【幼稚園・保育園・認定こども園】通わせるならどっちがいい?ワーママにはどちらが便利?比較してみた
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子育のこと
働くママ、これから働きたいと思っているママにとっての悩みのタネといえば、子どもを通わせるなら、保育園がいいのか、幼稚園の方がいいのかか?という問題。
仕事との両立を考えるなら、保育園のほうがよさそうだけど、幼稚園のほうが教育は充実していると聞くし…。
そこで今回は、「働くママから見た保育園と幼稚園」をテーマに
・保育園と幼稚園の違い
・メリット・デメリット
などを掘り下げます。
もくじ
保育園と幼稚園の違いって何?
子どもを通わせるという点では同じですが、保育園と幼稚園にはそれぞれに違いがあります。働いているママさんにとっては、子どもをどちらに通わせるかは大切な問題でしょう。
本項では、保育園と幼稚園の違いについて、目的や対象となる子どもの年齢などの視点から解説いたします。
保育園は福祉施設、幼稚園は教育施設
保育園は厚生労働省が管轄する福祉施設であり、児童福祉法により規定されています。保育園の目的は「保育に欠ける」乳児または幼児を保育することです。「保育に欠ける」とは、保護者が働いていたり病気だったりして、子どもの世話ができない状況を指します。
保育園における保育の目標は、子どもの心身を健全に発達させることです。その目標に向かって、表現活動や思考力の育成などさまざまな活動を通じて、保育・発育の支援が行われます。
幼稚園は学校教育法により規定される教育施設であり、文部科学省が管轄しています。幼稚園における教育の目的は、義務教育の基礎を培い心身の発達のために適当な環境を与えることです。
幼稚園では、遊びを通じて知識を増やしたり情操を育んだりといった活動を行います。言葉や数など小学校入学前の基礎学習を行うほか、遠足や運動会などの行事が充実している場合が多いことも特徴です。
対象年齢は保育園の方が幅広い
保育園の保育対象年齢は一般的に「0歳〜小学校入学まで」となっています。年齢の上限は定められていますが、下限は法律で規定されているわけではありません。施設によって保育対象年齢の下限は異なるので、事前の確認を忘れないようにしましょう。
幼稚園の保育対象年齢は「満3歳〜小学校入学まで」です。スムーズに幼稚園での生活になじめるように3歳での入園を希望する家庭が大半ですが、満4歳以上から幼稚園に通うというケースも増加しています。
多くの保育園では、出産後すぐにでも子どもを預けられるため、働くママにとっては強い味方です。ただし認可保育園は競争率の高さから、希望する園に入れないことも多い点に注意する必要があります。
保護者が負担する費用の違いは?
認可保育園の費用は一律ではなく、「居住している自治体」「世帯の所得」「保育時間」「子どもの人数」などによって決定されます。家庭により認可保育園の月額保育料は大きく異なりますが、平均すると20,000円前後になるでしょう。認可外保育所では園ごとに保育料が異なり、平均すると40,000〜50,000円と総じて認可保育園よりも高くなる傾向があります。
幼稚園の費用は、所得や子どもの人数により変動せず、園により一律の料金となります。公立か私立かによっても変わりますが、授業料の平均は月額10,000〜30,000円ほどです。
また2019年10月から「幼児教育・保育の無償化」が実施されています。無償化の主な内容は以下の通りです。
対象となる施設 | 対象年齢 | 無償化の内容 |
・幼稚園
・認可保育所 ・認定こども園 |
3〜5歳児クラス | 月額利用料が無償化。幼稚園は月額25,700円が上限。 |
0〜2歳児クラス | 住民税非課税世帯で、月額利用料が無償化。 | |
・認可外保育施設等 | 3〜5歳児クラス | 月額37,000円を上限に無償化。 |
0〜2歳児クラス | 住民税非課税世帯を対象に、月額42,000円を上限として無償化。 |
認定こども園って何?
