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フルタイムパートと正社員はどちらがお得?主婦が知っておきたい収入や働き方の違いを解説

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お金と法律

子育てや家事と両立しながら働きたい主婦の方にとって、「フルタイムパートと正社員、どちらが得なの?」と悩む方もいるでしょう。

フルタイムパートと正社員、どちらが得かは、家庭の状況や優先したいポイントによって変わります。

この記事では、年収・社会保険・働き方・キャリアやフルタイムパートと正社員の違い・メリットとデメリットについて徹底比較していきます。

フルタイムパートと正社員の違いを理解した上で、あなたに合った働き方を見つける参考にしてくださいね。

パートか正社員かの違いによって年収の差は約120万円

まずは、フルタイムパートと正社員の年収の差を見てみましょう。

厚生労働省『令和6年 賃金構造基本統計調査(速報)』によると、正社員の平均月収は294,200円となっています。

一方で、フルタイムパートの場合は時給換算が多く、時給1,222円で1日8時間・月20日勤務と仮定すると、月収は195,520円となります。

正社員とフルタイムパートの平均月収と年収の比較
・正社員(月額)の場合:294,200円
・フルタイムパートの場合(月額):195,520円
※時給1,222円 ×(1日8時間x20日)で計算
【月収差】98,680円
【年収差】(月収×12)1,184,160円

出典1:厚生労働省『令和6年 賃金構造基本統計調査(速報)』 雇用形態別・男女別賃金(第6表)
出典2:【2025年8月しゅふ求人の平均時給】パート・アルバイト:『1,222円』、派遣:『1,419円』

このように、フルタイムパートと正社員では、年収に約120万円の差が生じます。

さらに、正社員の場合は、ボーナスや昇給が期待されるため、実際の年収は差がさらに広がる可能性があります。

フルタイムパートとは?
フルタイムパートとは、正社員と同じように1日7〜8時間・週5日程度働くパート従業員を指します。雇用形態は「パート」ですが、実際の勤務日数や時間は正社員と大きく変わらないケースが多いのが特徴です。給与形態は多くの場合「時給制」で、月給制の正社員と比べると賞与や昇給、退職金がないことが一般的です。そのため、働き方は正社員に近くても、待遇面で差が出やすいという点を理解しておく必要があります。

 

厚生年金の加入条件と保険料は?

正社員の場合、社会保険への加入は義務となります。パートでも、一定の条件を満たす場合は社会保険料の支払い義務が発生する場合があります。

特に、フルタイムパートで働く場合は、勤務先の規模や契約条件に例外がある場合を除き、ほどんどの場合は社会保険加入の対象になるため、年収の壁や社会保険・税金の影響を理解しておくことが大切です。

ここでは、厚生年金の加入条件や保険料、そして年収の壁ごとのメリット・デメリットを整理しました。

厚生年金の加入対象

  • 1. 週の所定労働時間が20時間以上
  • 2. 所定内賃金が月額8.8万円以上
  • 3. 2か月を超える雇用の見込みがある。
  • 4. 学生ではない。
  • 5. 従業員数51人以上の企業で働いている。

上記のうちのすべてを満たすと、加入の義務が発生します。

保険料の仕組みと負担感

厚生年金や健康保険といった社会保険料は、毎月の給与に応じて金額が決まります。

特徴的なのは、会社と本人で半分ずつ負担する「労使折半」という仕組みです。たとえば、厚生年金の保険料をすべて自己負担する国民年金に比べると、同じ額を支払っていても将来受け取れる年金額が多くなる可能性があります。

年収の壁と損得ポイント

前述の通り、フルタイムパートで働く場合、「年収の壁」を理解しておくことがとても重要です。

年収の壁を意識せずに働くと、思ったより手取りが増えないこともあります。ここでは代表的な壁と、それぞれを超えたときの損得ポイントを解説します。

103万円の壁

年間収入が103万円以下であれば、所得税はかかりません。配偶者控除の対象にもなりやすいため、扶養内で働きたい方にとって安心できるラインです。ただし、この金額を1円でも超えると本人に所得税が発生します。

