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大流行中の「ヘルパンギーナ」どんな病気?保育園・仕事は何日休んだらいい?

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子育のこと

2023年6月22日、東京都で感染症「ヘルパンギーナ」の流行警報が出されました。

ヘルパンギーナは乳幼児(0~5歳くらいの子ども)を中心に夏に流行する感染症です。

5月頃の九州の感染拡大から北上してきていますし、これから夏休みになり人の移動が多くなることが予想されます。

感染拡大に備えて、症状や対策方法について確認しておきましょう!

※こちらの記事は末尾の参考元をもとに記載しています。気になる症状がある場合は、お近くの医療機関へご相談ください。

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ヘルパンギーナはどんな病気?

乳幼児を中心に流行する病気「ヘルパンギーナ」

「ヘルパンギーナ」は夏に流行するウイルス性の感染症です。特に乳幼児を中心に流行が広がります。

主な症状は以下の2つです。


・38℃以上の突然の発熱

・口の中に水ぶくれができる


発熱が2~4日、水ぶくれは1週間程度続くとされています。

潜伏期間は3~6日となるため、通園している場合は感染が分かった時点で連絡しておきましょう。

口の中の水ぶくれは痛みがあり、食事をしたり水を飲んだりすることを嫌がる子が多くなります。不機嫌になったり、夜起きてしまう子も多くいるようです。

また、脱水症状になる可能性もあるため、看病中はこまめな水分補給が重要です。

病院に行ったほうがいいか迷っている方は小児救急電話相談(#8000)を活用してみることをおすすめします。

休日・夜間の子どもの症状にどう対処するか、病院を受診したほうがいいかなど、判断に迷うときに電話相談ができますよ。

 

ヘルパンギーナはどうやってうつる?

ヘルパンギーナの感染経路はどのようになっているのでしょうか。

ヘルパンギーナは、咳やくしゃみ、手足についたウイルスが体内に入ることで感染するとされています。

外出先で共用のおもちゃを使ったり、共用のスペースで床や壁を触ったり、はだしで歩いたりしたときは注意が必要です。

石鹸をつかって手洗い・足洗いをしましょう。ウイルスがついた手で目や鼻をこすることが感染ルートになります。

また、便のなかにもウイルスが含まれるため、おむつ交換台や共用トイレを使うときにも注意が必要とされています。

症状が回復したあとも、2~4週間は便内にウイルスが潜んでいるので、外出先の店舗やショッピングモールなどでおむつ交換台を使う場合は、おむつ替えシートを持っていくなど対策をしておきましょう。

 

 

ヘルパンギーナに罹ったら、治療方法は?

ヘルパンギーナは特別な治療方法やワクチンはありません。

症状はおよそ1週間続くため、その期間は風邪と同じく対症療法になります。病院で処方してもらった薬を飲み、症状が治まるまで体を休めます。

口の中に水ぶくれができると食事を嫌がる子も出てくるため、柔らかくあまり噛まずに食べられる食事が望ましくなります。

ぬるくなるまで冷ましたおじややリゾット、豆腐、柔らかく煮込んだうどん、プリン、ゼリー、アイスクリーム、すりおろしたりんごなどは喉が痛い時でも食べやすい食べ物です。

アレルギーなどが問題なければ茶碗蒸し、ポタージュスープなども栄養が取りやすいとされています。

しょっぱい・すっぱい食べ物は刺激になり染みて痛いことがあるため、味が濃いものやみかん・オレンジなど刺激があるものは避けましょう。

熱すぎるのも同様に喉を傷めてしまいます。味付けは薄味に、できるだけ冷ましたものを食べさせるようにしましょう。

もし食べられなくても、脱水を起こさないようにできるだけ水分が多いものをとらせるようにします。

 

手足口病とは違う?同じ?

ヘルパンギーナと手足口病は、同じ仲間のウイルスが原因とされています。

どちらも夏風邪の代表で多くの子どもが罹患します。

手足口病の場合、手の甲や平、足の甲や裏、口の中に水ぶくれができます。

どちらも数日で自然に治るもので、ヘルパンギーナと同じく、治療は対症療法とされています。

予防は手洗い・足洗いでウイルスが口や目、鼻から体内に侵入するのを防ぐことが一番です。

感染症のため、通園している場合は医師の診察を受けてからの登園が必要になるでしょう。

 

東京都だけが流行しているの?

