【106万・130万の壁問題】パート主婦必見の103万の壁との違いや扶養内で損しない働き方を解説!
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しゅふJOB総研
扶養内で働く主婦・主夫の頭を悩ませる「106万円の壁」「130万円の壁」について、制度見直しに取り組むという考えが岸田前首相から示されました。
税制の壁、保険料の壁とも呼ばれていますが、扶養に入っていた人の収入が増えることで社会保険料の支払いが発生し、結果的に収入が減ってしまう、というものです。
制度が見直されて上限が撤廃されたら…実際に扶養枠内で働いている主婦・主夫はどのように考えているのでしょうか?
今回は、求人サイト『しゅふJOB』を運営する株式会社ビースタイル メディア(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:石橋聖文)が、登録者の主婦・主夫層に対して「年収の壁」をテーマに行ったアンケート調査をご紹介します。(有効回答数755名)調査実施日︓2023年4月8日(土)~2023年4月16日(日)
注)この記事は2023年4月に実施したアンケートをもとに作成したため、記事内に過去の表現が含まれている可能性があります。
もくじ
【最新情報】年収の壁に関する最新動向
社会保険料の加入適用条件が拡大
近年、社会保険料の加入適用条件は、段階的に広がってきています。2016年10月からは従業員数501人以上の企業が、2022年10月以降は従業員数101人以上の企業が社会保険料の加入対象でした。
そして2024年10月からは、社会保険の適用範囲が従業員数51人以上の企業で働くパート・アルバイトにまで拡大されます。具体的には、所定の要件を満たした労働者が年収106万円を超えると社会保険に加入する必要があり、この適用範囲の変更によって健康保険や年金の保障が受けられるようになります。
年収の壁106万円を超えても扶養内で働ける?
実は、年収106万円を超えた場合、2025年までは社会保険適用対象外として働ける可能性があります。
厚生労働省は、年収130万円を超過した場合でも、連続2年までなら扶養内にとどまれる方針を決定しました。つまり、年収106万円の壁のみならず、無条件で社会保険適用となる130万円の壁を超えた場合でも、猶予措置が取られるという意味です。
しかし、あくまでも2025年実施予定の年金制度改正までの経過措置で、短期的な猶予期間ですので、早い段階で適切な対応を行うべきでしょう。
2025年から103万円の壁が「178万円の壁」に引き上げ
2024年12月11日、所得税の支払いが発生するボーダーラインの年収103万円の壁が、2025年から年収178万円の壁へ引き上げられることが合意されました。
長年、国民民主党が自民・公明両党との間で政策協議を行ってきた内容ですが、この年収の壁引き上げには賃上げが進んでいることが背景に挙げられます。
年収の壁103万円が決まった1995年、当時の最低賃金は時給611円でしたが、2024年の最低賃金は時給1,055円(当時の1.73倍)になっており、年収103万円の壁も1.73倍の178万円に引き上げるべきと考えられたためです。
これにより、パートで働く方々の手取り額アップや働き控え解消が期待されます。
「106万円の壁」「130万円の壁」とは
まず、前提となる「106万円の壁」、「130万円の壁」とはどういったものなのか、改めて整理していきましょう。
重要なのは、どの税制が非課税・課税対象になるかです。年収をあげることによるメリット・デメリットは明確に存在しているため、何を選ぶのかは慎重に選択しましょう。
106万円の壁
年収が106万円を超えると、勤務先の社会保険の加入対象となります。
ただし、年収が106万円を超えたからといって全員が勤務先の社会保険に加入しなければいけないわけではありません。
勤務先の従業員数、雇用期間、週の所定労働時間など決められた条件を満たしていた場合に加入義務が発生します。
103万円の壁で所得税の納税義務が生まれていますが、社会保険は扶養内で配偶者控除や扶養控除を使いたい方は、気を使う必要があります。
130万円の壁
年収が130万円を超えると、勤務先の条件に関わらずすべての人が社会保険の加入対象となります。当然、家族からの扶養からは完全に外れることになり、各種控除を受けることができなくなります。
130万円の壁を超えるかどうかに、大きな影響を与えることになる1つの要因が労働時間です。
労働時間を短くすれば、年収は増えませんが扶養内に収めることが可能です。一方、長く働けばその分年収も大きくなりますが、扶養から外れるラインが近づいてくることになります。
103万円の壁との違いとは?
