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パート・アルバイトも有給休暇はもらえる!付与日数・給与の計算方法をわかりやすく紹介します【動画あり】

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お金と法律

 

「有給って、正社員しかもらえないんでしょ?」

このように思っている方は多いのではないでしょうか。

一定の要件を満たせば、パートやアルバイトでも有給休暇が発生します。

また、2019年からは有給休暇の取得が義務化されています。つまり、有給休暇は取得しないといけない制度になったのです。

今回は、その点もふまえて、パート・アルバイトでももらえる有給休暇についてご紹介します。

詳しく知って、損なく働きましょう!

有給を取得しやすいお仕事まとめました|しゅふJOB

 

そもそも有給休暇とは?

有給休暇(年次有給休暇)は、継続して一定期間以上勤務した労働者に与えられる休暇です。「有給」という名称の通り、休日ですが給料は支払われます。

本項では、労働基準法第39条により定められている有給休暇について、概要を解説いたします。

条件さえ満たせば誰でも取得できる

有給休暇は、労働者の心身をリフレッシュさせるための休暇であり、以下2つの条件を満たせば誰でも取得できます。

・雇入れ日から6ヶ月経過していること
・勤続期間における全労働日の8割以上出勤すること

また、有給休暇は好きなタイミングで取れると、労働基準法により定められています。会社側から労働者の有給休暇取得のタイミングを変更できるのは、事業の正常な運営を妨げる場合だけです。

事業の正常な運営を妨げる場合とは、単純に「忙しい」や「人手が足りない」といった場合のことではありません。多くの従業員が同じ時期に休暇を取り、人員配置の変更も難しい場合などです。

勤続年数6ヶ月から取得できる

有給休暇は雇われてからすぐに取れるわけではなく、勤続期間が6ヶ月経過することで取得可能になります。6ヶ月継続して勤務した場合の取得日数は10日です。

勤続年数が長くなるほど、付与される有給休暇の日数は多くなります。勤続年数と付与される休暇の日数については、以下の表を参考にしてください。

雇入れ日からの勤続年数 有給休暇の日数
6ヶ月 10日
1年6ヶ月 11日
2年6ヶ月 12日
3年6ヶ月 14日
4年6ヶ月 16日
5年6ヶ月 18日
6年6ヶ月以上 20日

所定労働日数が少ない労働者(パートやアルバイトなど)の付与日数については後述いたします。

事前の申請が原則

労働者は、時季を指定して有給休暇を取得する権利(時季指定権)を持っています。それに対して使用者には、「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、労働者の指定した時季を別の時季に変更する権利(時季変更権)が認められています。

上記のように、労働者と使用者は有給休暇の取得を事前に決めておく必要があります。会社によっては、有給休暇の事前申請が就業規則に記載されていることもあるでしょう。有給休暇の取得時季に関しては、多くの場合において事前申請が原則であることを覚えておきましょう。

当日申請の場合には、「時季変更権」を行使する条件である「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当する可能性が高いでしょう。

当日申請や事後申請に関する規定は会社によって異なるので、トラブルを避けるために事前にしっかりと確認しておく必要があります。

パートやアルバイトでも有給休暇は取れる?

結論から述べると、パートやアルバイトでも有給休暇を取ることはできます。ただし働く日数や時間により、付与日数は変動します。

本項では、パート・アルバイトの有給休暇発生の条件や、よくある疑問点を解説いたします。

有給休暇取得はすべての労働者に認められている

有給休暇を取得する条件について、もう一度確認しておきましょう。

条件1:雇入れ日から、6ヶ月継続して勤務していること
条件2:勤続期間内に、契約に基づく全労働日の8割以上出勤していること

以上の条件を満たす労働者なら、誰でも有給休暇を取得することが認められています。正社員や派遣社員、パート・アルバイトなど、勤務形態の区分は有給休暇取得の条件とは無関係です。

ただし、有給休暇を取得できる日数については、所定労働時間が関係してきます。パートやアルバイトの場合は、正社員やフルタイム勤務と比べると労働時間が短い傾向にあるため、有給休暇の日数は少なくなる場合が多いでしょう。

次項では、所定労働時間の長さによって、有給休暇の日数がどう変動するのかについて解説いたします。

働く日数が少なくても有給休暇は取れる?

