採用方法
採用基準とは?作り方から具体例、評価・運用法まで徹底解説
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この記事の監修者
石橋聖文
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「どんな人を採用すべきか?」その問いに明確な答えを出すのが“採用基準”です。人材の確保にはスキルや価値観だけでなく、行動特性や成果につながる資質をどう定義し、どう評価するかが求められます。
本記事では、専門的な視点から採用基準の設計と運用方法を解説し、採用活動に欠くことのできない採用基準の重要性と作成手順、基準の軸となる「コンピテンシー」の考え方について深掘りします。
採用基準を策定することへの理解を深めて自社の基準に落とし込み、ミスマッチを防ぐための実践的ノウハウをお届けします。
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【目次】
採用基準とは?
採用基準とは、自社にとって「どのような人材がふさわしいのか」を明文化した評価の指針です。スキル・知識だけでなく、価値観や行動特性まで含めて総合的に判断するための土台となるものです。
組織にフィットし、成果を出せる人材を見極めるための枠組みとして、戦略的人事には不可欠な要素といえます。そのため、採用基準を設けた企業と設けていない企業とでは、人材戦略に大きな格差が出てきます。
「採用基準」と「評価基準」との違いは?
評価基準は「すでに雇用している社員のパフォーマンスをどう測るか」に焦点を当てるのに対し、採用基準は「採用前の応募者が自社にふさわしいか」を見極めるためのもの。
つまり、前者が“結果”の測定であるのに対し、後者は“見込み”を測る指標です。似て非なる概念のため、混同せず運用する必要があります。
採用基準を見直すタイミングは複数ある
採用基準は一度作ったら終わりではありません。組織のフェーズ・業務内容の変化・人材戦略の転換などに応じて、柔軟に見直す必要があります。
特に、新規事業立ち上げ時や人材定着率に課題がある際は、早期に採用基準の再構築が求められるでしょう。
アルバイト・パートの採用基準はコチラへ▶パート・アルバイトの採用基準とは?書類選考や面接のポイントを解説
採用基準のメリット・デメリット・設定時の注意点とは?
採用活動をより戦略的に行ううえで欠かせないのが「採用基準」の整備です。しかし、採用基準を設けることは採用の質や効率化が進む一方で、運用方法を誤るとリスクにもなり得ます。
本章では、採用基準を設けることによるメリットやデメリットと、実際に基準を機能させるための注意点について詳しく解説します。
採用基準を設けることで得られるメリット
採用基準を明確にすることで、以下のようなメリットが得られます。
①人事部門と現場の連携がスムーズになる
②選考の基準が明確になり判断がブレなくなる
③採用活動の属人化を防げる
④採用のミスマッチが減る
メリットを知ったうえで採用基準を設けることは重要です。採用基準があれば、採用活動自体を客観的に捉えられるようになり、より説得力や納得感のある選考が可能になります。
①人事部門と現場の連携がスムーズになる
採用基準を共有することで、人事と配属先(現場)の間で「どんな人材が欲しいのか」の認識をすり合わせやすくなります。結果として、採用から配属までのプロセス全体が円滑になるでしょう。
②選考の基準が明確になり判断がブレなくなる
採用基準を設定すれば担当者ごとの主観による評価を排除でき、価値観や行動特性といった客観的な項目で候補者を評価できます。たとえば「論理的思考力」「リーダーシップ」などの定義を事前に設定しておけば、評価の偏りやブレを防ぐことができます。
③採用活動の属人化を防げる
明文化された基準があれば、担当者の経験や勘に頼ることなく組織全体が同じ目線で候補者を評価できます。そのため、もし担当者が変わっても一定の質を保った採用活動が継続可能です。
④採用のミスマッチが減る
採用基準をもとに選考を行うことで、自社が本当に必要とする人物像やスキルを明確に見極められるようになります。結果、入社後に「思っていた人物と違った」「期待したほど活躍できない」といったミスマッチのリスクが低下するでしょう。
採用基準におけるデメリットとリスク
採用基準には、選考プロセスの明確化や評価の公平性を担保するというメリットがありますが、過度に依存するとさまざまな落とし穴も存在します。
たとえば、採用基準を厳格に守りすぎることで、異業種からの転職者や学歴・職歴にとらわれないハイスキルな人材を見極めることが難しくなり、柔軟性を欠いた画一的な選考につながるおそれがあるのです。
また「TOEICスコア」や「大卒以上」など形式的な条件にとらわれすぎると、実務能力やポテンシャルといった本来評価すべき要素を見落としてしまうケースもあります。さらに、表面的な評価にばかり頼ることで、企業の文化やチームとの相性を重視する視点が欠け、結果として業務内容とのミスマッチや早期離職につながる可能性もあります。
採用基準を機能させるための注意点とは?