前項で解説した106万円の壁・130万円の壁とは、社会保険料に関わる年収の壁のことで、配偶者の扶養を外れて社会保険料の負担が生じるラインを指しています。
その点、103万円の壁は所得税に関わる年収の壁を示しており、この103万円は基礎控除と給与所得控除の合計金額になっています。
アルバイト契約で働く学生の場合、親の所得税控除にも影響しますが、配偶者の扶養に入りながらパートで働く場合、2018年に制度が変更されて配偶者の控除の壁が103万円から150万円に引き上げられています。
年収の壁に関して、税金・保険の基本や扶養内・扶養控除の違いなど年収の壁の他に抑えておきたい知識を学びたい方は、以下の記事を参考にしてください。
参考:103万の壁・106万の壁・130万の壁・150万の壁とは?知っておきたい扶養内や扶養控除を解説!
130万円未満に年収を上げるメリット・デメリット
扶養内に収めるか、扶養から外れるかは家庭によって得られるものが変わり、大きな決断になることでしょう。それぞれそのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
簡単に整理していきましょう。
130万円未満に年収を上げるメリット
年収を130万円未満のラインまで引き上げた時に得られるメリットは主に以下の2つです。
1.世帯収入が増える
2.求人件数が多い
1.世帯収入が増える
106万円の壁を突破し、所得税・社会保険の対象となっても世帯収入額は増加します。
非課税の時の感覚からすると、税金が発生し損をしているような気がしてしまいますが、トータルで計算するとしっかり収入は増えています。
労働時間を増やせば増やした分だけ収入も増えていくので、より働きたい方も106万円の壁を突破する意味はあるでしょう。
2.求人件数が多い
求人条件を103万円以上130万円未満の幅に広げることができれば、これまで応募することのできなかった求人にも応募することが可能になります。
選択肢が増えるため、限られた職種・業務内容から離れ、企業のニーズにも答えやすくなるでしょう。
130万円未満に年収を上げるデメリット
一方、年収を130万円未満まで引き上げることで起こるデメリットは主に以下の2点です。
1.所得税が発生
2.労働時間は増える
1.所得税が発生
年収が103万円を超えた時点で所得税の納税義務が発生します。
所得税率は5%なので、トータルの収入は増加しますが、103万円未満の時のように収入が非課税ではなくなります。給与すべてが手元に残るわけではなくなるので注意しましょう。
2.労働時間は増える
今と同じ職場で103万円以上収入を得るためには、労働時間を増やす必要があります。時給の高い職場に転職することができればこの限りではありませんが、基本的に労働時間が伸びると考えていいでしょう。
時間に余裕があり、もっと働きたい方や時間に余裕が出てきた方は大きな問題にならないかもしれませんが、自身の都合とよく検討してみてください。
新たな106万円の壁対策:社会保険料負担を企業が肩代わりする仕組み
所属する会社によっては、年収106万円超に達するとパートが厚生年金や健康保険への加入を求められ、保険料負担が追加で生じてしまいます。
そのため、年収106万円以内に年収を抑えることを目的に、多くのパート主婦が労働時間を調整して働き控えをする傾向にあります(106万円の壁)。この結果、人手不足問題の深刻化を助長するだけでなく、所得を上げることを妨げている実態です。
そこで厚生労働省は、対策の一環として月8万8,000円以上(年収換算:約106万円)のパートの厚生年金適用要件を撤廃する方針を示しました。
この方針により106万円の壁は無くなり、年収が106万円を超えないように労働時間を調整する必要がなくなりますので、パートの皆様からすれば朗報です。但し、「週20時間以上」という労働時間要件は残っておりますので、労働時間の壁自体は残り続けます。
つまり、パートの皆様が労働時間を増やして年収を上げようとする行為を妨げる傾向は続いてしまう状況です。
そこで2024年11月15日、厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会では、週20時間以上を超えて働く際に発生する、パートの皆様を含む働き手の社会保険料負担を企業が肩代わりする仕組みを整備する方針を示しました。
週20時間以内で働く人が54.7%
◆設問:あなたの1週間当たりの平均的な勤務時間をお教えください。(単一回答)
5時間以内 6.8%
10時間以内 7.0%
20時間以内 40.9%
30時間以内 15.2%
40時間以内 9.3%
40時間を超えて働いている 4.5%
今は働いていない 16.3%
62.5%が昨年の年収を103万円や社会保険の扶養内(130万円や月8.8万円以内)に収めた
◆設問:2022年のあなたの年収上限に関する希望をお教えください(単一回答)
年収103万円(配偶者控除や夫の家族手当支給枠内)35.5%
年収130万円や月収88,000円(社会保険の扶養枠内)27.0%
年収150万円(配偶者特別扶養枠内)7.0%
収入制限は気にしない 20.7%
仕組みがよくわからない 7.0%
