【しゅふ川柳・総論インタビュー!】 ~家事はシェアするもの!今年の母の日・父の日には「くつろぐ時間」を~
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しゅふ川柳
主婦・主夫の日常にまつわるリアルな声を、川柳に載せて発信する「しゅふJOBプレゼンツ しゅふ川柳2024」。
今回は最終審査員としてゲストにお迎えした放送作家・野々村友紀子さんに、しゅふ川柳2024選考委員が直撃インタビューを行いました!
野々村さんは、吉本総合芸能学院(NSC)東京校の講師、書籍・脚本等の作家業に加え、鋭い視点と切れ味光るコメントで、テレビ等各種メディアでもご活躍中。
ご家庭では、家事を夫(お笑い芸人の2丁拳銃・修士さん)とシェアしながら、高校生のお子さん2人を育てるお母さんです。
今回は、最終審査にノミネートされた30句の川柳から「野々村さんお気に入りの9句」のご紹介と「2024年版・しゅふのリアルな声」についてコメントをいただきました。
※「しゅふJOB」運営会社 株式会社ビースタイル メディア代表・石橋(小3女の子・0歳男の子のパパ)もインタビューに参加。野々村さん節にバッサリ斬られる様子もぜひお楽しみください!
もくじ
<はたらく>部門・TOP3を発表!
野々村友紀子さんが選ぶ!<はたらく>部門・第3位!
(神奈川県 39 歳 サクラモモ 女性)
川柳投稿エピソード:休日に読み聞かせをしましたが疲れていて居眠りしてしまい、子供が毛布を掛けてくれました。(神奈川県 39 歳 サクラモモ 女性)
懐かしいですね~!私も読み聞かせしながらよく寝落ちしてましたよ。
子どもって何故あんなに、何度も同じ本を「読んで~」って言ってくるんでしょうね。
繰り返し繰り返し「うんとこしょ、どっこいしょ」何回言うねん!と。
孫が来て、犬が来て…読んでいるうちにこっちが眠くなってきて…や~っと大きなカブが抜けたと思ったら「もういっかい!」これですよ(笑)。
子どもに付き添うというのは本当に体力を使うこと。起こす代わりにそっと毛布を掛けてくれる、お子さんの優しさやリアルな情景にほっこりしました。
野々村友紀子さんが選ぶ!<はたらく>部門・第2位!
(埼玉県 いそのっぺ 42歳 女性)
川柳投稿エピソード:生活を回すことに必死で、気がつけば自分のことは何もできていない。美容院に行ったのはいつのことか。
実際ね、しゅふって毎日やることだらけなんですよ、ほんまに!
作者さんのコメントにもあるように、子どもが小さいうちは美容院に行く時間はなかなか取れなかったですね。お風呂もゆっくり入れない、自分の体を大急ぎで洗うだけ。バタバタとお風呂から上がったら、子どもには急いで保湿剤を塗る。なのに、自分のスキンケアは何もできずお肌はカサカサ、カピカピに(涙)。
こんなに頑張っている現実を、もっと知って欲しいです。そして、しゅふさんたちがもっと自分の時間を取れるように協力して欲しいな、という思いを込めて選びました。
野々村友紀子さんが選ぶ!<はたらく>部門・第1位!
(福岡県 40歳 なぎなぎ 男性)
川柳投稿エピソード:実際に妻から言われたことです。。。
「手伝うよ」…しゅふとしては敏感になる言葉ですね。「は?何言うてんの?どういう意味?!(怒)」と。世のしゅふの声の代表ですよ。この言葉を言われてはっとする夫の気持ちもなんだか伝わってきます。
家事を分担する最初のきっかけとしては「手伝う」かもしれないですけど、共働き世帯の多いこの時代、ずっと「手伝うよ」の姿勢では困ります。
家の中で起こることは、二人ともやるのが当たり前!だから、お願いする側も「ごめんね、手伝ってもらって」なんて思う必要はないんです。代わりに「ありがとう、やってくれて」と感謝したり、時には褒めたり。二人で家事をすることに喜びを感じられるようになるといいですよね。我が家はそう仕向けました(笑)
<家計>部門・TOP3を発表!
野々村友紀子さんが選ぶ!<家計>部門・第3位!
(滋賀県 50 歳 PON5 男性)
川柳投稿エピソード:安いものばかり買ってと思われなくて助かります
今や日常になったセルフレジ、実はこんなメリットがあったんですね!
見切り品をかごに入れるときって、少し恥ずかしいというか…半額シールばかり見えないように、定価のもので隠したり(笑)でもセルフレジなら誰にも気づかれない、と。なるほどなぁ。セルフレジはちょっと自信がないわ…というしゅふ世代の方にも、この川柳を通して「いいことあるで!」と伝えたいですね(笑)
野々村友紀子さんが選ぶ!<家計>部門・第2位!
