるのかは変わる可能性があるので、3歳~15歳(中学校卒業まで)の子どもがいる世帯は特に、続報を気にかけておきましょう。

※現状の所得制限についての参考:内閣府 児童手当Q&A

 

「児童手当」と「児童扶養手当」、違いは?

「児童手当」と「児童扶養手当」、違いは?

名前がよく似ているので間違えやすいのですが、児童手当と児童扶養手当は別の手当のことなので、こちらも確認しておきましょう。

児童手当がすべての家庭の子どもを対象に支給されるのに対して、児童扶養手当は、母子(父子)家庭の、0~18歳の子どもを養育している人が対象になります。(18歳に到達して最初の3月31日まで)

児童扶養手当も、毎年8月に現況届を提出する必要があります。

支給対象

児童手当の支給対象となるのは、15歳になって最初の3月31日まで、つまり中学校卒業までの児童です。

対して児童扶養手当の対象となるのは、18歳になって最初の3月31日までの児童となっています。

また20歳未満で法令の定める「障害程度認定基準」に該当する児童の場合は、特別児童扶養手当の支給対象です。

児童手当を受けられるのは、対象となる年齢の子どもを養育しているすべての保護者となっています。

しかし児童扶養手当を受給するには、次に解説するいくつかの条件を満たしていなければなりませんので注意が必要です。

なお児童手当と児童扶養手当はまったく異なる制度であるため、条件を満たしていれば両方もらうことができます。

受給者の対象条件

児童扶養手当とは、ひとり親世帯などで育てられている児童が安定した生活を送り、自立していくことを支援する目的で支給されます。

受給者の対象条件は、次のような児童を監護(保護を必要とする児童の生活の世話をする)している者です。

・父母が婚姻を解消した児童
・父または母が死亡した児童
・父または母が一定程度の障害状態にある児童
・父または母の生死が明らかでない児童

ひとり親世帯や親の障害などを理由に、子どもの養育に関して経済的な困難がある家庭のための制度であると言えるでしょう。

対象年齢となる児童がいる場合には誰でも受給できる児童手当とは異なり、上記のような条件を満たしている場合にのみ受給できるのが児童扶養手当です。

支給される金額

児童手当と同じように、扶養人数・所得によって支給金額が異なります。また、以下3つの支給区分に分けられています。

・全額支給
・一部支給
・不支給

それぞれ見てみましょう。


全額支給

子どもが1人…月額42,000円

子どもが2人…月額47,000円

子どもが3人以降…1人増えるごとに月額3,000円が加算されます。

一部支給

所得により全額支給されないケースです。この場合、計算によるので、支給額に幅があります。

子どもが1人…月額41,910~9,910円

子どもが2人…月額46,910~14,910円

子どもが3人以降は、全額支給同様に月額3,000円が加算されます。


母1人・子1人の母子家庭であれば、母親の所得が57万円以下であれば児童扶養手当が全額受け取れます。

母親の所得が57万円以上~230万円以下であれば、一部支給に該当される金額が支給されます。

230万円以上であれば、不支給となります。

 

いつ支給される?

2019年11月以降、児童扶養手当は、受給の申請をした翌月以降の奇数月(1月・3月・5月・7月・9月・11月)に指定口座に振り込まれることとなっています。

現在児童扶養手当を受給している人は、8月に現況届を提出する必要がありますが、申請自体は8月以外でも問題ありません。

以前は年3回(4月・8月・12月)の支給でしたが、家計の管理をよりしやすくする目的で、現在の年6回支給へと改正されました。

支給回数が少なく一度にまとめて支給される場合には、支出管理を上手に行わなければ、次の支給日までにお金が足りなくなってしまいます。
現在は2ヶ月ごとに支給されていますが、それでも毎月支給ではないので家計の管理は計画的にする必要があるでしょう。

 

まとめ

 

まとめ

今回は児童手当/児童福祉手当の違い、所得制限についてご紹介しました。

厚労省の国民生活基礎調査によると、現在の特例給付を受けているのは「4世帯に1世帯が該当する」とされています。

これが廃止になるのですから、5000円とはいえパート主婦が1日に稼ぐ金額とほぼ同等。家計には痛いものです。

今後ますます、いくら収入があるとどれだけ税金が引かれるのか、どれくらい所得制限で失ってしまうのかを気に掛ける必要がでてくるのではないでしょうか。

こちらの記事では、扶養や控除について詳細にまとめています。よろしければあわせてお読みください。

児童手当・児童扶養手当は、どちらも子どもの教育や成長のための一助になる制度です。

子どもが将来、進路を選んだり、夢を追いかけたりできるように。上手に手当や控除を活用しながら、やりくりをしていきたいですね。

 

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