パート・アルバイトもOK!1日~1万円を直接申請できる「休業支援金・給付金」について解説
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お金のこと
「緊急事態宣言を受けて、お店がお休みに!予定していたシフトに入れなくてピンチ…」
「会社から自宅待機するようにと指示があったけど、休業補償対象じゃないの?休業補償金もらってないんだけど。。」
と困っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、休業を命じられた時に使用することができる「休業支援金・給付金」についてご紹介します。
特に、令和2年10月~12月に会社からの指示で休業をした場合の支援金・給付金について、締め切りが3月31日までと近づいてきています。
対象者だけど申請していない方は、ぜひこの記事を参考に手続きをしてみてください。
もくじ
休業支援金・給付金制度って?
正式名称は「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」。
新型コロナウイルス感染症およびその感染拡大防止措置の影響で、会社に命じられて仕事を休まざるをえなかった中小企業の労働者のうち、休業中に賃金(休業手当金)を受け取ることができなかった人に対して、支援金・給付金を支給する制度です。
支援金・給付金支給対象者
以下の2つの条件にあてはまれば、休業支援金・給付金の対象者になります。
1.2020年4月1日から2021年2月28日までの間に、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、事業主の指示で休業をした中小企業の労働者
2.その休業に対する賃金(休業手当)を受け取ることができない方
この条件にあてはまると、休業実績に応じて、休業前賃金の8割(日額上限1.1万円)が支給されます。
さまざまな助成金と異なり、この制度は労働者本人が申請することができます(事業主が従業員分をまとめて申請することも可能です)。
また、大手企業に勤める人は受給ができませんでしたが、これから拡大される見込みです。下部に加筆したのでご確認ください。
支援金・給付金はいくらもらえる?
休業前の1日あたりの平均賃金 × 80% ×(各月の日数 ー 就労したまたは労働者の事情で休んだ日数) |
で計算されます。
休業前の1日当たりの平均賃金の8割については、11,000円が上限となっています。
※休業前の賃金…休業開始前の6ヶ月の間に支払われた賃金のうち任意の3か月の賃金のこと。
なお、事業主負担はありません。会社に悪いから…と遠慮せず、申請しましょう。
シフト制・登録型派遣の場合は対象になる?
「確かに事業主からの指示で休んだけど、もともとシフト制/登録型派遣なんだけど…?」という場合でも、申請できます。
シフト制の場合、シフト決定前にシフトが減ったのだから休業ではないのでは?と思われがちですが、新型コロナの影響さえなければ今まで通りの勤務ができていたと考えられる場合には支給対象になります。
また、登録型派遣で働いていた人が派遣先の都合で派遣契約を解除された場合でも、派遣元企業との労働契約が継続していれば対象になります。
・労働条件通知書に「週〇日勤務」など具体的な勤務日数の記載があったり、申請対象月のシフト表が出ている場合で、事業主にその誤りがないか確認ができる場合
・休業開始月前の給与明細等により、6か月以上の間、原則として月4日以上の勤務がある事実が確認可能で、かつ、事業主に対して、新型コロナウイルス感染症の影響がなければ申請対象月において同様の勤務を続けさせていた意向が確認できるケース(ただし、新型コロナウイルス感染症の影響以外に休業に至った事情がある場合はこの限りではありません。)
上記2つのケースについては、休業支援金の対象となる休業として取り扱われます。
ショッピングモールが休館になったから自動的に休みになったんだけど…
勤務先のお店が入っているショッピングモール(ショッピングセンター)などの複合施設自体が休館して休業になった場合など、環境変化が原因の場合でも、事業主が労働者を休業させたということにあたります。
遠慮せず申請しましょう。
うちの会社は「中小企業」?
条件の中に”中小企業の労働者”という文言がありましたが、この制度では中小企業の範囲は以下となっています。
※資本金の額もしくは出資総額が3億円を超えない事業主またはその常時雇用する労働者の数が300人を常態として超えない事業主。
出資総額…小売業またはサービス業が主たる事業の事業主については5000万円以下、卸売業を主たる事業とする事業主については1億円以下。
常時雇用する労働者…小売り業を主たる事業にする事業者については50人以下、卸売またはサービス業を主たる事業にする事業主については100人以下。
申請期限
2020年 4月~ 9月に休業した……申請期限は2020年12月31日まで
2020年10月~12月に休業した……申請期限は2021年3月31日まで
2021年1月~2月に休業した……申請期限は2021年5月31日まで
申請は1回きりではなく、休業した月ごとに申請をします。
書類の申請方法
パート・アルバイト従業員が自分で申請をする場合の手続き方法は以下の通りです。
必要な書類
・支給申請書(郵送手続きの場合必要。オンライン申請は不要)
・支給要件確認書
・本人確認書類(運転免許証やパスポートの写し、マイナンバーカードなど)
・振込先口座を確認できるキャッシュカードや通帳の写し
・休業前の賃金額と、休業中の賃金の支払い状況を確認できる書類(給与明細や賃金台帳の写しなど)
支給申請書、支給要件確認書は厚生労働省ホームページ内にある特設サイトからダウンロードができます。
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金 特設ページ
書類のサイズはA4サイズが指定されているのでお気をつけください。
本人確認書類について、
・顔写真があるものは1種類(運転免許証、マイナンバーカード、住所記載欄があるパスポート、在留カード、特別永住者証明書、障害者手帳)。
・顔写真がないものは2種類(健康保険被保険者証、住民票記載事項証明書、年金証書、公共料金領収書、児童扶養手当証書)が必要です。
申請手続き
オンライン申請か、郵送申請が選べます。どちらを選んでも事前に書類の準備が必要なので、書類作成の方法を先にご説明します。
1.支給申請書、支給要件確認書をダウンロード・印刷し、記入する
※申請書の記入方法については以下の動画も参考になります
↓
2.会社に「事業主記入欄」を記入してもらう
事業主の指示で休業になった(会社から言われて休まざるをえなかった)事実の確認が必要になるため、事業主の記入も必要になります。
↓
準備OKです!