採用基準を自社に見合ったかたちで効果的に活用するためには、策定した基準を単なるチェックリストで終わらせず、運用段階での工夫が不可欠です。なぜなら、採用活動は常に人と向き合うプロセスであり、現場の状況や求める人材スキルは一律ではないため、状況に応じた柔軟な判断が必要だからです。
具体的な対策は、以下が挙げられます。
・実際に新人と関わる現場社員や管理職の声を反映させる
→現場の実情や求められるスキルを踏まえることで、より実践的で機能する基準に仕上げられる
・採用基準は他社のものを流用するのではなく、自社の業種や事業フェーズ、人材戦略に合わせてカスタマイズする
→ ex) 成長期の企業であれば「変化への柔軟性」や「自走力」などが重視される
・採用基準は、事業環境の変化や組織の成長に応じて定期的にアップデートを行う
→基準が時代や組織の実情と乖離しないよう、継続的な改善を行う体制づくりが求められる
上記を参考に、“自社の声”を活かした基準を設けましょう。
採用基準の要素となるコンピテンシーとは?
採用基準をより実践的かつ合理的に構築するためには「コンピテンシー」の理解が不可欠です。
単なる経歴や資格にとどまらず「実際に成果を出す人」が共通して備えている行動特性を明らかにし、それを採用基準に落とし込むことで、人材の質を一段と高く評価できるようになります。
コンピテンシーとは「人材の本質を測る軸」
コンピテンシーとは、高い成果を出す人に共通する「行動特性」のこと。もともとは、アメリカの行動科学研究者のマクレランド教授とマクバー社が提唱したもので、従来の学歴や経歴では測れない“実際の職務遂行力”を明らかにするために開発されました。
具体的には、単なる知識やスキルといったハードスキルとは異なり、表面化しづらいソフトスキル“どのように考え、どう行動するか(動機・行動特性・価値観)”の観点から、個人の能力を測る評価概念です。
コンピテンシーの考え方は、通称「氷山モデル」と呼ばれます。以下の図のように、氷山の水面下の見えない部分(潜在層)に着目していることが由来です。
現在では、多くの企業でコンピテンシーの導入が進んでおり、定量化しにくいヒューマンスキルや職場適応力を見極め『成果につながる行動を可視化して言語化する手法』として、企業の採用基準や人事評価の基礎に用いられています。
採用基準におけるコンピテンシーの役割とは?