106万円の壁(社会保険の加入)

週20時間以上勤務、月収8.8万円以上などの条件を満たすと、パートでも社会保険に加入する必要があります。

手取りは一時的に減ったように感じますが、厚生年金や健康保険に加入できるため、将来の年金受給額や医療保障が手厚くなるのがメリットです。短期的には損に見えても、長期的には「得」につながります。

130万円の壁(扶養から外れる)

年収が130万円を超えると、配偶者の扶養から外れて自分で社会保険料を負担することになります。その分、可処分所得は減りますが、自身で保障を確保する分、安心感が増すともいえます。

フルタイムでしっかり働きたい人は、この壁を意識しておく必要があります。

150万円超

年収150万円を超えると、税金や社会保険料の負担はさらに増えます。しかし、その分収入増の効果が大きいため、差し引いても世帯全体の年収はアップするケースがほとんどです。

加えて、厚生年金の加入で将来の年金受給額が増え、傷病手当金や障害年金などの保障も受けられる点は正社員に近いメリットといえるでしょう。

このように「どの年収ラインで働くか」によって手取りや将来の保障は大きく変わります。扶養内で働きたいのか、将来に備えてしっかり稼ぎたいのか、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。

フルタイムパートと正社員のメリットとデメリットとは

ここからは、フルタイムパートと正社員それぞれのメリット・デメリットについて紹介します。

両者の違いを比較しながら、あなたの今の状況に合わせてチェックしてみてくださいね。

フルタイムパートで働くメリット

ワークライフバランスがとりやく、子育てや家事との両立がしやすい

パートの場合、勤務地を選べたり、基本的に決められた時間内で働くため残業がありません。

「子どものお迎えまでの短時間だけ働きたい」「家族の予定に合わせて曜日を調整したい」といった希望も叶いやすく、育児と両立したい方にとって、無理のない働き方が実現できます。

心理的・体力的な負担が少ない

パート勤務の大きな魅力は、正社員に比べて心や体への負担が軽いことです。

例えば、正社員のように成果責任を背負う必要はありません。与えられた仕事をきちんとこなせばよいので、業務範囲がわかりやすく、毎日安心して働けます。

また、正社員によくある異動や転勤のリスクもほとんどなし。地域に根ざして働けるので、子どもの学校や家庭の予定に振り回されることなく、生活基盤を崩さずに続けられます。

フルタイムパートで働くデメリット

収入が低めで安定しにくい

フルタイムパートは正社員と同じようにフルタイムで働いても、給与は時給制が多く採用されています。そのため、月収・年収は正社員より低くなりがちです。

加えて、昇給や賞与の機会も限られているため、長期的に見ても収入の伸びは期待しにくいのが実情です。結果として、生活基盤の安定性という点では正社員に劣るケースが少なくありません。

社会保険・年金の将来性が不安

一定の年収を超えると扶養から外れ、自分で社会保険料を負担する必要があります。

負担が増える一方で、働き方次第では将来の年金額が十分に確保できないケースもあります。とくにパートの場合は勤続年数が短くなりがちで、老後の年金額に不安を感じる人も多いのが現状です。

キャリアアップのチャンスは限られ、スキルを積みにくい。

フルタイムパートは、あくまで「非正規雇用」という立場。責任や業務範囲が限定される分、昇進やキャリアアップのチャンスは限られます。

専門スキルを積みにくく、転職市場でも評価されにくい傾向があるため、「長期的にキャリアを築いていきたい」と考える人にとっては物足りなさを感じる場面もあるでしょう。

正社員で働くメリット

安定した収入が得られる

正社員の最大の強みは、安定した給与体系にあります。

月給制が基本で、さらに賞与や昇給のチャンスがあるため、長く働けば働くほど生涯年収に大きな差がつきます。家計の見通しが立てやすく、住宅ローンや教育費など長期的なライフプランも計画しやすいのがメリットです。