その他 2.8%
回答者の主婦(主夫)のうち、62.5%が扶養枠内におさめようとしていることがわかります。
そこで、よく年末に話題に上がるのが「シフトを減らすなどして、扶養枠に収まるように調整をしているか?」という点です。
扶養を超えてしまわないよう仕事に制限をかけている方はどのくらいいるのでしょうか。
年収の壁の範囲内で働いた人の約65%が、就業調整していた
◆設問:「年収103万円」「年収130万円や月収88,000円」「年収150万円」と答えた方にお伺いいたします。2022年の収入を上限内に収めるために、就業調整(働く日数や時間を抑える)を行いましたか(単一回答)
就業調整した 64.8%
就業調整しなかった 35.2%
扶養枠内で働く人のうち64.5%が「年収を上限内に収めるために、就業調整をした」と回答しています。
これ以上働くと扶養を超えてしまうから…と、勤務日数・時間を制限している人が多いのでしょう。
さて、昨年は最低賃金の大幅な引き上げが行われました。
特に、2022年10月から最低賃金は全国加重平均で過去最大31円の引き上げがされています。
扶養内で働く主婦(主夫)の時給にも影響があったようです。以下をご覧ください。
約4割が1年以内に時給が「上がった」「上がる」が、「変わらない」が最も多く、半数に近い
◆設問:2022年4月以降に、あなたの時給に変化はありましたか。(単一回答)
上がった 32.4%
上がる予定がある 4.8%
変わらない 44.1%
下がった 4.6%
下がる予定がある 1.3%
2022年4月以降働いていない 11.0%
約4割の主婦(主夫)がこの1年以内に時給に変化があったと回答しています。理由も見てみましょう。
時給が上がった理由は「賃上げ」が過半数で突出
◆設問:前設問で「上がった」「上がる予定がある」と回答した方にお伺いいたします。時給が変化する理由について教えてください。(複数回答)
職場で賃上げ(ベースアップ)が実施された 55.4%
仕事の評価によって時給が上がった 25.2%
別の職種の仕事に転職した 10.5%
新しく仕事を始めた 6.8%
同じ職種の仕事に転職した 3.7%
そのほか 8.2%
この1年以内に時給が上がった、上がる予定があると回答した方のうち半数が「職場で賃上げ(ベースアップ)が実施された」と回答しています。
最低賃金の引き上げや、昨今の人手不足による採用難が影響しているのかもしれません。
実際には、どのくらいの金額で時給が上がったのでしょうか?
時給が上がった額は、62.3%が50円以内に収まる
◆設問:前設問で「上がった」「上がる予定がある」と回答した方にお伺いいたします。どれくらい時給が変化したかお教えください。月給や日給の方は時給換算してお答えください。(半角数字のみ)
10円以内 11.2%
20円以内 12.7%
30円以内 16.3%
50円以内 22.1%
100円以内 21.4%
500円以内 15.9%
501円以上 0.4%
時給が上がった額は、62.3%が50円以内に収まっています。
劇的に給与が上がった!とはいいがたいかもしれませんが、扶養枠内で働きたいと希望する場合、10円~50円でも大きな変化になります。
時給が上がることで、働ける時間が減りシフトを減らした…という方もいるでしょう。
岸田首相が示した「制度見直し」が実際に行われた場合、どのような「見直し」を期待するでしょうか。
最も回答が集まった対策は「年収上限の撤廃」でした。
手取り額減少への対策は「年収上限撤廃」が最も多く46.2%
◆設問:年収上限を超えることで手取り額が減ってしまう問題への対策として、あなたが支持したいと思う案をお答えください(複数回答)
年収上限を撤廃する 46.2%
年収上限を挙げる 35.8%
収入の水準に合わせて段階的に金額を決めて給付する(※1)18.5%
フランスで導入されているN分N乗方式(※2)17.5%
手取り額の減少分を一時的に給付で補う 9.8%
対策を講じる必要はない 2.4%
わからない 13.4%
そのほか 2.1%
※1 質問の際、正確には右記のように記載「106万円から119万円では15万円を給付するなど、収入の水準に合わせて段階的に金額を決めて給付する」
※2 質問の際、正確には右記のように記載「フランスで導入されている、N分N乗方式(世帯構成人数に応じて負担額が決まる。子どもが多いほど負担額が減る仕組み)」
もし上限が撤廃されたら「年収130万円超を希望」74.7%
◆設問:もし制度が変わって年収上限が撤廃された場合、あなたはどれくらいの年収を希望しますか?今就業中の方は今の時給、今離職中の方は前職の時給のままの想定でお答えください。
103万円以内を希望する 11.8%
106万円以内 0%
130万円以内 13.5%
150万円以内 25.8%
200万円以内 26.4%
300万円以内 16.0%
500万円以内 6.9%
501万円以上 1.9%
年収上限が撤廃されたら「130万円を超えた年収」を希望している回答者が74.7%となりました。
扶養内で受けられるメリットがなくなるならばもっと稼ぎたい、と考える方が多いのでしょう。
その場合、就業時間を伸ばしたいと考えている人はどのくらいいるのでしょうか?
