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パートとアルバイトの違いとは？法律や社会保険、扶養にも注目

更新日：2025-08-22

働き方

パートとアルバイトの違いはあるのでしょうか。求人情報では、企業がパートもアルバイトも同じ条件でまとめて募集されていることもあれば、企業がパートとアルバイトを分けて募集していることもあります。

仕事を探す主婦のみなさまは、

「パートとアルバイトの違いが知りたい」

「主婦だけどアルバイトの求人応募したい」

と感じることがあるかもしれません。

当記事では、パートとアルバイトの違いについて解説します。法律上の扱いや企業側の考え、短時間勤務ができる働き方の選択肢も解説します。

パートとアルバイトの違いを知りたい方や日中の時間を利用して短時間勤務で働きたい主婦はぜひ参考にしてください。

アルバイトとパートの違いは法律上ない

アルバイトとパートの違いは、法律上ありません。アルバイトとパートのどちらも「パートタイム労働者」に区分されるためです。厚生労働省によるパート労働者の定義は、以下のとおりです。

「短時間労働者（パートタイム労働者）」は、「１週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の１週間の所定労働時間に比べて短い労働者」

引用：『パートタイム労働者とは』厚生労働省

通常の労働者とは、一般的には正社員を指します。つまり、正社員よりも所定労働時間の短い労働者をまとめてパートタイム労働者と呼びます。アルバイトやパート以外にも、契約社員や準社員、嘱託社員なども区分はパートタイム労働者といえます。

そのため、法律上は大まかに「正社員（フルタイム労働者）」と「パートタイム労働者」に分類されるのです。

アルバイトとパートにおける意味の違い

アルバイトとパートという言葉がある以上、意味の違いはあるのでしょうか。

アルバイト

アルバイトは、ドイツ語の「Arbeit」という言葉が語源です。学生などが学業の空き時間にお金を稼ぐことからきています。どちらかというと本業は別にあり、そのかたわらで働くことを指しています。そのため、アルバイトは学生などの若い世代が働く際に使われるイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

パート

パートは、英語の「Part time」という言葉が語源です。対義語は「Full time」であるため、イメージしやすいでしょう。本業のようにフルタイムで働けず、時間的制約のもと短時間で働くことからきています。一般的に、主婦やシニア層などを指す印象が強い言葉です。

アルバイトとパートを区別している企業もある

アルバイトとパートに法律上の違いはありません。しかし、企業においてアルバイトとパートを分けているケースも少なくありません。そこで、企業がアルバイトとパートを区分する際の一般的な考え方をご紹介します。

特徴

アルバイト

・短時間勤務

・学生など若い世代

・週2日～5日、早朝や夕方以降がメイン

・フリーターの場合は、長時間勤務を想定

パート

・短時間勤務だが長期的に働ける

・主婦やシニア層で本業が別にある（家事や育児など）

・週2～4日、早い時間帯から夕方までがメイン

このように、企業がアルバイトやパートを区別する場合、想定する勤務日数や時間、本業の有無などを基準としていることが一般的です。

アルバイトとパートで求人内容に違いがある企業

求人募集の際にアルバイトとパートを分けて募集する企業があります。これは、企業内でアルバイトとパートの特徴に応じて募集する内容を分けていることが考えられます。アルバイトとパートは、法律上に違いはないため、自分が働きやすいほうで応募できます。

アルバイトとパートの条件が違うこともある

同じ企業がアルバイトとパートを分けて募集している場合、条件や条件が違うこともあります。たとえば、募集する時間帯や仕事内容に見合った給与設定をしていたり、どちらか一方を急いで募集していたりするケースなどが挙げられます。

