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パート・アルバイトの平均月収とは?知っておきたい2種類の扶養や最適な収入額をご紹介

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働き方

お仕事をする以上、気になるのはやはり「収入」。

「扶養内で働きたい!」

「社会保険料を引かれるのはちょっと…」

「税金や保険は気にせずに、がっつり稼ぎたい」

と、収入を調整している方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、全国のパートの平均月収/家庭状況による理想の収入額/収入の調整・やりがいとは?をご紹介します。

パート主婦の平均月収っていくら?

まず初めに、全国のパート主婦の平均月収をご紹介します。

厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報」によると、パート全体の平均月収は10万2,078円で、年収に換算すると122万4,936円です。

また「令和5年版 労働経済の分析 -持続的な賃上げに向けて-」によれば、大手・中小企業で働くパートの多くが年収を50万円以下(月収に換算すると約4万1,000円)に抑えていました。

この結果を見て、「そのくらいしか稼げないのか…」と思われる方もいるかもしれません。以下のような理由から、この平均月収は妥当とも考えられるのです。

1.家事と仕事の両立を考えて、働く時間をセーブしている主婦が多い

パート勤務者の平均労働時間は1か月で、89時間。

この時間は、フルタイム勤務(平均労働時間1カ月140時間)のおよそ6割です。

つまり「週に3日程度、1日4~5時間の時短勤務をしている人が多い」ということになります。

パートで働いている場合、家事と仕事の両立を考えて、働く時間をセーブしていることがわかります。

2.扶養控除内で働きたい主婦も多い

夫の扶養から外れてしまわないように、調整してこの額に収めている人が大勢いると思われます。
※150万円をこえると配偶者の扶養控除がうけられなくなります。

ただし、所得税・住民税は「超えた金額分」が課税対象となるので、手取り額がマイナスになるというものではありません。

その先にも、社会保険の壁や税金の壁など、収入額によって家計が左右されるため、パート主婦は簡単に収入アップを目指せない現状があるようです。

あとはここから「勤務時間をどう増やすか」「収入の壁にどう立ち向かうか」

そこがパート主婦の働き方の迷いどころです。

パート・アルバイトが目標月収を決めるために知っておきたい2種類の扶養

パート・アルバイトで働く場合に月収の目標額を決める際、2種類の扶養について把握しておきましょう。

下記にて、社会保険上の扶養と税制上の扶養について解説します。

社会保険上の扶養

社会保険上の扶養とは、扶養者が加入する社会保険の被扶養者になることです。

例えば、配偶者が企業勤めをしている主婦は、特定の条件を満たすと被扶養者になり、自分で健康保険料や年金保険料を納めなくても医療保険制度の対象となり、老後に年金を受け取れます。

ただし、国民健康保険には扶養の考え方はありません。したがって、配偶者自らが国民健康保険の加入者の場合は、自分で保険料を納めるようにしましょう。

税制上の扶養

税制上の扶養は、所得税や配偶者控除などに関するものです。扶養に入ることで、自分が納める税金の負担が軽減されます。

また、被扶養者を養う扶養者の場合、配偶者控除・配偶者特別控除などの所得控除を活用できる可能性があります。

扶養に入るなら、税制上の扶養・社会保険上の扶養の両方を見据えて月収を調整しなければなりません。そこで下記にて、扶養に入るための具体的な「年収の壁」について解説します。

扶養に入るために必要な年収の壁とは

当然のことながら、パートの年収ごとに税金や社会保険、配偶者控除への影響は変わります。ここでは、各年収の壁を超えたときに控除されるものを理解しておきましょう。

年収100万円の壁

年収100万円の壁は、住民税に関するものです。

年収を100万円以下に調整すると住民税がかからない場合が多いですが、税金がかかる年収のボーダーは、自治体により異なります。

したがって、パートで本格的に働き出す前に自治体に確認しておきましょう。

年収103万円の壁

年収が103万円を超えると、所得税の支払い義務が発生します。

つまり、103万円以下に年収を抑えると、自分は所得税を納付せずに済み、配偶者は所得税の配偶者控除を適用可能です。

配偶者控除とは、配偶者の所得が48万円以下のときに受けられる所得控除です。年収からは給与所得控除分の55万円を差し引けるため、年収103万円なら所得は48万円となり配偶者控除が適用されます。

参考:No.1190 配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか|国税庁

年収106万円の壁

年収106万円の壁は、社会保険に関するものです。

以下の条件全てに該当する人は、年収106万円以下に収めなければ社会保険料の負担が生じます。

・厚生年金の被保険者数が101人以上の会社で勤務(令和6年10月から51人以上)
・週の所定労働時間が20時間以上
・所定内賃金が月額8.8万円以上
・雇用期間が2か月を超える
・学生ではない

