認可保育園・認可外保育園(無認可保育園)の違いは?保育費用はどれくらい差がある?
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子育のこと

「保育園費用」は、各家庭にとって気がかりなことの1つ。
子どもを保育園に通わせようとすると、毎月必ずかかるため、どのくらいの金額になるのか気になる方は多いでしょう。
また、保育園料金は「認可保育園」と「認可外保育園(無認可保育園)」で異なります。そこで本記事では、認可保育園と認可外保育園にかかる毎月の料金に加え、それぞれの保育園でどのような特徴・違いがあるのかを解説します。
「子どもをどの保育園に通わせるといいのかな?」とお悩みの方は、本記事の内容をぜひ参考にしてくださいね。
もくじ
そもそも「認可保育園・認可外保育園」とは?一覧表で解説
まずは認可保育園・認可外保育園の違いについてご説明します。
| 認可保育園 | 認可外保育園
(無認可保育園) |
|
| 設置・運営 | 市区町村の設置・運営基準を満たしている | 要綱の基準を満たしている |
| 入園条件 | あり | 施設による |
| 入園の申し込み | 市区町村に申し込む | 各施設に申し込む |
| 保育園料 | 市区町村が定める | 施設が定める |
| 運営費用 | 国や都、市区町村が負担 | 保育園料で賄う |
「認可保育園」は国の基準で認可されている保育園
認可保育園とは、国が定めた児童福祉法による基準を満たした保育園を指します。保育園を利用する児童の年齢に対し、保育士の人数や施設の面積(広さ)、設備などが法律によって決められています。決められている基準をすべて満たし、認可されないと「認可保育園」とは認められません。
運営は、国や自治体から運営費の支給を受けて賄われています。2019年10月よりスタートした「幼児教育・保育の無償化(幼保無償化)」により、保護者が支払う保育園料の負担が軽減されました。
ただし、認可保育園に入園できるかどうかは、自治体の選考によります。選考基準は「どれだけ保育を必要としているか=保育指数」という点数で計算され、基本的には点数の高い順に希望する保育園への入園が決まります。
参考:東京都保育所設備・運営基準解説(令和5年9月21日版)
「認可外保育園(無認可保育園)」は自治体に届出を提出した施設
認可外保育園とは、認可保育園以外の保育園を指し、一般的に「無認可保育園」とも呼ばれます。
「認可外」と聞くと「安全面などに不安はないの?」と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、認可外保育園は各都道府県が指導監督を行い、設置に際しては必ず届け出が必要なものです。また、認可保育園とは別で定められた「要綱」による基準を満たしています。
子どもたちの安全や、健全な保育を行うために適切な保育水準を確保できるよう定められた基準のため、安全面などにも心配なく預けられます。
認可外保育園は、基本的に運営費用を施設で賄うため、各施設ごとに料金が異なる点に注意が必要です。保育園料や保育園の特色や教育方針などを独自で決められるため、認可保育園の基準を満たしていても、方針を守るためあえて認可外としている施設もあります。
どっちがいい?認可・認可外保育園の特徴とおすすめを紹介