アルバイトやパートで働くメリットとデメリット

アルバイトやパートで働くメリットとデメリットについてご紹介します。

アルバイトのメリットとデメリット

メリット

デメリット

・自分の時間に合わせて働ける

・都合の良い場所で働ける

・就職前の社会経験になる

・学校などがない長期休暇も働ける

・昇給や昇格の機会が少ない

・社会的に不安定な立場とみなされることもゼロではない

・受けられない福利厚生もある

パートのメリットとデメリット

メリット

デメリット

・幅広い年齢層が採用される

・長期的に雇用されやすい

・家事や育児の合間に働ける

・仕事の繁忙期があると、家庭に影響が出ることもある

・正社員と比較すると収入は少ない

・受けられない福利厚生もある

このように、アルバイトやパートは法律上の違いはありませんが、メリットやデメリットを比較すると細かい違いがあります。

アルバイトやパートの権利や福利厚生

アルバイトやパートでも、働く上での権利や受けられる福利厚生があります。具体的にどのような権利や福利厚生があるのかご紹介します。

社会保険への加入

アルバイトやパートでも、条件を満たせば社会保険に加入できます。前提として、1週間の所定労働時間または1月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満でなければなりません。

アルバイトやパートなど、短時間労働者における社会保険の加入条件は以下のとおりです。

1.週の所定労働時間が20時間以上である
2.所定内賃金が月額8.8万円以上である（賞与や割増賃金等は除く）
3.2か月を超える雇用の見込みがある
4.学生ではない
5.従業員数51人以上の企業で働いている

社会保険に加入することで、厚生年金によって年金給付が上乗せされたり、条件を満たせば健康保険によって傷病手当や出産手当金を受給できるようになります。

扶養に入ったまま働ける

アルバイトやパートで働く場合でも、親や配偶者など扶養者が扶養控除を受けられます。扶養控除や配偶者控除を受けるためには、被扶養者（親や配偶者に扶養してもらっている人）の所得要件も定められているため、確認しておきましょう。アルバイトやパートによる年収が増えると、控除対象外となったり、本人に所得税の支払い義務が発生することもあります。

参照：『No.1180 扶養控除』国税庁
参照：『No.1191　配偶者控除』国税庁

特別休暇をもらえる可能性がある

特別休暇とは、企業が独自に設定する福利厚生です。企業によっては、特別休暇制度としてアルバイトやパートを含めた従業員に取得させる独自の福利構成を設けていることがあります。企業によって特別休暇の有無は異なりますが、法定休暇である年次有給休暇以外にも特別休暇を利用できることがあります。また、特別休暇の付与は正社員に限定している企業もあります。

また、年次有給休暇は労働者の権利であるため、要件を満たせば付与されます。

以下の記事では、有給休暇について解説しています。ぜひ参考にしてください。

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アルバイトやパート以外に短時間で働く短時間で働く選択肢

アルバイトやパート以外にも、短時間勤務ができる働き方はあります。今の時代、「主婦が働く＝パート」と限定されることなく、多様な働き方の選択肢が増えているのです。ここでは、イメージしやすい例を3つご紹介します。

時短正社員

時短正社員とは、正社員待遇でありながら、労働時間を1日6時間程度に短縮して勤務できる働き方です。

1日の労働時間が短いだけで、職務に対する責任や仕事の成果などは正社員と同様に求められます。正社員待遇なので、安定して働けるのが大きな魅力です。

契約社員、派遣社員

契約社員や派遣社員でも、1日5時間、週3日などという求人もあります。そもそも契約社員とは、特定の内容で雇用契約を結ぶ雇用形態なので、企業によっては短時間勤務で契約を結べる可能性があります。正社員は労働時間や勤務日数、勤務時間などが原則一律ですが、契約社員は始めから短時間勤務の内容で雇用契約を結べることがあります。契約社員の雇用は、企業ごとに異なるため、求人情報や面接の際などに確認してみるとよいでしょう。

正社員（フルタイム）

正社員であっても、リモートワークの普及によって「一部在宅での勤務」が可能な職種もあります。フレックス制の導入企業であれば、「裁量労働制」をとっていることもあります。

このような企業や職種であれば、正社員であっても家庭と仕事の両立が可能な働き方をすることができます。

短時間正社員で収入アップを目指せる「短時間正社員制度」

短時間だけ働きたいという方におすすめなのが「短時間正社員制度」です。「日中の短時間だけ働きたい」「どうせ働くなら、長く安定して働きたい」、「仕事の対価としてお給料が見合う働き方がしたい」このように感じている方も少なくありません。そんな主婦にぴったりの働き方が、意外と知られていない「短時間正社員制度」です。