専業主婦・主夫業を年収換算すると470万円!?無職扱いなのはなぜ?
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お金のこと
「こっちはこっちで大変なのに、楽そうと言われると傷つく。」
「育児で24時間気を張っているのに、無職扱いはひどい。」
こんなことを考えたことのある専業主婦(専業主夫)の方はいませんか?
しゅふだって立派な仕事!それなのに蔑ろにされたり軽んじられたりする声は未だに聞こえてきます。
そこで今回は
・「主婦」が職業ではない理由は?
・主婦業を年収に換算してみるといくら
・世間の主婦はどんなシーンで「主婦=無職」を感じる?
の3点から”しゅふ”とは職業なのかを追求してみましょう。
もくじ
「主婦」が職業ではない理由は?
「主婦(主夫)」は一般的に既婚で、
家事や育児・介護など家庭の運営を主に担っている人を指します。
仕事をしているかいないかは関係なく、
「専業主婦(専業主夫)」「兼業主婦(兼業主夫)」「パート主婦(主夫)」と、
いろいろなスタイルの”しゅふ”が存在します。
独身の場合はあまり「主婦(主夫)」とは呼ばれることはありませんが、
家事や育児・介護を主に担っている場合は「主婦業(主夫業)をしている」と言う事もあります。
そのため「主婦」「主夫」と性別によって書きわけられることもありますが、
家庭の運営を主にやっている人は性別や未既婚を問わず”しゅふ業をしている人”といえます。
そして、しばしば議論になる
「主婦(主夫)は職業にあたるのか?」
という問題について考えてみましょう。
主婦(主夫)についての男性・女性の捉え方の違いが表れています。
◆男性に多い主婦(主夫)の認識
「養われている」=無職
◆女性に多い主婦(主夫)の認識
「しゅふ業は仕事」=無職ではない
という認識が多いようです。
現代では共働き夫婦が増え、男性であっても養われる事もあれば
主夫業に専念している場合もあります。
それでもまだこの考え方は根強く残っています。
行政としては、以下の理由から
主婦は職業ではなく無職という扱いになっています。
行政が 主婦=無職 とする理由は
職業=生計を立てるために行うもの→賃金が発生することが必須の条件
主婦業には賃金が発生することはありません。
いくら頑張っても、家庭内の仕事をするだけでは家賃を支払うことはできませんね。
そのため主婦=職業とは言えないのが実情のようです。
主婦業を年収に換算してみるといくらになる?
洗っても洗っても、毎日出される家族の洗濯。
お弁当やおやつも含めれば、何食必要になるかも分からない食事の用意、
夜間や早朝勤務どころか、24時間仕事が絶えないのが主婦業(主夫業)。
では、もしこれらの仕事を
給料に換算したらどのくらいの労働量になるのでしょうか?
家事代行サービスなどのお仕事をもとに、
主婦の仕事をシミュレーターで年収換算したところ、
主婦業の平均年収は約470万円となりました。
平成27年度の給与所得者の平均年収は420万円、
令和3年度(令和5年9月時点で最新)の給与所得者の平均年収は443万円です。
サラリーマンの年収とほぼ同等、もしくはそれ以上になるという結果が出ています。
(参照:国税庁平成27年分民間給与実態統計調査 /国税庁令和3年分民間給与実態統計調査)
ただし、主婦業(主夫)は24時間365日家庭内で仕事があります。
月に約30日、1日8時間+早出と残業があり、
急な送り迎えや学校・施設への呼び出し対応も含まれます。
家事にかける時間帯や内容、家族の年齢や人数によって
800万円~1300万円だって超えるという人もいます。
「職業」とは言えなくとも、
主婦業はそれだけ大変な仕事である、
ということが言えます。
主婦(主夫)たちはどんなシーンで「しゅふ=無職」を感じる?
サラリーマンとほぼ同額に換算できる仕事量でも
外からの収入がないために「無職」扱いとなってしまう主婦。
世の主婦たちはどんな時に「主婦=無職」を感じるのでしょうか?
主婦たちの声を聞いてみました。
◆アンケートの職業欄に「主婦・主夫」がない時
→アンケートや書類の記入欄に「主婦・主夫」の選択肢がなく、
無職を選ぶしかなかったという声が多くありました。
厳密には主婦=職業ではないため間違いではないのですが、やるせない気持ちになりそうです。
◆痴漢に合い、警察を呼んだら職業欄に「無職」と書かれた
→役所や警察などの行政関係では、やはり専業主婦(主夫)は無職扱い。
ちなみに主婦(主夫)が犯罪をおかした際は、職業:無職となります。
◆クレジットカードを作れたので「無職」ではないと言いたい
→クレジットカード=審査があるので信用されたと思っていいと思う
という声もありました。専業主婦(主夫)でもカードは作れますが、
査定は世帯収入や担保によるものがほとんどです。
◆テレビや雑誌でニートの特集をやっているとドキリとする
→最近では「主婦(主夫)=家にこもって外に働きに出ない=ニート」と
混同して批判されるケースも増えているようです。
専業主婦が少なくなったことによる理解の薄さと、
女性も外に出て働くべきという世論などが、その背景にあるのかもしれません。
”無職” という響きにマイナスイメージがついているため
抵抗感を持ってしまいがちですが、
専業主婦(主夫)は家庭はもちろん、地域社会に無償で貢献している人が多くいます。
昨今は共働き家庭が増え、家事代行やベビーシッターサービスも増えてきました。
家事代行サービスの金額相場は1時間3,000円~4,000円(+鍵預かりや指名料)
ベビーシッターは1時間1300円~4,000円(+病児保育料)
といった相場観です。どちらも入会金や年会費がかかったり
早朝深夜価格、兄弟姉妹利用、子どもの年齢などに応じて加算することがほとんどです。
たとえば家庭を主に運営していた主婦(主夫)が家事ができないとき、
家事代行サービスに3時間来てもらうだけでも1万円ほどかかります。
毎日しっかり家事をしていると、
サラリーマンの年収以上の仕事量だということもうなづけるのではないでしょうか。
これから家事代行の仕事はますます需要が高まるといわれています。
そんな時、家庭内で家事を一生懸命やっていた主婦(主夫)は非常に重宝されるでしょう。
今後は配偶者控除の見直しや育休制度の改定も検討されており、
主婦(主夫)だけではなく夫婦で家事を分担し、
それぞれが収入を得る生活スタイルがさらに増えていくことが予想されます。
主婦(主夫)の仕事は家族が気持ちよく過ごすための大切な仕事。
そのことを尊重しながら、家庭と社会両方のやりがいを
家族みんなで感じられるようになると良いですね。
家庭を大切にしながら空いた時間で働きたい方も
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この記事を書いた人
しゅふJOBナビ編集部