【最低賃金】2023年10月~全国で大幅賃上げ /時給に変化はある?平均時給と最低賃金の違いとは
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お金と法律
2023年の見直しが発表された「最低賃金」。
今年は電気代やガス代など光熱費の高騰や、物価高が続き大きな影響を与えているとみられています。
最低賃金の引き上げは、時給で働くパート主婦にとって、とても重要なことなのです。
・最低賃金って何?
・地域毎の平均時給はどう違うの?
・職種で平均時給はどれぐらい違う?
などをわかりやすく解説していきます!
もくじ
2023年(令和5年度)の最低賃金
2023年の改定額は以下が予定されています。
東京都では 1,113円、神奈川県で1,112円、大阪府は1,064円、愛知県は1,027円、宮城県で923円、福岡県は941円に変わります。
発行予定年月(いつから最低賃金が変わるか)は自治体によって異なるので注意してください。
ご自身が勤めている企業の所在地がある都道府県を確認してみてくださいね。
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47都道府県で、39円~47円の引上げ(引上げ額が47円は2県、46円は2県、45円は4県、44円は5県、43円は2県、42円は4県、41円は10都府県、40円は17道府県、39円は1県)とされています。
最低賃金を上げねばより賃金が高い都道府県へ労働力が流出してしまう、でも上げすぎると企業経営が立ち行かなくなる…など、様々なバランスで調整がされています。
厚生労働省:令和5年度 地域別最低賃金 答申状況
「最低賃金」って何を表しているの?
最低賃金とは、国が定めた企業が従業員に必ず支払わなければならない、最低限の賃金(時間額)のことです。
「最低賃金法」という法律のもと、毎年金額が見直されています。
もし最低賃金が定められていなかったらどうなるでしょうか。
極端な話ですが、時給100円という給与で募集を出す企業が現れるかもしれません。
それでは生活が成り立たなくなってしまいますよね。
社員として働く人はもちろん、パート・アルバイト、派遣で働く人にとっても給与に影響が出る重要な法律なのでぜひ意識しておきたいものです。
最低賃金は都道府県ごとに違う!
最低賃金は、都道府県ごとに定められます。
その地域で働く人がきちんと生活できることを基準にしているので、景気が良かったり生活水準の高い都道府県は、最低賃金が高めに設定される傾向があります。
東京都は2023年8月現在で1,041円、神奈川県は1,040円です。
10月からは東京都で1,072円、神奈川県も1,071円に上がることになっています。
では、逆に景気が悪くなった場合は下がってしまうこともあるのでしょうか?
景気が悪いからといって急に賃金を下げられたら生活が成り立たなくなってしまいます。
そのため、最低賃金は不景気でも大抵は横ばいか少しずつ上がる傾向があります。
ところで最近は新型コロナウイルス感染症拡大防止のためにテレワークを導入した企業が増え、在宅勤務をする人も増えています。
どこでも仕事ができるようになり、都心を離れて郊外に住む人も増えました。
たとえば、テレワークで会社所在地と居住地の都道府県が異なる場合、どちらの最低賃金が適用されるのでしょうか?
例:Aさんは所在地が東京都の会社にパート従業員として雇用されることになった。ただし、リモートワークで勤務をするため鹿児島県に住みながら仕事をしようと思っている。
最低賃金は東京都のものが適用されるのでしょうか、鹿児島の最低賃金が適用されるのでしょうか?
この場合、会社の所在地がある都道府県の最低賃金が適用されるので、東京都の最低賃金以上の給与を支払わなくてはなりません。
ちなみに、各都道府県の最低賃金は中央省庁のある東京に追従する傾向があります。そのため東京の最低賃金が上がると、全国的に最低賃金が上がるだろうという予測がつくようになります。
地域で違う「平均時給」について知っておこう
大都市を持つ都道府県の平均時給を見てみましょう。
主婦に人気の短時間・少日数のパート求人を掲載しているサイト『しゅふJOB』が出しているアルバイト・パートの平均時給額によると全国平均は時給1,106円(令和3年)。
主要都市ごとに見ると、
北海道 918円
宮城県 943円
東京都 1,215円
神奈川県 1,166円
愛知県 1,030円
大阪府 1,059円
兵庫県 1,022円
福岡県 910円
令和3年は全国的に見て東京都が最高値、次いで神奈川県です。
平成28年には東京都の次時給が高かったのは大阪府でした。居住している人の人数や景気によって変動しているといえるでしょう。
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東京都の平均時給で働いたときの収入見込みは
東京都の平均時給で毎日朝の9時から夕方5時までのパートをすると、1時間の昼休憩を挟んで実働時間が7時間ですから
平均賃金の時給1,215円×7時間で1日8,505円です。
平日20日間働くと最低でも170,100円稼げることになります。(ここから各種税金、保険が差し引かれます)
ちなみに全国平均より低い北海道の918円で同じ計算をしてみると128,520円となります。
地域によって収入に大きく違いが出ることがわかりますね。
近年は新型コロナウイルス感染症の拡大が経済に大きく影響したこともあり最低賃金の見直しもほぼ横ばいの状態でしたが、これからますます賃上げが予想されます。
最低賃金が上がるとパート・アルバイトの時給も上がる?
