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他人事ではない!?親の介護が必要になった時、仕事はどうなる?

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おしごとのこと

あまり考えたくないことですが、いつかは向き合わなければならなくなる可能性のある親の介護問題。
要介護者数は増加の一途を辿り、今や社会問題となっています。
そこで今回は、「介護と仕事の両立」をテーマに
・仕事の現場では今、介護離職が増えている?
・介護と仕事の両立、実際に起きること
・それでも働きたい!介護離職をしないために
を掘り下げます。

仕事の現場では今、介護離職が増えている?

あなたの周辺に「介護離職」をした人はいませんか?
近年の離職理由で増えているのがこの「介護による退職」です。
介護離職とは、親など身近な人が介護者の助けを借りないと生活が送れない状態になったときに、仕事を辞めて介護に専念することをいいます。

介護は同居の場合と親の家に通う場合があります。
通いでかつ、介護を単独でおこなっていると、代わりの人がいないので体調も崩せず、休日もないので、ときに仕事よりも過酷です。

子育てと違って先が見えない分、心理的な負担も大きいといえます。

総務省による「平成24年就業構造基本調査」の結果によると、過去5年間で、介護・もしくは看護のために前職を離職した人は約48万7千人。
毎年、約8〜10万人が介護離職をしており、その人数は増加傾向にあります。
さらに、介護離職をした人のうち、およそ8割が女性という現状も。

主な家計を受け持つ男性が仕事を失うわけにはいけないという事情や、家事や育児でホスピタリティのある女性の方が向いている、という暗黙の認識により女性が担わざるを得ない、というのが現状のようです。

ただ、これでは女性の負担が大きく、どうしても仕事を続けるのは困難となります。
仕事の現場では実際に、どんな問題が起きているのでしょうか?

介護と仕事の両立、実際に起きること

介護が発生したとき、皆さん実際にどのような行動をとったのでしょうか?

はたらこネットが2017年に行なった「介護と仕事の両立について」の調査によると、介護が必要になった際、仕事との両立をしたいと考えている人の割合は、およそ9割。
それに対し、実際に介護している方の実情は、

そのまま仕事を続けた…39%

両立できる仕事へ転職した…31%

離職した…15%

職場は変えず、時短や休業をとった…15%

という結果に。

介護が生じてもそれまでと変わらず仕事を続けている人は、4割足らずで、
約半数が、転職や働き方を変えることを余儀なくされており、
さらに、1割以上が、仕事を辞めざるを得ない状況に陥っていることがわかります。

では、それぞれの声をみてみましょう。
「実家の近くに引っ越したので、今の職場に通えなくなった」
「介護疲れで心労が続き、仕事を続けられなくなった」
「毎週通院の付き添いのため週4のパートに転職した」
これは、介護のために働き方を変えた人たちの声です。

短時間勤務を活用できる場合はよいのですが、かなわない場合は退職したり、転職する人も。
ちなみに、仕事を辞めたり、転職しても全ての悩みが解消したわけではなく、退職や転職による収入減や心身の疲労など、悩みを抱えながらというのが現状のようです。

実際、仕事をそのまま続けている人の声に注目すると、
「仕事をしている間は介護から解放される」
「民間のヘルパーもフル活用しているが、夜は介護で眠れず辛い」
「今仕事を辞めたら生活が立ちゆかなくなる」
など、仕事中は介護から解放されるという意見が多かった一方で、夜の介護で疲労感が抜けないなどの悩みが。
教育費などのため収入が減ると困るという事情も悩ましいようです。

それでも働きたい!介護離職をしないために

介護のためとはいえ、収入減は大問題。
家族のためにも自分自身のためにも、できれば仕事との両立を叶えたい…。
そのためには、職場の理解を得ることと、介護サービスの手を借りることも含め、一人で抱え込まない状況作りを検討していきましょう。

☆職場に対してできること
介護者をサポートする制度があります。適用には条件がありますが、簡単にご紹介します。
尚、詳細はこちらを参考にしてください

・介護休業
要介護状態(2週間以上の期間にわたり、常時介護を必要とする状態)にある家族がいる労働者が対象。 ただし、パートや契約社員など有期契約労働者は、

・入社1年以上

・介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6ヶ月経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと

という条件を満たすことが必要です。

休業期間は、対象家族1人につき通算93日まで。対象家族1人につき、3回まで申請することが可能です。

・介護休暇
介護状態にある対象家族の介護や世話を行う労働者は、1年に5日(対象家族が2名以上の場合は10日)まで休暇の取得ができる制度です。
ただし、日雇い労働者、入社6ヶ月未満の労働者、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者は、基本、対象外となります

・勤務時間の調整
要介護の家族を介護している人は、

所定外労働の制限(残業の免除)

次回以外労働の制限(1ヶ月24時間、1年150時間以上の時間外労働=残業の禁止)

深夜業の制限(午後10時〜午前5時までの労働の禁止)

所定労働時間の短縮処置(短時間勤務、フレックス制度・時差出勤、介護費用の助成に準ずる制度)

を活用することができます。
ただし、日雇い労働者や、入社1年未満、1週間の所定労働日数が2日以下の場合は、対象外になります。

☆行政・民間の介護サービス
介護休業給付金
介護休業開始日の前2年間以上働いた(賃金支払い基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上ある)人が介護休業を取得した場合、介護給付金が支給されます。
支給額の計算式は、休業開始時賃金日額×支給日数(30日)×67%(要件によっては40%)
です。
詳しくは、勤務先所管のハローワークに相談してください。

・介護プラン
ケアマネージャーにケアプランを立ててもらうときには、必ず仕事をしていても無理のない設定でお願いしましょう。
民間の介護サポートも取り入れて、無理のない介護計画を立てましょう。

介護はとても大変なこと。
終わりが見えない上に身内のことなので会社や他人に相談するのもためらわれ、自分たちでなんとかしなければ、と勢いで仕事を辞めてしまう人がたくさんいます。
その反面、状況が落ち着いてきたら復職する人も多いのが介護離職の特徴。
結局また仕事をすることになるのであれば、まずは現在の仕事を続けることができないか検討してみましょう。
両立するには、使える制度は使い、外部のサポートに徹底的に頼ることです。
介護が終わった後の自分の生活も考えて、仕事を続ける意思があるのであれば、離職を安易に決めてしまわないようにしたいものです。

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