認可保育園、認可外保育園の両方が、それぞれ定められた基準などを満たしていることから、安全面や保育に関する不安は軽くなるものの、「結局どっちがいいの?」と悩む方もいらっしゃるでしょう。
保育園を選ぶ際には、働き方や教育方針と関連させて検討するのがおすすめです。預け始めてから、どのような働き方をするのか、また子どもにどんな経験をさせてあげたいのかなどを踏まえて考えてみましょう。
| 認可保育園 | 認可外保育園
(無認可保育園) |
|
| 預けられる朝の時間帯 | 朝7時~7時30分からが多い | 朝7時~8時開始が多いが施設によって大きく異なる |
| お迎えの時間帯 | ・18時まで通常保育、18時以降は延長料金がかかる ・19時~20時が多い |
17時~24時までなど施設によって大きく異なる |
| 園庭 | 2歳児以上の子ども1人つき3.3平方メートル必要 | 基準なし |
| 保育士の人数 | 0歳児:3:1 1、2歳児:6:1 3歳児:20:1 4歳児以上:30:1 |
認可保育園と同じ |
| 建物 | 園舎は原則2階建以下 | 決められてはいないが、保育室は1階に設けるのが望ましい |
たとえば、働く時間が平日の日中で固定されている家庭では、認可保育園の開所時間が合いやすいですが、夜勤など勤務時間にばらつきがあったり、日曜や祝日も仕事が合ったりする場合は認可外保育園も選択肢に入れるとよいかもしれません。
認可外保育園は園庭の基準がなく、園庭自体を設けていないところも少なくないため、「広い園庭で遊んでほしい」と希望する場合は認可保育園を中心に探すとよいでしょう。
そのほか、園独自の特色を持たせている施設もあるため、調べたり見学したりして各家庭にぴったりの保育園を見つけましょう。
認可保育園の保育料を決める3つの要素とは?
ここからは、認可保育園における保育料についてご紹介します。認可保育園の保育料は、3つの要素によって決まります。
1.世帯の所得に基づいて計算される住民税
保育料は、保護者の所得を基に算出されます。国が上限額を定めており、その範囲内で各市区町村が区分を決定します。注意しなければいけないのは、収入ではなくて「所得」であるということです。
※所得とは
・自営業であれば収入から必要経費を差し引いた額
・給与所得であれば、支給額から給与控除を差し引いた額
2.子どもの年齢や人数
幼保無償化の制度により、3歳以上の子どもを対象に保育園料がかからなくなりました。0歳~2歳児クラスはこれまで通り保育園料がかかるため、毎月の支払が必要です。
また、保育園に預ける人数によっては、第2子、第3子の保育料がかからないケースもあります。2人目は半額、3人目は無料になる自治体が多くありますが、所得や小学校以上はカウントしないなどの条件があるため、事前に確認しておきましょう。
3.保育時間
保育時間は、親の働き方によって、以下のどちらかに区分されます。
・フルタイム労働を想定した標準時間(最長11時間)
・パートタイム労働を想定した短時間(最長8時間)
さらに上限を超える場合には延長保育料がかかります。標準時間の方が保育園料は大きく、短時間の方が金額は小さくなる傾向です。
認可保育園・認可外保育園の保育料の違いは?

次に、認可保育園と認可外保育園の保育料の違いについて。認可保育園は、国・自治体からの補助を受けている園でしたね。
それ以外の保育園である認可外保育園は、一部補助を受けている場合もありますが、基本的に自費運営です。
保育料やサービス内容を自由に設定できるため、費用は一律ではありません。
・認可保育園の保育料:所得や子どもの年齢などによって決まる
・認可外保育園の保育料:世帯年収等は関係なく、各保育園によって決まる
認可外保育園の保育料は月額「50,000~70,000円」ほどが多いと言われています。
【2025年最新】幼児教育・保育無償化制度(幼保無償化)
2019年10月から、幼児教育の無償化制度がスタートしました。
これにより、幼稚園・保育所・認定こども園を利用する3~5歳児について、保育施設の利用料が無償化されます。
また、住民税非課税世帯については0~2歳の保育料についても無償化となります。
施設によって以下のように対応が分かれています。
・認可保育園の場合
3歳~5歳児クラスのすべての施設利用料が無償化
0歳~2歳児クラスは住民税非課税世帯なら無料
・認可外保育施設の場合
3歳~5歳児クラスは月3.7万円まで無償
0歳~2歳児クラスは住民税非課税世帯が対象で、月4.2万円まで無償
・幼稚園の預かり保育の場合
月1.13万円まで無償
保育料以外にかかる「隠れコスト」
ただし、無償化されるのは”利用料”だけであり、入園料や給食費、行事費などは別途必要なので注意が必要です。また、保育園によっては音楽や英語、芸術などに力を入れている施設もあり、それによって楽器や教材の準備に費用がかかることもめずらしくありません。
保育園への申し込み前に、各園にかかる費用などを確認しておくと安心です。
幼保無償化については下記の記事にもまとめています。
幼児教育・保育の無償化が10月からスタート!制度の内容・注意すべきポイントとは
幼児教育無償化制度(幼保無償化)とは?
2019年10月から、幼児教育の無償化制度がスタートしました。
これにより、幼稚園・保育所・認定こども園を利用する3~5歳児について、保育施設の利用料が無償化されます。
また、住民税非課税世帯については0~2歳の保育料についても無償化となります。
施設によって以下のように対応が分かれています。
・認可保育園の場合
すべての施設利用料が無償化
・認可外保育施設の場合
月3.7万円まで無償
・幼稚園の場合
月2.57万円まで無償
ただし、無償化されるのは”利用料”だけ。
入園料や給食費、行事費などは別途必要なので注意が必要です。
それでも、合計の金額を考えると、おおむね認可保育園のほうが安いといえます。
ただし、自治体によっては独自の基準を設定して補助していたり、認可保育料との差額を援助してくれたりするところもあります。
逆に、独自の教育システムや設備によって教育面の充実をしている園を選んだ場合などは、その分保育料が高くなりがちです。
また、お住まいの地域にもよりますが、認可保育園・認可外保育園の保育料にそれほど違いがないところもあるようです。
幼保無償化については下記の記事にもまとめています。
幼児教育・保育の無償化が10月からスタート!制度の内容・注意すべきポイントとは
認可保育園のメリット・デメリット