最低賃金がアップすることで、最も低い時給で働くことが多い新人のパートさんの給与がアップすることがあります。
すると、段階式に中堅・ベテランパートの給与も、正社員の給与もアップする可能性が高くなります。
手取りが増えるのは単純に嬉しいことですよね。
各都道府県によっていつから最低賃金が変わるか決まっているため、変更日以降に最低賃金以下で仕事をさせた場合、企業は法律違反になります。
もし期間を過ぎても最低賃金以下で勤務させることになった場合、雇い主は差額分を支給する必要が出てきます。
最も時給の高いパートは?職種別に見てみよう
地域によって最低賃金や平均時給に違いがあることをお伝えしました。
お仕事は職種別にも時給が変わってきますよね。最も時給が高くなる職種はどんなお仕事なのでしょうか?
東京都を参考に、パート・アルバイトの需要が高い代表的な職種の「平均時給」を見てみましょう。
◎オフィスワーク系の平均時給
一般事務 1,052円
経理事務 1,053円
営業事務 1,071円
貿易事務 1,166円
コールセンター・テレフォンオペレーター 1,205円
◎営業系の平均時給
営業・企画営業(法人対象) 1,087円
営業・企画営業(法人対象) 1,125円
ルートセールス 1,058円
営業アシスタント 1,084円
テレフォンアポインター 1,196円
◎飲食店のスタッフの平均時給
ホールスタッフ 1,027円
キッチンスタッフ 991円
ファーストフード 961円
カフェ・喫茶店 1,011円
◎販売系(レジ、ショップ店員)の平均時給
コンビニ 954円
レジ 956円
携帯ショップ、雑貨店 1,002円
◎教育・医療系の平均時給
塾講師 1,349円
介護福祉士 1,097円
医療事務 994円
◎美容系の平均時給
美容師 985円
エステ・ネイル 956円
一般事務や営業系など、オフィスワークに関する時給が比較的高くなっています。
コロナ禍前までは外国人観光客の増加から、飲食店や販売系のパート・アルバイトの需要が高まり、平均時給の増加率も高まっていました。
現在はコロナ禍下で客足が増えた流通業、小売販売業、介護・看護・福祉業、通信業など需要が高まっています。
応募する職種の時給の感じを知りたい時は、その地域の最低賃金と、業種別の平均時給を見ておくとよいでしょう。
最低賃金が上がると、採用されやすくなる?
最低賃金引上げとなると企業は人件費が高くなるため、採用難になるのではないか?と気になる方もいるのではないでしょうか。
東京商工リサーチ(TSR)が2023年8月に行ったアンケート調査によると、アンケート回答をした4885社のうち最低賃金の上昇に「何らかの対策を取る」と回答した企業が6割超(61.0%)となっています。
対策としては「価格転嫁(商品やサービスの価格に転嫁する)」「設備投資を実施して生産性を向上させる」という回答が多くなっています。
ただし、「雇用人数を抑制する」と回答した企業はは中小企業が12.9%(4,356社中、562社)。大企業の9.0%(529社中、48社)を3.9ポイント上回っています。中小企業では採用の窓口が狭くなる可能性もありそうです。
2024年の最新情報はこちら↓まとめ
地域や職種によってパートやアルバイトの平均時給が違うこと
首都圏である東京都の最低賃金がその年のパート・アルバイトの平均時給に影響してくるということをご紹介しました。
これからお仕事を始める方は、応募する前にお住まいの地域の最低賃金と平均時給、業種ごとの平均時給について、一度目を通しておくことがおすすめです。
たとえば近隣県に通勤ができる場合、通勤ができる範囲の都道府県の賃金を見て比較することも必要でしょう。
東京都の最低賃金がアップするタイミングでの復職もおすすめです。2023年10月の最低賃金改定では、東京都は1,113円になる見込みです。
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この記事を書いた人
しゅふJOBナビ編集部