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パート主婦は正社員になるべき?生涯年収・給料の差/どちらが得なのか調べてみた

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お金と法律

パートやアルバイトでは、なかなかお給料が上がらない……。このような悩みを持つ主婦は多くいます。

女性の場合、未婚・既婚に関わらず、働き方次第では生涯年収に1億円もの差異があると言われています。

主婦は一体、どのような仕事を選び、どのような働き方を選べば、豊かな生活を送れるのでしょうか?

ここまで違う!働き方による生涯年収の差

まず、一つの統計をご紹介します。

20代半ばで結婚した主婦が、その後35年間ずっと働き続けた時、パートだった場合と正社員を続けた場合の平均年収・生涯年収です。


【平均年収】
パート主婦・・・122万円
正社員女性・・・400万円前後

【生涯年収】
パート主婦・・・約4200万円
正社員女性・・・1億4000万円


このように、パートと正社員では、生涯収入に1億円もの差が出てしまうのです。

結婚して主婦となった女性が、結婚や出産後も、正社員として働き続けることは、なかなか難しいもの。

定時で帰れる正社員のお仕事は限られているのが現状ですし、仕事によって残業が当たり前なんてケースも珍しくありません。

出産した後でも働き続けられるよう時短勤務制度を設けたり、家庭と仕事の両立支援に積極的に取り組んでいる企業も増えていますが、「結局制度が使えず、家庭と仕事の両立ができない」「他の社員に迷惑をかけるから」と、正社員を続けることを断念する女性は多くいます。

一方、家庭と仕事の両立がしやすいという理由で、パートや派遣社員という働き方を選ぶ主婦は増えています。

パートや派遣は家庭環境や状況に合わせて、柔軟な働き方がしやすい、というメリットがあるものの、当然、待遇面では正社員と大きな格差があります。

雇用形態による「年収以外の差」

働き方や雇用形態で、年収や待遇がどう変わるのか、事務系の仕事を例にご紹介します。


◆正社員の場合

年収・・・200〜300万円前後
賞与・・・あることが多い
交通費・・・支給されることが多い

年収について、専門性の高い事務職(法務事務や英文事務、営業事務など)では、400万円を超える場合もあります。

また、正社員だと、社会保険加入や退職金制度、その他福利厚生などの待遇面において、充実しています。

◆派遣社員や契約社員の場合(フルタイム、残業多め)

年収・・・200〜300万円前後(時給は1500〜2000円ほど)
賞与・・・ないことが多い
交通費・・・ないことが多い

年収は正社員とさほど変わりありません。ただし、交通費の支給がない分、実質の手取り額は減り、ボーナス支給も基本的にはありません。

◆パートの場合

年収・・・122万円前後(時給は1000円ほど)
賞与・・・ないことが多い
交通費・・・一部支給されることが多いが、ないこともある


直接雇用のメリットはあるものの、時給単価が下がってしまうので、年収は上記のようになります。

また、主婦がパートを選ぶ場合は扶養控除内での勤務を選択する人も多いので、年収の平均が122万円と、一気に下降する傾向があります。

パート主婦から「短時間正社員」で収入アップ!

前述のように、家庭と両立をするために短時間で働くとなると、パート・アルバイトを選ぶ主婦が大半でした。

しかし最近は「短時間正社員」という制度を導入している企業が増えているのをご存知でしょうか?

短時間正社員とは?

1.無期限労働契約を締結している
2.基本給や退職金などの算定方法がフルタイム正社員と同等

ここだけ聞くと、家事に子育てに忙しい主婦にはぴったりの制度のように思われますが、実際はどうなのでしょうか?


<メリット>
社員の待遇を得られるので、生活が安定する、質の高い仕事ができる、時間を有意義に使える。

<デメリット>
企業にとっては、必要経費が増える。

※短時間正社員の制度は企業側の負担が大きくなるケースが多いので、厚生労働省は、実際にこの制度を設けて雇用している企業に対し、助成金を出すなど優遇策をとって促進しています。


企業よりも、働く個人に対するメリットの方が多いとされる短時間正社員

この制度で働きたいと思ったら、まずは短時間正社員の制度を導入している企業を調べてみましょう。企業ホームページや、厚生労働省の導入支援ナビなどで見ることができます。

参考:厚労省短時間正社員制度導入支援ナビ

同じ時短労働でも、パートより正社員のほうが働くメリットは大きくなります。一度検討してみてはいかがでしょうか。

働き方は「生涯年収」を見据えて選ぶ

年収が多ければ多いほど「責任が重い」「勤務時間が長い」と、自然と負担は大きくなります。

しかし、家庭と仕事の両立を行いつつ働けるのであれば、世帯年収はそれだけ多くなるのも事実。

お金が全てではありませんが、経済的に余裕があるほど、家族で叶えられる選択肢の幅が広がります。

パートの場合「夫の扶養控除内で働かないと損をするから・・・」という理由から、制限した日数・時間で働く方が多いかと思います。

ただ、ある程度の勤務時間を確保できるのであれば、扶養控除を気にせずに150万円、200万円と年収を得ることを優先する方が、控除額や家族手当額を合わせた額よりも、長期的にみれば多くの収入に繋がるのです。

時には目先の収入だけでなく、一生を通じて得られるであろう「収入総額」を念頭に、中長期的な視野を持って働き方を見直してみましょう。

家事のやりくりが可能で、かつ、ご自身が健康で元気に働けるのであれば、できるだけ多くの年収を得ることを考えていく方が、将来的には得をすることになります。

パート主婦は厚生年金で得をする?加入条件と保険料を説明!

老後の生活のために、とても大切な「年金」。

収入が増えて、扶養を抜けると、パートでも厚生年金の支払い義務が発生します。加入条件と保険料をチェックしておきましょう!


【厚生年金の加入対象は?】

1.週20時間以上働くこと
2.給料が月額で88,000円以上であること
3.社会保険対象者が501名以上の企業で働いていること
4.1年以上働くことが見込まれること
5.学生でないこと

上記のうちのすべてを満たすと、加入の義務が発生します。


年収103万円以下の扶養内パートであれば何も引かれませんが、106万円〜150万円になると所得税・社会保険料などが引かれるようになり、厚生年金にも負担を感じるかもしれません。

ただし長期的に見れば、厚生年金に加入することで、損する人はいないのです。

確かに目先の収入は減ってしまいますが、将来の年金は増えます。厚生年金の場合は、保険料が労使折半ですから、その分、国民年金よりも将来の受取額が多くなります。

また、障害年金の認定基準が広くなったり、傷病手当金も出るなど、メリットも多いのです。

年収150万円を超えると世帯税金や社保、年金が引かれても世帯年収はアップするとされています。老後の受け取り額も増えますし、働き方を抑えて節約に努めるよりも、給与アップを狙ったほうが、お得といえます。

まとめ

労働時間辺りの単価が高めで、年収もしっかりともらえるお仕事は、家庭との両立が大変な部分もあります。

しかし、家庭の将来を見据え、「自分の働き方はこれでいいのか?」と考えることは大事です。

家族の協力を得て、正社員やフルタイムのパート、派遣や契約社員にチャレンジしてもいいかもしれません。

また、最近は「時短正社員」など、働き方も多様になってきています。

短時間や残業が無い正社員から始めて、長い時間働けるようになってきたら正社員に切り替える、ということも視野に入れてもいいかもしれません。

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