認定こども園とは、2006年に「就学前の子どもに関する教育・保育等の総合的な提供の推進に関する法律」に基づき発足した「幼保一体型施設」です。保育対象となる年齢は以下のように分かれており、認定区分に応じて利用料は異なります。
1号:保育の必要性を認定されない3〜5歳児
2号:保育の必要性が認定されている3〜5歳児
3号:保育の必要性が認定されている0〜2歳児
認定こども園は、保育園と幼稚園のメリットを併せ持ち、保育施設であると同時に教育も受けられる施設だといえるでしょう。
【要チェック!】公立と私立の違い
ここでは公立の幼稚園・保育園と私立の幼稚園・保育園との違いを解説します。子供を私立と公立どちらに入れるかで、大きく変わるポイントがいくつかあります。
・保育料や費用
一番わかりやすい違いは、やはり「費用」です。公立も私立も制服や教材、バス代などがかかりますが、特に幼稚園では、私立と公立で場合によっては約2倍もコストが変わるといわれています。
入園前に必ず、どの程度費用がかかるのかを比較して選ぶようにしましょう。
・先生と生徒
公立施設の場合、先生は「地方公務員」の扱いになるため、原則3〜4年程度で移動することがあります。ですのでお世話になっている先生が1年で別の施設に移動してしまうということも。
一方で私立の施設は、通常先生本人が希望しない限り、別の園に移動することはありません。ですので長い場合は5年〜10年と同じ園で、ずっと働き続けることもあります。
また生徒数も公立と私立で異なることが多いです。文部科学省のデータによると、公立施設の平均園児数は約60名、私立の施設は約160名と2.5倍以上も違いがあります。
・教育の特色や特徴
私立の施設は公立に比べて、教育の方針ややり方に特徴がある場合があります。
例えば最近多くなってきているのが「パソコン教育」です。社会に出る上でパソコンを学ぶことが非常に重視されています。まずは小さい頃からパソコンの操作に慣れておくことで、将来は仕事の効率が上がったり、場合によっては優秀なプログラマーとして活躍したりできるかもしれません。
また「英語教育」に力を入れる私立幼稚園も増えています。昔と比べてグローバル化が進み、海外と行き来する機会が圧倒的に増えました。また仕事をする上でも海外の人とコミュニケーションを取れることは大きな強みになります。
しかし歳を取るにつれて、新たな語学を学ぶ機会が少なくなり、学習効率も下がってくるものです。小学生になる前から英語に触れておく、慣れておくことで、自然と英会話をする習慣が身につき、将来グローバルに活躍するチャンスが大きくなります。
働くママ、保育園と幼稚園のメリット・デメリット
では、保育園、幼稚園、認定こども園と、それぞれの特徴がわかったところで。
肝心なのは、実際に利用する親と子どもの満足度ではないでしょうか。
幼稚園・保育園、認定こども園のリット・デメリットを見てみましょう。
保育園
メリット
・0歳~1歳から預けられるので働くパパママにはありがたい
・夏休み、春休みなどがなく、お盆期間でも預かってくれる
・おむつはずしも保育園に手伝ってもらいスムーズに
デメリット
・月曜の朝、タオルやシーツ、着替えをセットするのがけっこう大変
・登園時間がバラバラなのでクラスのお母さんたちと話す機会が少ない
幼稚園
メリット
・数字や読み書き、英語、体育に力を入れており、教育面が充実
・じっと座っていることや食事中の礼儀作法などが身に付く
デメリット
・バザー、夏祭り、運動会など園行事が多く準備も大変
・参観や保護者会が平日に入りがち
・延長保育が別途料金なので、残業が多い月や夏休みなどは費用がとても高くなる
認定こども園
メリット
・幼稚園、保育園どちらもメリットも受けられる
・親の働き方が変わっても転園しなくてよい
デメリット
・まだ数が少ない
・保育料以外に、教育のための費用がかかることもある
・一般の保育園に比べて平日の参観・保護者会が入ることもある
幼稚園のメリットは何といっても教育。
一方、働くママにとっては保育園のほうが断然便利です。
登園時間はママ合わせ、正月休み以外は保育可能なので、時間的な制約が少ないというメリットが際立ちます。
かつては、お遊戯会の衣装や子どもの園グッズを作るのは幼稚園が多く、保育園は園が用意してくれる…というような違いもありましたが、現在では園によって方針はさまざまです。
保育園&幼稚園の入園までのスケジュール
どこの施設に子どもを任せようか…と迷っている間にも、申し込みの期限は刻刻と迫ってきますよね。
入園準備は入園を希望する前年度から始めます。それぞれの入園までのスケジュールを確認しておきましょう!
幼稚園の入園までのスケジュール
幼稚園には私立と公立(国立含む)があります。
私立幼稚園は公立幼稚園の倍近くの数があり、園によって特色があるので見学必須。2年制に入れるのか、3年制に入れるのかをしっかり決めておきましょう。
6月~ 見学会
9月~ 説明会、願書配布(私立)
10月~ 入園申込、面接(私立)
11月~ 願書配布、提出、抽選(公立)
12月~1月 入園説明会、園グッズ、制服準備開始
4月 入園
保育園の入園までのスケジュール
10月~ 申込用紙配布開始
11月~12月 入園申込(役所か園の窓口へ)
1月~ 就労状況届けなど提出
2月末~3月 内定の電話、園で個人面談、健康診断
4月 入園
※認証、認可外保育園は直接園に問い合わせをしてみてください。
説明会が春先から始まる幼稚園と比べ、保育園はスタートが遅いわりに入園までがタイトです。
しかも直接内定電話がかかってくるというドキドキハラハラのシステムのところが多いようです。
認定こども園の入園までのスケジュール
先述もしましたが、こども園では1~3号の区分に分かれ認定されます。この区分によってスケジュールが異なります。
たとえば、下記のようなイメージです。
1号認定の場合
9月~10月 1号認定願書配布
10月~11月 願書提出、面接もしくは抽選
11月 入園手続き
12月~2月 入園説明会、園グッズ、制服準備開始
2月~3月 体験入園
4月 入園
2号、3号認定の場合
市区町村に申込書を提出
12月上旬~1月上旬 第1希望の園で面接
2月中旬~3月上旬 入園承諾書、支給認定証を通知
3月上旬~中旬 入園説明会、園グッズ、制服準備開始
4月 入園
認定こども園について知ろう!