もし上限が撤廃されたら「20時間を超えて働きたい」70.1%
年収上限の有無別:1週間あたりの勤務時間
上限が撤廃された後に希望する勤務時間は20時間を超えて働きたい 70.1%
※「現在の勤務時間」は、設問1「 あなたの1週間当たりの平均的な勤務時間をお教えください。」で「今は働いていない」と回答した方を抜いて算出
年収上限が撤廃された場合、20時間を超えて働きたいと回答した人が70.1%となりました。
扶養枠内で働く人は、収入に制限があるためパート・アルバイトなどで働く人が多くなっています。
もし就業できる時間が伸びるならば、パート・アルバイトという雇用形態に縛られることなく仕事を選ぶことができるのでしょうか。
もし上限が撤廃されたら「転職したい」56.4%
◆設問:もし制度が変わって年収上限が撤廃された場合、あなたは転職したいと思いますか?(単一回答)
転職したい 26.9%
どちらかといえば、転職したい 29.5%
どちらかといえば、転職したくない 15.1%
転職したくない 11.0%
今は働いていない 17.5%
転職したいのは「今の仕事よりも、時給が高い仕事」72.1%
◆設問:「転職したい」「どちらかと言えば、転職したい」と答えた方にお聞きします。どのような仕事に転職したいですか。(複数回答)
今の仕事よりも、時給が高い仕事 72.1%
今の仕事よりも、たくさんシフトに入れる仕事 26.8%
趣味等の好きなことに関わる仕事 24.6%
今の仕事とは、職務内容が異なる仕事 21.1%
経験したことがある仕事 20.9%
今の仕事とは、別の業界の仕事 19.2%
副業ができる仕事 17.8%
経験したことがない仕事 8.7%
その他 3.8%
もし上限が撤廃されたら「転職したい」と回答した人は56.4%、そのうち「今の仕事よりも時給が高い仕事」に転職したいと回答した人は72.1%です。
扶養の制度見直しが実際に行われた場合、働く人にとって仕事の選択肢が変わってくるのではないでしょうか。
ここで、回答者の方から寄せられたコメントをご紹介します。
フリーコメント
※原文のまま掲載しています(年代:就業形態)
・必ずしも壁を意識しているわけではなくではなく、家庭の都合(子どもが学校に行く間だけ、長期休みは留守番できる時間のみ)で103万以下にしかならない時間分しか働けない人もいることを理解してほしい。好きで抑えているわけではない。(40代:パート/アルバイト)
・現状のままですと、働きたくても働かない選択をする人が増えてますます経済がまわらないのでは(60代:契約社員)
・年収の壁より年齢の壁をなんとかしてほしい(50代:パート/アルバイト)
・物価は上がる一方なのに、国は国民に働くなと言ってるようなもの。(40代:パート/アルバイト)
・不要枠の上限があるから、子供にかけられなくて、働けど貧乏で、悪循環。もう少し、余裕のある働き方が出来れば、子供も増えて行くと思う。(50代:派遣社員)
・転職して 年収120万なのに会社の、規模が大きいため、扶養から外れて厚生年金等支払うことになり 以前より手取りが減りました。 早く この制度の見直しを希望します(50代:派遣社員)
・色々な議論がされてるが、現状のままでもいいと思う。(30代:今は働いていない)
・専門職に復帰しようとすると地方では片道1時間。時短勤務6時間で中途半端な収入に扶養枠は超え、働かなかったときにはかからなかった費用負担や時間拘束と子持ちによる職場での働きにくさ(ストレス)。結論、独身時代のスキルを捨て近所でパートか専業主婦を選ぶ。(40代:今は働いていない)
・年収は増やしたいが 高齢両親の世話 不登校のこどものことがあるので増やせない(50代:パート/アルバイト)
・そもそも、フルタイムで働くと、子育てに影響が生じる。働いて、子育てして、家事をして、はっきり言って疲労する。だから短時間等の扶養内勤務が気楽。フルタイムで働くなら、家事は一切しないし、結婚もしない。(40代:パート/アルバイト)
・氷河期大卒女子はどうやっても救われない?? 就業人生やり直したい 年金で埋めて欲しい(40代:パート/アルバイト)
・扶養内で働いてる人はそれほど働く時間も働く体力もない人だと思うので今のままでいいと思います。(30代:パート/アルバイト)
・交通費を年収に入れて考えるのはやめた方が良い(30代:パート/アルバイト)
