冬野菜の下ごしらえ(洗い方・切り方・茹で方)|主婦お助け時短レシピ(番外編)
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「もっとおいしく食べるにはどうしたらいいの?」
「下ごしらえにもコツってないのかな」
と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、”野菜の切り方”を、料理家・露崎奈津子さんに教えていただきました!
料理に不慣れな学生さん・新社会人の方も参考にしてもらえるように、わかりやすく解説も入れています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
基本をマスター!冬野菜の下ごしらえ
今回ご紹介するのは、お家ごはんの定番冬野菜・5種類!
・白菜
・ブロッコリー
・ほうれん草
・ごぼう
・大根
それぞれ保存方法もご紹介します♪
もくじ
1.白菜の下ごしらえ
左:細切り(上:繊維に沿った向き 下:繊維を断ち切った向き)
中:そぎ切り 右:ざく切り
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冬野菜の定番といえば、白菜!
中心ほど葉が柔らかく甘みが強い野菜です。切り方によって触感が変わるおもしろさもあります。
白菜を切るときは、まず外に倒すようにして1枚ずつ葉を剥がします。
中心部から使うと、白菜を長持ちさせることができます。また、根元の部分に切り込みを入れておくと更に保存に効果的です。
白菜の白い部分にできる黒い斑点は「ゴマ症」と呼ばれ、栽培される過程で白菜のもつポリフェノールが酸素と反応して出来た色素です。やや味は落ちますがそのままでも食べられるので切り落とさなくても大丈夫ですよ。
茶色くなって溶けていたり、黒ずんでいる部分は傷んでいるので、削ぎ落して取り除いてください。
芯と葉の部分で火の通り方やあう調理法が変わるので、V字に切り込みを入れて芯と葉を分け、部位ごとに使い分けるといいですよ。
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ざく切り
柔らかい葉の部分を重ね、切ったサイズが3~5cm角くらいになるよう大きめに切ります。多少サイズのばらつきがあってOK!
◆調理メニュー例:鍋、炒め物など
そぎ切り
包丁を寝かせて、切り口が斜めになるように大きく包丁を動かして切ります。芯の幅が太い場合は、縦に切ってから削ぎ切りにしましょう。
この切り方をすることで、火の通りがよくなったり、素材を大きく見せる効果があります。
◆調理メニュー例:煮物、鍋など
細切り
繊維にそって切る場合は、まず5cmくらいの食べやすい長さに切ってから細切りにします。シャキシャキと歯ごたえのある食感になります。
繊維を断ち切る向きで切ると、ふわっとした柔らかい食感になり、火が通りやすくなったり、塩と合わせた時に水分が出やすくなります。
◆調理メニュー例:炒め物、みそ汁、漬物など
白菜の保存方法
ポリ袋かラップに包んで野菜室へ。丸ごと一玉なら、新聞紙にくるんで冷暗所でもOKです。
2.ブロッコリーの下ごしらえ
左:芯の乱切り 右:小房に分けた状態
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お弁当のおかずにも定番のブロッコリーは冬の野菜です。
スーパーなどで買う時に、おいしいブロッコリーを選ぶコツがあります。
選ぶ時は、蕾(緑色)の部分が固く締まっているものを選びましょう。
蕾が開いて柔らかくなっていたり、黄色くなっているものや、軸に穴が開いたり中心が黒ずんでいるものは避けましょう。
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小房に分ける
外側から包丁の先端で1本1本切り落とすように切ります。
その際、葉がついていると見た目が悪くなるので、基本的には取り除きましょう。葉っぱはついていても食べられるのでお好みで。
茎が繋がっている中心部まで来たら、まず横に切り落とし、茎側から包丁を入れて同じようなサイズに分けていきます。
大きい茎があれば、茎の部分にだけ切り込みを入れて割って細かくします。蕾まで切ると細かく崩れてしまうので注意!
芯の乱切り
固い下の部分を1~2cm切り落としてから、皮の部分を切り落とします。(切り口から見た、線の内側部分)
小房と一緒に茹でる場合は、一回り小さい乱切りにします。千切りでもおいしく食べられますよ。
ブロッコリーの茹で方
おいしい茹で方も押さえておきましょう!