正社員やフルタイム労働でなければ、有給休暇がもらえないということはありません。そのため、所定労働時間が少ないパートやアルバイトなどに対しても有給休暇は付与されます。

もちろん働く日数が少ない場合は、それに応じて有給休暇の日数も少なくなります。

週30時間未満かつ週4日以下の勤務、または年間の所定労働時間が216日以下の場合、有給休暇付与日数は以下の表のようになります。

 

週所定労働日数 継続勤務年数
6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月
1日 付与

日数

1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日
2日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
3日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
4日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日

 

どんな理由で有給休暇を取れば良い?

有給休暇を取る際に、どんな理由で申請すれば良いのかわからないという意見を耳にします。結論から述べると、理由は何でも構いません。

休暇は働く人にとって自由な時間とされており、その使い道を会社に報告する必要はないのです。「疲れているから休みたい」といった理由でも全く問題ありません。

ただし、有給休暇取得の理由を会社に伝える義務はありませんが、虚偽の理由を述べることは避けるべきです。理由を伝えないのは制度上の許容範囲内ですが、嘘の申告は何らかのペナルティ対象となり得ます。

 

 

有給休暇は、労働基準法に「事業者は、労働者が請求した時期に、年次有給休暇を与えなくてはならない」と定められています。

つまり、法律上では希望を申請すれば有給をとれることになっています。

これは、どんな理由であっても、お休みをとることができます。

たとえば、友人・知人の結婚式に参加するとき。子どもの学習発表会のとき。親の病院につきそうとき。

気になっていた映画を公開初日に見に行きたいとき。土日は絶対に予約しても入れない有名店でランチがしたいとき…そんな理由でもOKです。

もちろん、子どもが体調を崩してしまって面倒をみたいときでも使えます。

昨今の時勢のように、感染症の流行がある場合は、有給休暇も適切に使用して、休暇をとる必要が出てくるでしょう。

子どもが在宅学習になったことで仕事を休んだ場合、休業手当・助成金はもらえるのでしょうか?

 

有給休暇を取得した日の給料の計算方法は?

月給制なら「休んだ分が、お給料から引かれない」というだけで済みますが…

時給制のパートの場合「有給を取得したぶんのお給料」はどのように計算されるのでしょうか?


パートの有給取得時の「お給料」3つの計算方法

1.過去3ヶ月の賃金の合計額÷その期間の勤務日数

勤務日数が月によってバラバラな場合などは、この方法が使われます。

遅刻、早退や半日勤務など特別な日は除いて、過去3ヶ月の全日勤務した日の給料を、勤務日数で割ります。

 

2.通常通り働いた場合に支払われる場合の1日の賃金

シフト制など固定で勤務日数が決まっている場合には、だいたいこの方法が使われます。

 

3.健康保険の標準報酬日額で算出する

健康保険法という法律で、労働者には「標準報酬日額」が定められています。

産休を取った人や傷病手当をもらう人の日給計算にも用いられる計算です。

※健康保険に入っていないパートさんはあまり使われないようです。

 


上記のうちいずれかで有給休暇の賃金は計算されます。

どの計算方法を使うかは職場にゆだねられているので、異なります。

さて、有給休暇を取得するために、気を付けておくべきポイントはあるでしょうか。

 

 

有給休暇を「使わなきゃいけない」ってほんと?

2019年4月、10年ぶりに労働基準法が改正・施行されました。

この改正(正式名称:働き方改革を推進する法律案)は「働き方改革関連法案」と呼ばれています。

その中で、労働者が休暇を取得しやすい環境を作る取り組み(休み方改革)として有給取得が義務化されました。

パート・アルバイトでも条件に該当していれば、有給取得の義務化対象になります。

年10日以上の有給が付与される労働者に年5日有給休暇を取得させることを義務化する、というものです。

これによって、有給休暇を規定日数使用しなかった場合、会社にはペナルティがあります。

下記の記事にまとめているのであわせてご確認ください。

有給休暇がもらえない場合

パートでも、条件を満たせば有給休暇をとることができることは先述した通りです。

休暇の取得時期や理由は働いている人の自由なので、基本的に会社は有給休暇の取得を妨げることはできません。

しかし、自分の好きな時期に有給休暇をもらえないというケースもあります。

繁忙期に有給休暇をもらおうとすると、忙しい時期であることを理由に、休暇時期を変更するよう促される場合があるのです。

会社側が持つこの権利を「時季変更権」といいます。

労働者に有給休暇を与えることによって、正常な業務が妨げられるような場合には、会社側は休暇時期の変更を主張することができます。

時季変更権はあくまで「変更」であり、有給休暇の取得を妨げるものではないことを覚えておいてください。

会社がパートに有給休暇が付与されることを知らないことも!?