採用基準におけるコンピテンシーの役割は、“再現性のある成果モデル”を基礎とし、応募者の潜在的な能力や考え方を見極めることです。
つまり、過去の有力な成功者に共通する行動を抽出して「なぜその人が活躍したのか」を定義し、それに近い特性を持つ人材を採用することを目的とします。
そのため、採用担当者の勘頼みや印象にかたよらず、ロジックに基づいた人材選定が可能になります。従来の面接では、学歴・職歴・資格などの自己申告で書かれた情報や面接官の勘と経験則、応募者の第一印象などに依存して採用する面が大多数を占めていました。
しかし、コンピテンシー評価では、実際の職務遂行に結びついた行動や思考パターンを、再現可能な形で見極めることができます。
コンピテンシーを採用基準に落とし込む手法は、言わば「自社に最適な人材を見極めるための戦略モデル」と言えるでしょう。
採用基準に活かすコンピテンシー評価のフレームワーク
代表的なコンピテンシーの手法として以下があります。
・STAR法(Situation, Task, Action, Result)
・BEI(構造化行動面接)
2つの手法は、面接時において応募者の実際の行動特性を定性的に見極める際に活用できます。
STAR法
STAR法は、面接時に応募者の過去の具体的な行動を引き出すためのフレームワークです。以下の4つの要素に基づき質問と回答を整理することで、成果に結びつく行動の背景や思考を可視化することができます。
・Situation(状況):どのような状況だったか?
・Task(課題):その中での自分の役割・課題は何か?
・Action(行動):具体的にどのような行動を取ったか?
・Result(結果):行動の結果、どうなったか?
【質問例】
・(状況)ミスが起きた時はどのような状況でしたか?
・(課題)その中で、あなたに求められていた役割や期待されていたことは何ですか?
・(行動)その時あなたはどう対処しましたか?
・(結果)結果的に、どのような成果や学びが得られましたか?
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BEI(構造化行動面接)
BEI(Behavioral Event Interview)は、ハイパフォーマーの行動パターンをモデルとし、モデルに照らし合わせて応募者の過去の体験を深掘りする面接手法です。事前に定義したコンピテンシーに沿った質問を用い、評価者間での認識ズレを最小化します。
【質問例】
・過去に困難な状況をどう乗り越えましたか?
・ミスが起きた時にどう対応したか、エピソードがあれば教えてください
BEIでは、課題解決力やストレス耐性を測ることができます。活用するには面接官側の判定力が求められますが、評価の再現性を高める手法としては効果的です。
ご紹介した2つの手法を適切に活用することで、応募者の表層的な印象や経験に頼らず、行動に基づいた評価が可能になります。今後の人材戦略において、コンピテンシーの正しい理解と運用は欠かせない要素となるでしょう。
なお、コンピテンシーは単なる面接技法にとどまらず、人材の行動特性を可視化し、採用の精度を高めるための体系的な手法です。組織における成功行動をモデル化し、それを基に選考を進めることで、採用後の活躍の可能性をより高い精度で予測することができます。
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採用基準の3つの要素
採用基準を作成する前に、必要な人材の要素を言語化するのが大切です。今回は、特に必要なポイントを3つにまとめました。
1. スキル
2. 人物像・志向性
3. 社風とマッチしているかどうか
コンピテンシーと併せて、面接時の評価軸や質問項目の設計に反映させましょう。
1. スキル
企業に必要な人材のスキルを洗い出すことで、採用したい人材のイメージが明確になります。学力・資格・知識など、具体的に表記できるものは細かく設定しましょう。
また、採用ポジションでの業務で必要な経験や知識なども採用基準で設定しておきます。(ex:IT企業であれば使用する言語やアプリケーション)
また、コミュニケーション力・リーダーシップ・営業力・論理的思考力などの能力は、個人の主観になりやすいので、下記を参考に具体的に表記しておくと良いでしょう。
〇具体例
【採用目的】新規営業で活躍する人材を経験問わず採用したい!