ヘルパンギーナは毎年夏に流行する感染症なので未知のウイルスというわけではありませんが、2023年は5月頃から九州地方から順に北上してきています。

東京都では6月12日の週に患者報告数が6.09人となり警報基準を超えています。

感染状況をリアルタイムに知るには?

東京都感染症情報センターでは、原則毎週木曜日に感染者数などのグラフ、流行度がわかるマップを公開しています。

東京都感染症情報センター グラフ・マップはこちら

 

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ヘルパンギーナに罹ったらどうする?

ヘルパンギーナの判断基準

風邪の症状と似ているため病院を受診するか迷いますよね。

ヘルパンギーナは「38度以上の高熱」「口の中の水ぶくれ」が特徴のため、もし該当するようであれば早めに受診しましょう。

赤ちゃんの場合は、自分で親に訴えることができません。いつもより期限が悪い、食欲がない、水分を取らないなどの傾向があるときは喉に異変があるかもしれません。

口の中の水ぶくれはわからないけど、咳やくしゃみをしていて熱がある…という場合、ヘルパンギーナ以外にも流行しているRSウイルスなどの可能性もあるかもしれません。

いつもと違う症状が出ていたら受診を検討してみてください。病院は基本的に小児科に行くことをお勧めします。

もし判断に迷ったら、小児救急電話相談(#8000)を活用してみましょう。お住まいの都道府県窓口に繋がり、必要に応じて医師や看護師に相談をすることができます。

休日や夜間の場合、小児科がある病院を紹介してもらえることもあるので慌てずにすみますよ。

 

ヘルパンギーナが重症化すると、どうなる?

ヘルパンギーナ=夏風邪として毎年流行しているものですが、合併症を引き起こしてしまうこともあります。

嘔吐、つよい頭痛、ふらつきや意識障害、顔色がとても悪くなったり、呼吸困難になることがあるのです。

高熱が続いている、嘔吐がある場合は小児科を受診しましょう。

「風邪だから…」と油断せず、注意して経過観察するようことが必要です。

 

保育園・幼稚園は何日休んだらいい?

ヘルパンギーナの症状は、38~40度の発熱が2日~4日程度、のどの粘膜の発赤や水ぶくれが1週間程度で改善するとされています。

普段通りの食事ができるまで、2日~1週間程度が必要です。

ヘルパンギーナはウイルス性の感染症にあたりますが、はしかやインフルエンザのように「登園・出席停止期間」が決められていません。

自治体や園によって独自の基準を設けている場合もあるので、まずは通っている保育園・幼稚園のルールをよく確認しておきましょう。

厚生労働省が公表している「2018年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン」では、登園の目安は「発熱や口腔の水疱・腫瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」とされています。

学校保健安全法では「発熱や喉頭・口の中の水疱・潰瘍を伴う急性期は出席停止、治癒期は全身状態が改善すれば登校可能」となっています。

また、東京都の多くの保育園・幼稚園では感染症の場合、完治している旨を病院で確認し「登園届」など書面の提出が必要になることがほとんどです。

いずれの場合でも病院で「治りました」と太鼓判を押してもらったら通園できる、と考えてよいでしょう。

登園を再開する際は、保育士にヘルパンギーナだったことを伝えるようにしましょう。

先述のとおり、ヘルパンギーナのウイルスは便の中に1ヵ月程度はまざっているため、おむつ替えの時に注意が必要になるからです。

 

 

大人も感染する?

「夏風邪はかかるとやっかいだ」…と聞いたことはありませんか?

ヘルパンギーナは大人にも感染します。

大人が罹患した場合も、子どもと同様に高熱、咽頭通、口の中の水ぶくれの症状が現れます。

ただし、子どもよりも症状が強いことが多く、熱が引くまでに時間がかかったり、筋肉痛や頭痛を伴うこともあります。

治るまでの期間も「子供よりも完治に時間がかかった」と聞くことも多いので、気を付けてくださいね。

ヘルパンギーナに感染した子どもの看病をするママ・パパは感染対策を忘れずに!