パート・アルバイトでも有給休暇がもらえると知って驚く人は少なくありません。
会社側の人が知らないということもあります。

しかし、パートでも有給休暇をとることができると、法律によりはっきりと規定されています。

正社員・パート・アルバイトの区別なく有給休暇がもらえることは、認識しておくと良いでしょう。
会社側に知識がない場合は、事を荒立てないよう配慮しながら、パートでも有給休暇をとる権利が認められていることを伝えられると理想的です。

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有給休暇の有効期限は?

有給休暇には有効期限が定められており、期限を過ぎると使えなくなってしまうので注意が必要です。

有給休暇の有効期限は、付与された日から計算して2年です。有効期限を過ぎてしまった場合の有給休暇の申請を、会社側は拒否することができます。

有効期限を会社の都合で短縮することは法的に認められていませんが、2年間より長くすることは認められています。

また有効期限内の有給休暇は、次の年に繰り越すことが可能です。

たとえば、勤続6ヶ月のタイミングで10日間付与された有給休暇を、5日しか使わずに1年経ったとします。

残った5日分の有給休暇については、2年目に新たに付与される有給休暇と併せて使うことができるということです。

退職時に残っている有給休暇はどうなる?

退職する日が決定している場合は、タイミングを合わせて有給休暇を使い切ってしまいましょう。退職時に使い切れなかった分の有給休暇は、ただなくなってしまうだけなので注意してください。

有給休暇の取得は法的に保護されている制度です。
たとえ30日以上の有給休暇が残っていたとしても、遠慮せず使い切ってしまって構いません。

とはいえ職場の人に迷惑をかけないよう、業務の引き継ぎなどはしっかりしておきましょう。

原則的に会社側は、申請された有給休暇を拒否することはできません。退職時の有給休暇申請では、時期の変更ができないため「時季変更権」も無効となります。

退職時の有給休暇については、退職日と併せて会社の人としっかり相談して決めてください。

有給休暇の「買取」って可能なの?

有給休暇を使い切ることができない場合に、その分をお金で買い取ってもらったという話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

有給休暇を買い取ってもらえるかについては、認められるケースもあるというのが本当のところです。

労働者の休養という有給休暇本来の目的と異なるため、原則的には有給休暇の買取は認められていません。
しかしこれにはいくつかの例外があります。

退職時や時効間近で、有給休暇が消滅する可能性がある場合などです。

しかし、上記のような場合であっても必ずしも買い取ってもらえるわけではありません。
有給休暇の買取は会社側との話し合いの上、合意があれば買い取ってもらえることもあると覚えておきましょう。

 

上手な有給の取り方は?

では、有給の使い方について確認していきましょう。

有給休暇を使うにあたって、気を付けておいたほうがいいポイントはあるでしょうか。

労働基準法には「事業者は、労働者が請求した時期に、年次有給休暇を与えなくてはならない」と定められています。

つまり、法律上では希望を申請すれば有給をとれることになっています。

そのため、先述のとおり、どんな理由であっても有給休暇を取得することができます。

ただし、企業によっては「時期により休まれると人手が足りなくなってしまい、営業に支障がでてしまう。有給をずらしてもらいたい」と言われることもありますよね。

有給を心置きなく取得するために、押さえておくべきポイントは2つです。

 

1.繁忙期を知る

例えば経理のお仕事など、請求書発行・仕訳入力の期限が決まっている業務の場合、締め日の前後は出勤相談が入りやすいことがあります。

そのため、できるだけ円滑に有給を使うには、事前に職場のルールを確認し、繁忙期はなるべく避けるようにしておくと良いでしょう。

 