たっぷりのお湯に、まず芯から入れて茹でます。1分位してから大き目の小房から加えていきます。
お湯に入れるとき、ブロッコリーがお湯に少しでも浸かった状態になってから手を離すと、お湯がはねずに安心です。
全部加えたら、浮いているブロッコリーを菜箸で押さえて沈めます。沸騰して白い泡が出てきたら再度ざっと混ぜてざるにあげます。
お湯から上げたあと、余熱が入りやすいので、できるだけ大きめのざるに広げて冷ますと良いですよ。
ブロッコリーの保存方法
ポリ袋かラップに包んで野菜室へ。房を上にして立てておくと持ちが良いですよ。
3.ほうれん草の下ごしらえ
左:葉の部分 右上:1束茹でた状態 右下:茎の部分
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冬野菜の定番、ほうれん草。
切り方はもちろんですが、洗い方、茹で方にもコツがあります!
まずは洗って→茹でて→切る、の流れでご紹介しますね。
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ほうれん草の洗い方
ボウルにたっぷりの水を加えて、ほうれん草を上下にゆすって根元の内側に水が入るようにします。こうすることで、汚れが出てきます。
ほうれん草を持ち上げて水を捨て、汚れが出なくなってくるまで2~3回繰り返してください。葉の部分は他の野菜のようにざっと水洗いします。
ほうれん草の茹で方(お浸しなどにする場合)
冷水を用意しておきます。鍋に湯を沸かし、ほうれん草を1~2株ずつ入れましょう。
一度に全部茹でると柔らかくなりすぎて水っぽくなるので、少しずつ茹でるとシャキシャキした食感を残すことができます。
菜箸で軽く抑えて、湯に葉が沈んだら裏返し、再度全体が沈んだら冷水にとります。これを繰り返していきます。
冷水は温まらないよう、こまめに水を替えたり氷を足すようにしてください。
根元を上にして数株ずつまとめ、上から下に少しずつ絞って水を切ります。水が垂れない程度でOK!
※醤油絞りのやり方
お浸しなど醤油と合わせる場合は、一度水切りで絞った後、少量の醤油をかけてなじませ、再度絞って下味をつけます。
これをしておくと、和えた時に馴染みが良くなり、調味料の量も抑えることができます。
ほうれん草の茹で方(ソテーなど油とあわせる場合)
【パターン①】茹でるときの湯に少量の油を加え、上記と同様に茹でると炒めた時に馴染みが良くなります。
【パターン②】先にほうれん草をカットし、フライパンで油でサッと炒めてから少量の水を加えて、蓋をして沸騰するまで待ちます。
軽く菜箸で混ぜてからざるにあげておき、ほかの具材を炒めて、最後にほうれん草を加えます。
ほうれん草の切り方
根元を揃えて全体を4~5cmに切ります。根元は、汚れている切り口とその周りを包丁でむしるようにして切り取ります。根元のピンク色の部分が一番甘いので、捨てずに食べると良いですよ。
ほうれん草の保存方法
ポリ袋に包んで野菜室へ。葉を上にして立てておくと持ちが良くなります。
4.ごぼうの下ごしらえ
左上:乱切り 左下:斜め切り、輪切り 右:ささがき、千切り
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煮物にも、汁物にもよく登場するごぼうですが、下ごしらえが苦手!と思っている方が多い食材でもあります。
ごぼうは洗い方、切り方のほかに、保存方法にコツがあるのでぜひやってみてくださいね。
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ごぼうの洗い方
まずは手で、水が濁らなくなってくるくらいまで表面の泥を落とします。
泥をおとしたら、
【パターン①】軽く丸めたアルミホイルで表面をなでるようにこする。表面の汚れやひげ根が落ちればOKです!