・何か思ってもどうにもならないので制度に従うしかない(40代:パート/アルバイト)
・時給が上がるのに、扶養枠も上がらないのはおかしい。時給が上がるとすぐに扶養上限額が越えてしまうのでただでさえ短時間パートなのに時間を減らすか勤務日数を減らさなきゃならないので正社員やフルタイムパートさんに負担がかかって申し訳なく感じ、働きにくくなる。(40代:今は働いていない)
・主婦だとか育児中だとかを優遇するのは止めて欲しい。その分、老親介護中の人を優遇して欲しい!(50代:派遣社員)
・小学生と高校生大学生では、教育費にかかる金額にかなり差があります。今、小さいお子さんへの経済的優遇が優先されてるけど、教育費に一番お金のかかる高校生大学生への負担減にも注力してほしい。働きに出ても年収の壁があって八方塞がりな現状を改善してほしいです。(50代:パート/アルバイト)
・時代遅れ 女性を馬鹿にしている制度 経済社会の主は男性で、女性は補助的な立場で居続けて欲しいという男社会の都合による制度 あと、専業主婦もパート主婦も、その夫が妻の分の年金保険料を負担すべき なんで社会全体で負担しなきゃいけないのか?(40代:契約社員)
・多子世帯でお金が欲しいが、仕事の日数が増えると家庭との両立が困難になるため会社に『扶養枠内じゃないとだめなんです』と言い訳ができない。 上限が撤廃されると、フットワークが重い多子世帯はパート探しに苦労するのではないかと思う。(企業はより長時間働いてくれる人材が欲しいから) 主婦を一律に見るのではなく、多子世帯などもう少し細分化して考えて欲しい。(40代:パート/アルバイト)
・何もかも値上げで生活が苦しいのに扶養範囲内で働いて時間も減ってお給料も減るとか…節約して生活してのに低所得者とひとり親家庭だけに給付金を配るとかありえない 年収の壁を無くして欲しい(40代:パート/アルバイト)
・ややこしくて、何度聞いてもあまりよく理解できない。自分で計算して枠を超えないように気をつけるのも不満。壁や枠が厳しすぎてあともう少し働きたいのにできないのがもどかしい。主婦もバリバリ働けます。(50代:パート/アルバイト)
・扶養枠で働ける仕事が少ない。希望が通らない職種が多く、社会じ経験が豊富であっても結局学生アルバイトと同じような仕事しかない。(40代:パート/アルバイト)
サマリ
働くしゅふ層(主婦・主夫)に、2022年の年収上限の希望がどうだったか聞いてみたところ、「年収150万円(配偶者特別控除枠内)」「年収制限は気にしない」と答えた方の合計、つまり130万円を超えて働いた方は27.7%となりました。
一方で、年収上限が撤廃された場合の希望を聞いてみると、「130万円超」を希望する方が74.7%で、昨年実際に130万円を超えて働いた方の比率の2.7倍となりました。
働く時間について聞いてみると、現在の勤務時間が20時間を超える人が34.7%だったのに対して、年収上限が撤廃された場合の希望では70.1%と倍増します。
しゅふ層は、年収上限がなければ、時間の面でも年収の面でもさらに多く働こうとする可能性がうかがえ、家事や子育てだけを理由に年収の壁を超えない範囲で働くことを望んでいるのではないことも分かります。
また、年収上限が撤廃された場合に転職を希望するかどうかを聞いてみると、「転職したい」「どちらかと言えば、転職したい」と答えた方の合計が56.4%となりました。転職したい仕事を聞くと「今の仕事よりも、時給が高い仕事」と答えた方が72.1%で、2位以下を大きく引き離しました。実際はより高い時給を希望していたとしても、年収の壁を超えないようにと意識しているがために、昇給や賃上げの要望を挙げる機会が妨げられているのかもしれません。
ただ、年収上限を超えて働きたいと考える人の動機は様々です。働くことに生きがいを感じている人もいれば、諸事情で働かざるを得ない人もいます。それら個々の事情にも配慮しつつ、税収・社会保険料収入獲得とのバランスも考慮した制度設計をしていくことが必要であると考えます。
■調査概要
調査手法︓インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数︓755名
調査実施日︓2023年4月8日(土)~2023年4月16日(日)
調査対象者︓求人サイト『しゅふJOB』登録者