(兵庫県 65 歳 ピアノカフェ 男性)
川柳投稿エピソード:株価は値を上げているが、同時に物価高も続いており、これには音を上げてしまう。
今年は新NISAなども話題になりました。「株価が上がる」ニュースはなんとなく遠い世界。いくら株価が上がっても、私たちの生活にすぐに恩恵があるわけじゃないんです。毎日の暮らしを切迫する「物価の値上がり」の方が、しゅふにとってはリアルで身近。
スーパーでこれまでは気軽に買っていたものが、ふと見ると驚くような値段になっていて「今日はやめとこか…」とか。お菓子も一袋にほんの少ししか入ってなかったり「このクッキー、こんなに小っちゃかったか?!」とか。日々感じるのは断然、物価高のほうですよ!
野々村友紀子さんが選ぶ!<家計>部門・第1位!
(長崎県 64歳 ちゃこぴ 女性)
川柳投稿エピソード:夫は、隠し事の下手な性分で臨時収入などこそこそ隠していました。それも、すぐに見つかる所に。しかし、今は、スマホの中で、コツコツと増やしているみたい。
家計部門の句はどれも時代を表していますね~。おもしろい!電子マネーは便利だけど、こういうこともあるのか!と気づかされました。スマホでパスワードをかけていたら、お互いのへそくり額も、その他の悪事も分からないのかも。気を付けないといけませんね、昔は夫が何かを隠している場所なんて、なんとなく勘で分かりましたよね。本棚のすきまとか(笑)
<母の日・父の日>部門・TOP3を発表!
野々村友紀子さんが選ぶ!<母の日・父の日>部門・第3位!
(山形県 64歳 置楽 男性)
川柳投稿エピソード:父の日の娘との実話です。
最近の子って、本当にLINEの文章が短い!うちの娘(高3と高1)もそうですけど、スタンプだけで返信したり。我が家では、娘におもろいこと言っても「うける~」と言ってくれず、返ってくるのは「草」の一言だけだったり…お父さん、2文字来るだけありがたいのかもしれないですよ。
(笑)注:「草」=「w」=「笑える」という意味のネットスラング
ー弊社代表・石橋:わぁ…そんな時期がいつか来るんですね(遠い目)
まだお子さん小さいから大丈夫じゃないですか?
ー石橋:実は僕、娘(小3)に嫌われないようにと、いつも娘の言うことを聞いて言われた通りに動いていたんです。そしたらなんと娘が、こっそり僕のこと「アレクサ」って呼んでたようで…。
(一同・爆笑)
野々村友紀子さんが選ぶ!<母の日・父の日>部門・第2位!
(京都府 75 歳 ハッピー椿 男性)
川柳投稿エピソード:毎年、ははの日が近づくと、故郷に住んでいる母に何か欲しいものはないか聞いている。その答えは、いつも「何もいらん。でも若さがほしい」。
「若さ」確かに欲しい!でも「何か欲しいものある?」と聞かれて「何もいらんわ~」ではなく、くすっと笑わせてくれる受け答えに、お母さんの優しさや余裕が感じられてほっこりしました。
「失った若さがもう一度欲しい!」という気持ちも当然あるんやと思いますけど(笑)、それだけ人生が満たされている、という証拠じゃないでしょうか。これってうらやましいことやな、その言葉を川柳にしたためる息子さんの視点も素敵やなと。こう言えるお母さん、粋ですよね!
野々村友紀子さんが選ぶ!<母の日・父の日>部門・第1位!
(兵庫県 48 歳 ベンジャミン 女性)
川柳投稿エピソード:物としてのプレゼントより、何もしなくていい時間というプレゼントが一番うれしい
母の日、子どもたちからのプレゼントやお手紙‥嬉しいですよ、もちろん。でも、料理・洗濯・掃除、日々の家事をこなすのはいつもと同じ。子どもが手伝える年になったとしても、結局後片付けをするのはお母さんだったり。
仕事帰りにバタバタ買い物に行って、買い物袋を両手に「ただいま~」とキッチンに直行。急いで冷蔵庫に食材を詰め、「ちょっと待ってね~」と言いながら料理、合間にお風呂の準備をして。
そうやって家事に追われている最中にふと「あれ?私だけ、座ってないねんけど…?」と思う時、ありませんか?!
(一同、うなづく)
家事をぜ~んぶ終わらせてようやく座れても、次の日の献立を考えたり、子どもの習い事や送迎のスケジュールを組み立て…頭の中はフル回転。気がついたら寝落ちです(笑)何にもしなくていい時間って、しゅふ業にはほぼないんです!
「くつろぐ時間」って、しゅふにとっては本当に貴重なもの。
だから、このプレゼントが何よりうれしいんです。
ゆっくり座ってお茶を飲んだり、好きなことをしたり、好きな韓国ドラマを見たり。
カーネーションやお手紙ももちろん嬉しいですが、今年の母の日にはぜひ「何もしない、くつろぐ時間」を贈ってあげてほしいな‥‥切実にそう思います!