社会保険に加入することで、

・厚生年金に加入できる
・老後の年金が増える
・出産手当金を受けられる

などのメリットを得ることができます。社会保険料の支払いと社会保険加入のメリットを天秤にかけ、ご自身の働き方を調整しましょう。

※参考:パート・アルバイトのみなさま|社会保険適用拡大 特設サイト|厚生労働省
※参考:短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大のご案内|日本年金機構

年収150万円・201万円の壁

配偶者の年収にも依拠しますが、自分が年収103万~150万円以下の場合は配偶者特別控除の満額(38万円)が控除されます。

ただし、年収150万円を超えると控除額が段階的に減っていき、年収が201.6万を超えると配偶者特別控除が完全になくなります。

※参考:No.1195 配偶者特別控除|国税庁
※参考:No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか|国税庁

主婦が気になる年収の壁に関して、詳しくは下記の記事にて詳しく解説しています。ご自身の年収にかかわることですので、是非参考にしてください。

103万の壁・106万の壁・130万の壁・150万の壁とは?知っておきたい扶養内や扶養控除を解説!

家庭別・パートの最適な収入は?

パート主婦の理想の収入額は、家庭状況により変わってきます。

状況別に年収の目標額を設定すると、どんな働き方がいいのかわかってきますよ。


ケース1.夫の扶養控除を外れたくない&家事や育児を大事にしたい

→103万円以内の扶養内で働く

所得税がかからず、配偶者控除もなくならない働き方です。年金の支払いも3号被保険者として免除され、給料から極力何も引かれずに済みます。

ケース2.夫が自営業、もう少し世帯収入を増やしたい

→130万以内を目標に働き方を増やしてみる

年収が130万円を超える見込みとなると、年金や社会保険に加入することになります。夫が自営業や個人事業主の場合、扶養控除は関係ないので、このラインぎりぎりまで働くのがおすすめです。

※ちなみに社会保険は、「見込み」加入なので、長く働くのであれば逃れるのは困難です。いっそ150万オーバーを目指したほうがお得かもしれません。

ケース3.将来を考えて厚生年金に加入したい。しっかり稼ぎたい!

→150万オーバーでがっつり稼ぐ

年収150万円を超えると社会保険や税金が差し引かれても、損は無くなると言われています。170万円をこえてくると、手取りの収入が増えプラスの収入となります。

この域に達すると給与計算は正社員とほぼ同じ。さらなる収入アップを目指してもよいかもしれません。


扶養内で働くならいくらまで稼げる?

扶養を外れて損なく働くには?

と考えている方は参考にしてみてください。

 

収入の調整と、やりがいのバランスの取り方は?

収入を調整しようとすると、どうしても勤務時間が短くなるもの。

時短で働くパート主婦に話を聞くと

「会社が忙しい時期なのに残業できず、申し訳ない」
「簡単な仕事しか任せてもらえないので、達成感がない」

といった声も聞こえてきます。

ここからはそんなパート主婦でも、やりがいを感じる事ができるお仕事をいくつかご紹介します。


◆短い時間内でやりがいを感じられるお仕事

営業職や販売・飲食、イベントスタッフなど。短時間でも接客や売り上げで良い成績を残すことができれば、達成感ややりがいがあるお仕事です。

◆スキルアップにつながるお仕事

ITや経理関係など資格につながる事務仕事や、整体師やネイリストなど手に職を身に付けることができるお仕事。自分自身のスキルアップに繋がります。

◆趣味を生かしたお仕事

料理やクラフト、スポーツ関連など、自分が趣味として楽しんでいることをお仕事にする。収入以上のメリットがあります。


このように時短でも+αで得られるものがあれば、やりがいを感じられるようです。

他にも持っている資格を活用したお仕事などもおすすめです。

まとめ

パート主婦は収入や働き方を調整することが多いので、目標額の設定や、やりがいとの兼ね合いが問題です。

うまくバランスを取るためには、収入の調整だけでなく、やりたい仕事を見つけるのも大切です。

今後は法改正が検討されており、103万円の壁や、130万円の壁自体が変わる可能性があります。

扶養控除の103万円は引き上げられ、社会保険については130万円以下の収入でも加入するようになる可能性もあります。

臨機応変に対応するためには、やりがいや収入アップを狙って、ひとつ上の目標を設定するのもいいかもしれませんね。

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