ところで、こども園にも種類がいくつかあるので、補足いたします!
先述もしましたが、2006年から幼稚園でも保育園でもない「認定こども園」が制定されました。管轄は内閣府です。
幼稚園と保育園のいいところを取り入れた園、それが認定こども園です。
保育園並みの長時間保育、幼稚園のような教育を取り入れており、大きく分けて以下のような型式があります。
1.幼保連携型
幼稚園教育と保育園の機能をバランスよく併せ持つタイプ。長時間保育可能。小学校入学時に困らないような教育をします。
2.幼稚園型
認可幼稚園がこども園に転換したタイプ。敷地や建物はそのままで、長時間預かりや0~1歳児保育ができるようにしたもの。
3.保育所型
認可保育所がもとになっているタイプ。働いているお母さん以外でも利用可能。広く児童を受け入れることができる。
4.地方裁量型
保育園でもなく幼稚園でもない、認可外の保育施設を新規に認めたタイプ。駅ナカや職場のビルの中など色々なところに開設されています。
都市部の待機児童解消のため、地方裁量型が認定こども園制度のキモです。
自由度が高いので、今後の展開が期待されます。
また、こども園も今回の幼保無償化の対象です。幼児教育・保育の無償化について知りたい!という方は下記の記事も読んでみてください。
幼児教育・保育の無償化(幼保無償化)について、無料になる=嬉しい!と全てのパパ・ママが思いそうですが、そうでもないようです。
今回の無償化について、30代以下のママは7割の人が「生活費助かる」と回答していますが、否定的なコメントもあります。
今回の制度について主婦のアンケートを実施したので、そちらは下記にまとめました。よろしければ併せて読んでみてください。
失敗しない!保育園や幼稚園の選び方
保育園や幼稚園、認定こども園の違いを知ったうえで、どの園を選ぶのがいいのでしょうか。大きな決断なので、迷う親御さんも多いはず。ここでは失敗しない施設の選び方について紹介します。
・実際に見学に行ってみる
子どもが通う幼稚園や保育園の決め方として「実際に見学をして決めた」という人が一番多いです。各施設の条件や費用が分かったとしても、実際に見学に行けばイメージが変わるかもしれません。
また両親の事情や都合も大切ですが、子どもがその施設に会うかどうかも大事な決め手です。実際に子どもと見学に行ってみて、雰囲気がいいか、先生との相性は良さそうか、子どもが過ごしやすそうか、さまざまな視点から確認してみましょう。
・その園に子どもを通わせている親御さんにきいてみる
もし近所に、検討している園に子どもを通わせている親御さんがいたら、実際にどうなのか聞いてみるのもよいでしょう。職員からは聞けない生の声や、実際に通わせてみてイメージ通りだったか、ギャップがあったかなど、気になるものです。
「事前に聞いていた情報とは違った」ということがないよう、なるべく聞ける範囲で身近な人の声を聞くようにしましょう。
・ホームページやインターネットで情報収集
「仕事が忙しくて見学に行けるタイミングがない」という方は、各園のホームページやインターネットに掲載されている情報をチェックしてみましょう。
最近では園の特色が詳しく紹介されていたり、また写真などを使ってイメージしやすいように園の日常風景や行事が紹介されていたり、情報が充実しています。また幼稚園や保育園の紹介サイトなどを参考にするのもいいでしょう。
ただしインターネットの情報は信ぴょう性が高い情報もあれば、ウソやデマの情報が紛れ込んでいる可能性があります。子どもにとっては人生の大きなイベントなので、できる限り直接自分の目や耳で検討をするようにしましょう。
もし希望の園に入れなかったら…
どの園も人数制限がある分、どうしても希望の園に入れないということがあります。せっかく家族で選んで決めたのに、希望が叶わなかったら大きなショックを受ける人も多いでしょう。そんなときはどうすればいいのでしょうか。
・前もって第二志望、第三志望を決めておく
希望の園を選ぶ段階で、第一志望に入園できない場合を想定しておきましょう。
そうすることで万が一、第一志望に入れなかったとしても、慌てずに別の幼稚園や保育園に入る準備をすることができます。
・子どもをサポートしながら二人三脚で頑張る
第一志望に入れなかったことで落ち込むことはありません。子どもは大人が思っている以上に環境に上手く適応できます。子どもが入園先で楽しく成長できるよう、精一杯サポートをするようにしましょう。
まとめ
働くママ、これから働くママは、幼稚園なら入園したい4月の10カ月前、保育園なら5カ月前から動き始める必要があります。
仕事探しが先か?保育園が先か?と悩むところですが、保育園は途中入園がかなり困難なので、お仕事をしたいママは就業前でも保育園を選ぶのがおススメ。
一方、幼稚園は、のびのび育てるところや学習に力を入れるところなど本当に様々なので、内容をしっかり検討しましょう。
小学校に上がってから幼稚園と保育園で子どもに差が出ると言われがちですが、実際のところは半年もするとみんな同じになるそうですので、安心してどちらが良いか選ぶと良いでしょう。
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