認可保育所には、保育所として国の定める基準を満たしているという安心感があります。
ではそれ以外の利点はあるのでしょうか?また欠点はどういった点でしょうか?
認可保育園のメリット・デメリットについて解説します。
認可保育園のメリット
園庭や施設について、認可外保育園よりも厳しい基準を満たしているため、広い面積を確保できている点は見逃せません。
園外に出かけなくても子どもをのびのびと遊ばせてあげることができ、安心して保育を任せることができるでしょう。
保育料の点でも認可保育園のメリットは大きいと言えます。
2019年にスタートした幼児教育無償化制度により、保育園の利用料は無償化されました。
認可保育園では入園料や実費を除き、施設の利用料がすべて無料となっています。
無償化される金額の上限のある認可外保育園と比べて、総合的に保育料を安く抑えることができるでしょう。
さらに経験豊富な保育士が働いていることが多いという点も、認可保育園のメリットということができます。
認可保育園のデメリット
認可保育園の第一のデメリットとなるのが、入園希望がかなわない場合があるという点です。
入園希望者の数が多い地域に住んでいる場合などには、希望する保育園に入れずに家から遠い保育園に入園するケースもあります。
第二に考えられるのが、保育時間の融通が利きづらいという点です。認可保育園の保育時間は11時間以内と規定されています。
共働きで、子どもを迎えに行く時間が遅くなることが多い家庭には向いていないかもしれません。
また国の認可を受けている認可保育園では、保育内容に一定の制限があることもデメリットになり得るという点にも注意が必要です。
家庭や子どもの特徴に合わせた柔軟な対応ができない場合もあることを押さえておかなければなりません。
認可外保育園のメリット・デメリット

認可保育園と比較した際に、認可外保育園の場合にはどのような点に注意する必要があるのでしょうか。
希望していたとしても必ず認可保育園に入園できるわけではないため、認可外保育園のメリット・デメリットについても正しく理解しておく必要があるでしょう。
認可外保育園のメリット
認可外保育園のメリットとしてまず考えられるのが、それぞれの家庭のニーズに合わせた柔軟な対応を望める点です。
朝早くから子どもを預かって欲しい場合や、夜遅い時間までの延長保育・一時預かりなど、園ごとにさまざまな対応を期待することができるでしょう。
認可保育園では、子どもを預ける理由や住んでいる地域など、入園するためにさまざまな基準をクリアする必要があります。
認可外保育園では基準がそれほど厳しくないので、さまざまな理由で子どもを預けたい場合にも、幅広く対応してくれる点も魅力となっています。
園ごとに独自の教育や環境を整えている場合もあり、特徴的な教育を受けさせることができるという点もメリットと言えるでしょう。
認可外保育園のデメリット
認可保育所と比べて一般的に料金が高くなる場合が多く、料金面でのデメリットを感じるかもしれません。
しかし最近では、自治体ごとに独自の助成制度を設けている場合も多いため、ある程度はデメリットを抑えることも可能となっています。
敷地や園庭が狭い場合や、保育士の質に関して当たり外れが大きいこともデメリットとなることがあります。
施設に関する問題や保育環境の問題は、見学に行ってみることでリスクを最小限に抑えることは可能です。
大切な子どもを預けるのですから、事前の確認は入念に行うのが良いでしょう。
また認可保育園と比べると行事が少なく、集団でのさまざまな経験を積む機会が乏しいという感想を持つ人もいるようです。
いつから保育園探しをしたらいい?タイミングは約1年前から!?
保育園を利用するためには『保育に欠ける』という要件に当てはまっていることが条件になります。
たとえば、親が仕事をしている場合、妊娠中で子どもの面倒が見られない場合、病気や怪我で保育が難しい場合などがあげられます。
仕事に関しては、基本は既に就労していること(休業中)が前提となりますが、これから仕事に就こうと就職活動をしている人や、就労を目的とした通学も含まれます。
まずは自分が条件に当てはまるかを確認し、その条件を満たしているならば保育園さがし(保活)を始めましょう。
一般的に年度途中の入園よりも4月からのほうが入園しやすいので、それに合わせたスケジュールを見てみましょう。
安くない保育料、働いたほうが得?