2.周りの勤務状況を知る

また、有給を取る際にはパート仲間が出勤しているかどうかも気にかけておきましょう。

人手不足が起こってしまわないようにしておくと、気兼ねなくお休みできます。

逆に、同じお仕事をしている人が多い職場は比較的、お休み調整をしてもらいやすい傾向があります。

例えばコールセンターや、ファミレスなどのホールスタッフなど、仕事を代わってもらえる人がいる環境は相談しやすいですよ。

主婦が多く活躍している職場では、子どもの発熱など急なお休みでもフォローができるように体制を整えていることが多いので、有給休暇も相談しやすいようです。

お互い様の精神を忘れずに「よかったら代わろうか!」と日ごろからコミュニケーションをとっておくと

いざという時「あの時代わってもらったから…今回は私が代わるよ!」と、お互い相談しやすくなるものですよ。

また、有給を有効活用については下記にもまとめています。

有給休暇取得を断られた場合は?

有給休暇の申請をしたものの、会社側から断られてしまった場合にはどうすればいいのでしょうか。いきなり食ってかかり、労働者の権利を主張するのは考えものです。

まず会社側に、どんなことを確認すればいいのかについて解説いたします。

業務上必要か確認する

有給休暇の申請があった場合、どんな理由であったとしても、会社側には申請を拒否することが認められていません。

ただし、業務上必要な場合には、有給休暇の時期を変更するように促す権利が雇用主にはあります。この場合でも、認められているのは「拒否」ではなく「変更」です。

たとえば多くの従業員から同じ時期に休暇の申請があり、すべてを受理してしまうと業務に甚大な支障が生じる場合などがあります。

有給休暇の申請を断られた場合は、まずはなぜその時期に休暇を取ることができないのか、理由をしっかりと確認しましょう。

また業務上の必要があったとしても、いつまでも有給休暇を取らせてもらえない場合には、人事部などに相談してみる必要があるでしょう。

いつなら取得出来るかを確認する

業務上の必要性から、有給休暇の「時季変更」をお願いされたとします。

次にすべきことは、いつなら有給休暇が取得できるかを確認することです。

いつなら良いのかを確認しておかないと、次に申請したときにも、業務上の必要を理由に延期を促されてしまうかもしれません。

正当な理由なく有給休暇取得を拒否することは違法であることも確認し、担当者とよく話し合って時期を明確に決めましょう。

業務上必要だったとしても「時季変更権」を盾にいつまでも有給休暇を取らせないというケースは、有給休暇取得の妨害とみなされる可能性があります。

お互いの意見をすり合わせておかないと、訴訟など面倒なトラブルに発展しかねません。日頃から気軽に相談できる環境を作っておくことも重要と言えるでしょう。

まとめ

採用面接のときに有給休暇の話を聞くのはなかなか難しいこともありますよね。

そのため、有給休暇があることを知らずに半年以降も我慢して過ごしてしまうことがあります。

取得した有給休暇の使用期限は2年

そのため、勤めて半年が経つようであれば、会社の規則を確認したり、上司や同僚に聞いて、有給休暇の利用方法を調べてみることをおすすめします。

また、2019年からは有給休暇の取得が義務化されました。

これは年10日以上の有給休暇の権利がある従業員について、最低でも5日以上、有給休暇を使用することを義務付けたものです。

5日未満しか有給休暇を消化していない従業員については、企業側が日付を指定してでも、有給取得をすることになります。

働く主婦・主夫は、もしもの時に備えて有給休暇をとっておきたい、という気持ちもあるかもしれません。

有給休暇は、体を休めて心機一転、また良い仕事ができるようにリフレッシュするために使うもの。

せっかくなら遠慮せず、自分の希望の日にちで利用することをおすすめします。

しゅふJOBでは「有給休暇を取りやすいお仕事」を特集中♪

みんなが有給休暇をとっている環境なら、有給申請がしやすくなりますよ。よろしければご活用ください!

 

 

尚、今回の記事でご説明した内容は以下の動画でもご紹介しておりますので、こちらも併せてご覧ください


 

「有給を取得しやすい」と自負しています!という職場のお仕事を見てみる|しゅふJOB

 

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