社会保険・年金が充実

正社員は原則として厚生年金・健康保険・雇用保険などの社会保険に加入でき、企業によっては退職金制度も整備されています。

パートやアルバイトと比べて保障が手厚く、老後の生活資金を確保しやすいのはもちろん、病気やケガで働けなくなった場合にも傷病手当金や失業給付といった制度が利用できるため、安心感があります。

キャリアアップの機会がある

正社員は、昇進や役職登用、専門スキルの研修などキャリア形成の機会が豊富です。

長期的にキャリアを積み上げることで、責任あるポジションや専門性の高い仕事に挑戦でき、市場価値を高めていくことが可能です。転職時にも「正社員経験」が評価されやすいため、キャリアの選択肢が広がります。

長期的に雇用が安定

正社員は法律で守られているため、簡単に解雇されることはありません。

非正規雇用に比べて雇用契約が安定しており、生活の基盤を築きやすいのが大きな特徴です。特に子育て世帯や住宅購入を考えている家庭にとって、雇用の安定性は安心材料となります。

正社員で働くデメリット

働き方の自由度が低い

正社員はフルタイム勤務が前提となり、残業や休日出勤、さらには転勤・異動の可能性もあります。

勤務時間や勤務地を自分の都合に合わせにくいため、家庭や子育てとの両立が難しいと感じる人も少なくありません。「働き方の柔軟性」を重視したい人にとっては大きなハードルとなるでしょう。

責任やプレッシャーが大きい

正社員は業務の成果責任を負い、管理業務やプロジェクトの進行などを任されることもあります。

やりがいがある一方で、心理的・体力的な負担が増えるリスクも避けられません。とくに家庭やプライベートの時間を大切にしたい人にとっては、仕事の重圧がストレスにつながる場合もあります。

ライフステージに合わせにくい

子育てや介護の時期など、生活に大きな変化があるときに、正社員という働き方は柔軟に対応しづらい面があります。

フルタイム勤務が基本のため、時間の制約が大きくライフスタイルに合わせにくいのが現実です。

ただし、最近では「時短正社員制度」を導入する企業も登場しており、子育てや介護と両立しながら正社員として働ける選択肢も広がっています。このような制度を活用すれば、従来の正社員に比べて柔軟に働き続けられる可能性があります。

みんなはどんな働き方をしているの?

「家庭や家事と両立しながら働くって大変そう…」と不安に思う方もいるかもしれません。

ですが、実際には、主婦の多くが何らかの形で仕事をしており、専業主婦よりも働いている主婦の方が多数派になっています。

厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、女性の就業率は年々上昇しており、30〜40代ではすでに7割を超えています。さらに、2024年の調査では18歳未満の子どもがいる母親の就業率が80.9%に達し、8割を突破しました。

つまり、子どもの有無にかかわらず「家庭と仕事を両立させる」のは、いまや当たり前の時代だといえます。

また、雇用形態を見てみると、正社員(正規雇用)として働く人が約3割パート・アルバイトなどの非正規雇用で働く人が約4割を占めています。

つまり、フルタイム正社員で働く人よりも、パート勤務を中心に家庭と両立する人の方が多いのが現実です。

出典:厚生労働省 2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況

どちらが得かはライフステージ次第。あなたに合った働き方を見つけよう

「フルタイムパートと正社員、結局どちらが得なの?」と迷う方も多いはずです。しかしその答えは、今のライフステージやこれからの優先順位によって大きく変わります

・子育てや家庭を優先したい → 時間の融通がきくフルタイムパートが向いている
・収入や将来の安定を重視したい → キャリア形成や福利厚生が充実した正社員が有利

など、大切なのは「周りと比べてどちらが得か」ではなく、自分と家族にとって無理のない働き方を選ぶことです。

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