【パターン②】包丁の背でこする!急いでいる時や大量に洗う時には一気にむけるので便利です。
どちらの方法でもきれいに洗えますが、茶色く変色しないように水を流しながら行いましょう。
また、強くこすりすぎると必要以上に皮がむけて香りや栄養がとんでしまうので、注意してください。皮や汚れを水で流しながら洗うとわかりやすいですよ。
ごぼうの切り方
ささがき
細い方に向けて包丁を滑らせて切り口を薄く落とします。ごぼうを回しながら、表面をなでるように包丁を寝かせて斜めに滑らせて削いでいきます。
先端が切り落ちたら持ち手の方に進み、持てないくらいの長さになってきたら反対側の切り口を落として千切りにしましょう。
◆調理メニュー例:きんぴらごぼう、炒め物など
千切り
5cmくらいの食べやすい長さに切り、薄切りをしてから端から細く切っていきます。
◆調理メニュー例:サラダ、炒め物など
斜め切り
ごぼうに対して包丁の角度をつけ、前に押し出すようにして斜めに切ります。角度をつけるほど大きく、浅いほど小さくなります。
◆調理メニュー例:鍋物、みそ汁など
乱切り
包丁を斜め45度に固定して切り、ごぼうを90度手前に回して同様に切っていきます。
◆調理メニュー例:煮物など
ごぼうの保存方法
ポリ袋に入れるかラップで包んで野菜室へ。
泥付きのものを購入した方が日持ちが良いですよ。傷んでくると切り口がピンク色に酸化したり、中に「す」が入って穴が開いてくるので、購入時はそういったものを避けてください。
5.大根の下ごしらえ
左:厚切り(面取り、隠し包丁) 中:短冊切り
右上:桂剥き 右下:千切り、いちょう切り
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煮物にも、おでんにも…年中食卓に上がるけれど、特に冬に大活躍する野菜といえば大根です。
大根は切り方のパターン、指の動かし方などコツがたくさんあるので細かくご紹介します。
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大根の皮のむき方
包丁を握っている手の親指で、下側の厚みを確認します。反対の手で上側の厚みを確認しながら、包丁が斜め上下に進むように親指を動かしていきます。
親指を屈伸させて、上に進むときだけ力を入れましょう。真横に動かそうとすると皮が分厚くなったり、皮がこまめに切れやすくなるので、斜め上下に進めるのがポイントです。
包丁側の親指が刃より進んでいたり、刃より遅れていると、手を切りやすくなります。常に刃の周辺で親指が動いているようにしましょう。
煮物などに使う場合の皮むきのコツ
大根は皮まで食べられますが、筋っぽい円の内側まで厚めに皮をむくと、柔らかく煮ることができます。
桂剥きのやり方
一度筋っぽい皮をむいてから薄くむいていきます。指と包丁の感覚を意識しつつ、上下から実際の厚みを見ながらやると上手く剥きやすくなります。
千切り
薄く切った大根を少しずらして重ね、端から細く切っていきます。
◆調理メニュー例:サラダ、刺身のつま など
いちょう切り
大根を縦4等分に切り、好みの幅に切っていきます。火が通りやすいので、一緒に煮る野菜よりも分厚めに切るといいですよ。
◆調理メニュー例:煮物、鍋もの など
短冊切り
5cmくらいの食べやすい長さに輪切りした大根を、縦1cm厚さ位に切ります。切り口を下にして端から薄く切っていくと、長方形の形になります。
◆調理メニュー例:みそ汁、炒め物 など
面取り・隠し包丁
食べやすい太さに輪切りした大根の皮をむき、角を皮をむくように少し削っていきます。
半分に切った場合は、切り口の面もそれぞれ削ります。ピーラーを使うと手軽で便利ですよ。
裏面になる向きだけ、5㎜くらい十字に切り込みを入れると火の通りが良くなります。
◆調理メニュー例:おでん、ふろふき大根 など
大根の保存方法
購入したらまず葉と根を切り分け、ポリ袋に入れるかラップで包んで野菜室へ。丸ごと1本なら、新聞紙にくるんで冷暗所でもOKです。
まとめ
今回は、鍋にも大活躍の、冬野菜の切り方をまとめました。
切り方だけでなく、洗い方や茹で方にも、ちょっとしたコツを知っているだけでさらに美味しく食べられるポイントが満載です♪
皮の剥き方やささがきなど、難しい切り方も多いですが……上達する秘訣は、とにかく数をこなすことです!
「意識して切る」ことで自然と手が覚えていってくれるので、手順を頭に入れながら経験を積んでいきましょう。
今回お料理を教えてくれたのは…
露崎奈津子(つゆざき なつこ)/家庭料理教室主宰
東京都小平市にて単発・子連れOKの家庭料理教室を開講中。2歳~小中学生までの親子・子ども向けのレッスンや、オーダーメイドで学べる個人レッスン、お魚をさばくレッスン、基本料理のグループレッスン等を行っている。2・4・6歳の3児の母。
家庭料理教室「なつやすみ」
【YouTubeチャンネル】家庭料理教室なつやすみの そのまんまキッチン『ナツキチ』
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この記事を書いた人
しゅふJOBナビ編集部