保育園にかかる費用は決して安いとはいえません。
幼保無償化で3歳~5歳の子どもの保育料は無償化されましたが、保育園にかかる費用は保育料だけではありません。
給食費など保育料以外にも支払う必要があり、完全に無料にはならないのです。
また、0歳~2歳は保育料も家庭負担。早く働き始めたからといって家計にやさしいとも限らないのです。
保育料は、なんと、パートで得る収入の20~50%を占めるとも言われています。
「こんなに働いても少ない金額しか残らないし、それなら働かなくても…」と、思われる方もいるでしょう。
ただ、多くの家庭ではパート収入から保育料を払ったとしても赤字になることはなく、多少でも家計の足しとなっています。
仮に、毎月8万円の収入があったとします。
そのうち半分が保育費にかかったとした場合、4万円が残ります。
年間にしてみると、約50万円がプラスになる計算です。
プラスになった分は、自分の自由になるお金として使ってもいいですし、将来、必要になるお子さんの教育費のために貯金しておくのもいいでしょう。
また、収入以外にも社会復帰の準備として働くこともいいでしょう。
仕事から離れている、ブランク期間が長いほど、職場復帰はしづらくなります。
短時間でも仕事をしておいたほうが、ゆくゆく長い時間で働くことになるかもしれない方にはおすすめです。
ベビーシッターやファミサポの利用も視野に

希望の保育園に入園するために保活に力を入れていても、なかなかうまくいかない場合もあるでしょう。
さまざまな悪条件が重なり、保育園に入れない場合にはベビーシッターを利用することも選択肢のひとつとなります。
ベビーシッターと聞くと、料金が高いというイメージを持つかもしれません。
しかし自治体やお勤めの会社によっては、シッター利用に対しての支援を受けられる場合もあります。
またベビーシッターを利用した実績があると、認可保育園への入園加点を受けられる自治体もあるので、検討の価値は大いにあるでしょう。
また、「ファミリー・サポート・センター」を実施している自治体も多くあります。子どもを預かる「サポート側」と、子どもを預かってほしい「支援を受ける側」をマッチングし、面談を経て預かりを行う事業です。民間の一時保育よりも安価に依頼できるため、金額面での負担を抑えられるのが特徴です。
仕事を続けながら希望の保育園入園を目指す際に、ベビーシッターやファミサポは心強い味方になってくれるはずです。料金面や利用方法なども気軽に問い合わせてみましょう。
保育園に子供を預ける条件とは?パート主婦必見の入園条件・保活のポイントを解説!
まとめ:認可・認可外保育園は家庭に合った選択をしよう
保育園の費用は、子どもを預けて働くなら避けられないもの。幼保無償化などの制度によって保育園料自体の負担は軽くなっていますが、給食費や行事にかかるお金など、随時かかる費用も忘れないようにしましょう。
保育料を踏まえた上で、認可保育園と認可外保育園のどちらがよいかは、各家庭の働き方や教育方針によって異なります。国の定めた基準を満たすことが前提の認可保育園は、ある程度どの施設も同じような方針で保育が行われますが、認可外は独自の教育方針を掲げているところもあるでしょう。
毎日のように通うため、自宅からの距離も加味しながら、より自分たちに合う保育園を見つけられるとよいですね。
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