家事シェアのヒントは「家の中の○○に気づくこと」
ー野々村さん、ユーモアあふれる川柳の総評と、母の日のメッセージをありがとうございます!
続いては父の日によせて、世のお父さんへのメッセージを…野々村さん流の「喝」をお願いします!
お父さん、毎日お仕事お疲れさまです!
…と、世間のお母さん方はみ~んなそう思ってます、きっと。
でも、「しんどいのは夫も妻も同じ」ということに気付いてほしいですね!
外で働いていてもいなくても、家の中でやらなあかんこと(=家事)は山ほどある。
だからお父さんにも出来ることは自分でやってほしいんです。
まずは家庭のこと・子どものことを大切にしてほしい。これが家庭円満の秘訣。将来はきっと、老後の夫婦円満にも役立ちます。定年後、70代・80代になって「家事も何にもしない夫と暮らすメリットなんてないわ、捨てたろか~!?」って思い立つ妻、結構多いそうですよ(笑)!家事は愛です。愛情を持って、協力して出来たらベストですね。
ー石橋:「家事は愛」おっしゃる通りですね…。どうすれば愛を伝えられるでしょうか?
例えば、家の中で「ピーピー」と何か音が鳴ったら、まずはそこへ自主的に駆けつけてみてほしいです!そこには必ずなんかしらの家事があるはず。洗濯物、食洗器、加湿器の水が切れている…そこに必ず家事が待っています。
家の中のあらゆる「ピーピー」音に敏感になることから始めてみたらいいんじゃないでしょうか?先に気付いた夫に「これやっとくね!」なんて言われてみたいもんですね~。
ー石橋:なるほど!!気づきませんでした、ぜひやってみます。
著書「夫が知らない家事リスト」誕生の裏には…?
ー石橋:ちなみに、修士さんは一人目のお子さんが生まれてからすぐ、家事・育児に積極的でしたか?僕は一人目が生まれたころ、家事・育児は妻に任せてばかりだったので、反省していまして。
そうですね~、おむつ替えくらいは率先してやってくれてましたよ。でもね、「僕はやることやったから、飲みに行っていいよね?」って言うんですよ。「いやいや、やることはまだいっぱいあるねん!」と。
家の中を見渡したとき「妻の忙しそうな姿」に気づくことができる夫って少ないんじゃないかな、と思います。我が家も「僕はたくさん家事やってる」「いや、もっとやってほしい」という夫婦喧嘩が続きました。しまいには訳のわからんことを言い出すんです。「やってないヤツと比べたら、やってるほうやんな?」いやいやアンタ、何にもしないパパさんと比べてどうすんの?と。
このギャップがなかなか埋まらないので「家事リスト」を書いてみたんです(野々村さん著・『夫が知らない家事リスト』)。この家事リストを見せてからようやく夫は「自分は全然やれていない」ということを理解したようで、夫婦喧嘩が減って私も楽になりました。やってるつもり/やってないじゃない の対立が多いんじゃないでしょうか。どの家庭も。
ー石橋:「『夫が知らない家事リスト』」素晴らしいですね!僕、自分では家事を6~7割はやってると思っていたんですが…野々村さんのリストを見てみると、出来ていないことがすごく多かったです。洗濯のとき、色物を分けてなかったりとか。パンツをしまう時も畳んでないし…
一同:パンツはちゃんと畳んでしまってください!
いくつになっても自分らしく輝ける!それが「仕事」
ー「しゅふJOB」は主夫・主婦のみなさんのお仕事探しをサポートする求人サイトです。家事と仕事を両立なさっている野々村さんから、これから働きたいと思っている方、働きたいけど不安…というしゅふの方へ、メッセージをお願いします!
私も子どもが小学校に上がるくらいまでは、子育てに専念したり、仕事をセーブしていた時期がありました。仕事に復帰する時は皆さんと同じように緊張したり、不安なこと・心配ごとが色々ありましたね。
でも、いざ始めてみると、何とかなるもんです!世間とつながったり情報を集めたりしていれば、不安な部分はつぶしていけるし、足りないものはあとから補えます。
「働きたい、でも今すぐに動き出すのが難しい」という時も、こつこつ情報を集めているときっと役に立つはずです。
「はたらく」ことって、新たな世界にチャレンジして、自分が成長していくこと。たとえ年齢がいくつであろうと、自分が自分らしく輝ける時間を持つことができるのが「仕事」だと思います。
「初めて/久しぶり」で不安な気持ちはみんな同じ。だから、勇気をもって飛び込んでほしいです。一歩踏み出して、外に出ていきましょう、毎日忙しいですが、一緒に頑張りましょうね!
ー野々村さん、あたたかいメッセージをありがとうございました。
しゅふJOBはこれからも、主婦・主夫のお仕事探しをサポートし、
「自分に合った働き方」が見つかるサイトであるよう、幅広い情報を発信し
しゅふの「はたらく」を全力応援してまいります!
この記事を書いた人
しゅふJOBナビ編集部