会社に「事業主記入欄」を書いてもらえなかったら?
事業主の協力を得られなかった場合でも、事業主記入欄を空欄にしたまま申請ができます。
本来、原則として「休業した」と労働者と事業主が双方確認をして書類を作成しますが、労働者が休業だと認識しているのに、事業者が認めないケースもありますよね。
この場合、シフト表、労働条件通知書(就業条件が記載されている契約書など)、給与明細などを申請書類とともに申請し、客観的に「コロナがなければ働いて給与がもらえたはずである」ということを申請します。
また、事業主が支給要件確認書の「休業させましたか」欄にチェックが入っていても、他の支給要件を満たしている場合には支給対象になります。
どちらの場合でも、法律に基づいて都道府県労働局から事業主に対して調査が行われます。
※事業主から回答があるまでは審査ができないので、審査が完了し、支給されるまでに時間がかかることがあります。
書類の準備ができたら、手続きスタートです!まずはオンライン申請について。
オンライン申請
オンライン申請には、①必要書類のデータ ②メールアドレス ③SMSが受信できる携帯電話番号 が必要です。
1.必要書類をデータ化
スキャナで読み取ってデータにするか、スマートフォンのカメラで撮影して、PDFファイルか画像ファイル(JPEGかPNG)にします。
①支給要件確認書
②本人確認書類(運転免許証やパスポートの写し、マイナンバーカードなど)
③振込先口座を確認できるキャッシュカードや通帳の写し
④休業前の賃金額と、休業中の賃金の支払い状況を確認できる書類(給与明細や賃金台帳の写しなど)
2.マイページ登録
厚生労働省の「支援金・給付金」特設ページから、専用システムにアクセスします。
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金 特設ページ
メールアドレス、パスワード、携帯電話番号を登録します。
登録したメールアドレス、携帯電話番号に認証コードが届くので、入力してログインします。
労働者本人として申請する/事業主が提出する の選択肢が出るので、いずれかを選択します。
3.支給申請
氏名、住所などの申請情報を入力し、必要書類のデータをアップロードして申請します。
登録したメールアドレスに、申請完了のメールが届きます。
参照:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症対策支援金・給付金 オンラインによる申請方法
郵送申請
郵送申請には、①必要書類 ②封筒 ③切手 が必要です。
1.支給申請書と支給要件確認書をダウンロード、記入
支給申請書、支給要件確認書は厚生労働省ホームページ内にある特設サイトからダウンロードができます。
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金 特設ページ
書類のサイズはA4サイズが指定されているのでお気をつけください。申請書類の記入漏れや添付書類の不備があると返送されてきてしまいます。封筒に入れる前に、記入漏れがないか確認するようにしましょう。
封筒に宛先を切って貼り付けることになるので、必要書類と一緒にこのページも印刷しておくと便利だと思います。
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症休業支援金・給付金支給申請について(郵送でのお手続き方法)
2.必要書類を添付する
①本人確認書類(運転免許証やパスポートの写し、マイナンバーカードなど)
②振込先口座を確認できるキャッシュカードや通帳の写し
③休業前の賃金額と、休業中の賃金の支払い状況を確認できる書類(給与明細や賃金台帳の写しなど)
3.封筒に入れる
・支給申請書(郵送手続きの場合必要。オンライン申請は不要)
・支給要件確認書
・本人確認書類(運転免許証やパスポートの写し、マイナンバーカードなど)
・振込先口座を確認できるキャッシュカードや通帳の写し
・休業前の賃金額と、休業中の賃金の支払い状況を確認できる書類(給与明細や賃金台帳の写しなど)
上記の書類をすべて封筒に入れて、宛先を封筒に貼り、切手を貼ってポストに投函します。
参照:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症休業支援金・給付金支給申請について(郵送でのお手続き方法)
念のため!不正受給だった場合のペナルティ
不正受給がわかった場合には、支給を受けた額+2倍までの額+年間3%の延滞金を請求されることがあります。
また、関係者が故意に偽りの証明をしたことで不正受給が行われたとき、支給を受けた労働者と連帯して上記の金額を納付するよう求めることや、名称等を公表することがあります。
支援金・給付金についての問い合わせ
新型コロナウイルス感染症対策支援金・給付金コールセンターがあります。
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金コールセンター 電話番号 : 0120-221-276 受付時間 : 月~金 8:30~20:00 / 土日祝 8:30~17:15 |
大手企業勤務のパート・アルバイトにも支給対象が拡大
2021年1月からの緊急事態宣言の影響を受け、大企業で勤務するパート・アルバイトなど非正規労働者についても支給対象になる予定です。
具体的な申請方法や時期については未定のようですが、早くて2月下旬頃とされています。
まとめ
今回は、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金についてご紹介しました。
助成金のように事業主任せにならず、働くパート・アルバイトが自発的に手続きをすることで支援金・給付金がもらえる制度です。
支払い実績も増えてきている制度なので、ぜひ安心して申請してみてください。
ただし、厚生労働省を騙ったニセモノのサイトや、迷惑メールもあるようです。厚生労働省のサイトを確認しながら、間違いのないように手続きをするようお気をつけください。
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