乳幼児はなかなか難しい対策ですが、大人の場合は

・マスクをして飛沫感染を防ぐ
・タオルや食器の共用を避ける
・ドアノブやリモコン、タブレットなど複数人が触るものを消毒する

ことも対策に繋がります。

消毒には次亜塩素酸ナトリウム(塩素系の漂白剤を薄めたもの)が特に効果的です。

アルコール消毒はあまり効果がないとされているので、ハイターなどを薄めたものを使ったほうがいいでしょう。

※次亜塩素酸ナトリウムは脱色してしまう可能性があるので、濃度に気をつけてください。ドアノブや壁紙が変色することがあります。

 

仕事は何日休んだらいい?

ヘルパンギーナに罹ってしまった場合、仕事は休んだほうがいいのでしょうか?

これは、インフルエンザに罹った場合と同じように考えてください。

特に法律で決められているわけではありませんが、多くの会社の場合は「発症してから5日、解熱してから2日を経過するまで」は出勤停止、としているところが多いようです。

お勤め先の就業規則を確認してみてくださいね。

子どももつらいヘルパンギーナですが、大人が罹患するとなおのことつらい…という声もよく聞こえてきます。

職場で感染を広めないように、体を休めて治癒してから出社ができるようにかけあってみましょう。

 

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夏休みも注意!感染症対策をして楽しい夏休みに

ヘルパンギーナの感染予防方法は

ヘルパンギーナは咳やくしゃみ、手足についたウイルス、便から感染することを先述しました。

ヘルパンギーナの原因になるウイルスはアルコール消毒液では死滅しないとされています。

そのため感染症予防には、石鹸で手足をしっかり洗うことが必要です。

食事の前やトイレ後の手洗い、おむつ交換後の手洗いを心掛けましょう。

保育園ではおもちゃや手すり、床などにウイルスが付着してします。帰宅後は手洗い足洗に直行しましょう。

 

ヘルパンギーナだけじゃない!RSウイルスにも要注意

東京都で大流行しているのはヘルパンギーナだけではありません。RSウイルス感染症の報告も急増してきています。

2023年6月の時点では患者の約7割が2歳以下の乳幼児という情報が示されています。

RSウイルスにかかると、以下の症状が出ます。

・発熱
・咳
・鼻水
・咽頭痛
・倦怠感(元気がないなど)

風邪に似た症状です。

生後6か月未満の乳児や、疾患を持つ小児の場合、重症化する可能性があります。

呼吸が早かったり、肩や全身を使って息苦しそうに呼吸をしている、顔色が悪いなどの様子が見られる場合は早めに受診をしましょう。

感染ルートはヘルパンギーナと同様に、咳やくしゃみ、手についたウイルスが口に入る事で感染します。

こまめな手洗いをさせましょう。また、咳や鼻水の症状がある場合には登園を見合わせるなど無理をさせないように注意してください。

 

「保育園の洗礼」いつまでかかる?仕事はどうする?

ヘルパンギーナの流行が梅雨前から始まっているため、今年は「やっと保育園の洗礼が終わったと思ったのに…!!!!」という大きな悲鳴がいくつも聞こえてきています。

「保育園の洗礼」とは、保育園に通い始めたばかりの子どもが共同生活をする中で新しいウイルスや菌に出会い、免疫獲得を繰り返す中で発熱などの症状が出ること。

復職したと思ったらお迎えコールが続くことも、あるあるなのです。

保育園の洗礼はこどもの免疫獲得によって終了時期が異なるため、早ければ2,3か月でひと段落する子もいれば、1年かかったという声もあります。

洗礼期間を短くするためにできることはあるでしょうか?また、子どもから親への感染を防ぐにはどうしたらいいでしょうか。

こちらも併せて読んでみてください。

 

今年は新型コロナウイルスが5類に移行してから初めての夏休み。

旅行や帰省など、多くの人が都道府県をまたぐ移動を予定しています。

共有施設に遊びにいったり、人混みの場所に行った際には必ず手洗いうがいをこころがけましょう。

 

◆参考

厚生労働省 保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)

国立感染症研究所 ヘルパンギーナとは

東京都感染症情報センター ヘルパンギーナ Herpangina

東京都感染症情報センター 都民向けリーフレット ヘルパンギーナが流行しています!

 

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