<必要な経験・知識>
・営業経験は不問
・何かを達成した経験がある
・接客やサービス業など何らかの対面の仕事に就いたことがある
<求める能力>
①コミュニケーション力
・笑顔で対応できる
・相手の目を見て会話ができる
・相手の話の内容をキャッチして返答ができる など
②リーダーシップ
過去リーダーとして行ってきたことを聞き取り、採用後のメンバー構成を考慮して、スムーズに業務が遂行できるかを判断。
③営業力・論理的思考力
「もし、このような場面に遭遇したら」というテーマを投げかけ、それに対する返答も考慮する。その際、こちらから回答例を設定しておいて、選択してもらうのもよい。
2. 人物像・志向性
人物像とは、以下のような具体的な行動を交えながら表す性格のことを指します。
・新しいことに挑戦しながら、変化を望んでいくタイプ
・自分で判断し、業務を進めていくタイプ
・指示されたことを合理的にコツコツ進めていくタイプ
採用候補者からの自己申告だけでは判断できないため、適性検査のように細かく項目を設定して質問します。
また、採用候補者が重要視している会社や職業選択における志向性も、同じように細かく基準を定めておくと良いでしょう。志向性を重視することで、応募者の価値観のすり合わせがしやすくなります。
たとえば、以下のように応募者には就職先を決める際に重視する軸が存在します。
・人間関係を重視する
・スキルアップを重視する
・リーダーシップの取れる職務に就きたい
・人と接する職務に就きたい
・社会貢献のできる職務に就きたい
そのため、企業側が採用予定である現場の傾向を掴めると、ミスマッチも自ずと減らせるでしょう。言語化が難しい場合は、社員に聞いてみるのも良いかもしれません。
採用ポジションによって優先すべき人物像・志向性は異なるため、まずは判断しやすい項目を設定しましょう。また、面接前に適性検査を実施するだけでなく、適性検査の評価項目を採用基準づくりの参考にすることで、より具体的で実用的な基準が設定できます。
3. 社風とマッチしているかどうか
社風との相性も、採用において重要な判断軸です。
特に中途採用では、候補者が前職のやり方や価値観を強く持っている場合、既存の業務フローや社内文化との間に摩擦が生じやすくなります。
企業風土や意思決定のスピード、指示系統などがこれまでと大きく異なる環境では、採用者がその違いに戸惑い、働きにくさを感じることもあるでしょう。
そうしたときに、柔軟に対応できるか、新たな環境を前向きに受け入れて提案や改善に取り組めるかがポイントになります。
ミスマッチによる早期離職は、企業にも本人にも大きな損失となるため「社風とのマッチ度」は採用基準にぜひ組み込んでおくべき重要な項目です。
採用基準の設定方法
採用基準を設定するには「何を基準に」「どのように判断するか」を明確にすることが重要です。 必要な人材の要素を言語化し、評価の指針を作成することで、より実効性のある判断が可能になります。
本章では、採用基準の設定方法を4ステップでご紹介します。
ステップ1:必要な人材要素を整理する
ステップ2:成果を出している従業員を分析する
ステップ3:面接官・現場とのすり合わせ
ステップ4:評価軸を言語化する
ステップ1:必要な人材要素を整理する
最初に行うべきは、採用したい人材の要素を分析し、評価項目として具体化することです。
前章で解説した3要素「スキル」「人物像・志向性」「社風とのマッチ度」をあらためて見直し、どの要素を優先して評価すべきかを明確にしましょう。そのうえで、次のような手順で評価項目として整理していくと、実務に落とし込みやすくなります。
①採用ポジションで評価したい能力は何か(例:コミュニケーション力・説得力・情報解釈力など)
②その能力は何で確認するか(面接質問・適性検査・経歴など)
③検証のための「質問」や「適性検査」などをあらかじめ作成しておく
上記フローをもとに採用基準を文書化すると、面接対応は無論のこと、入社後の評価基準もより明確に設定できます。
ステップ2:成果を出している従業員を分析する
まず、以下の手順で成果を出す人材の特性(コンピテンシー)を抽出し、採用基準として体系化することができます。
1. 社内のハイパフォーマーを特定する
2. ハイパフォーマーの成功事例をピックアップする
3. 成功事例の行動履歴や意思決定のパターンを分析、共通する行動特性を抽出する(例:自己主導性・傾聴力・現場対応力など)
4. どのような特性・行動が成果に結びついたのかを職種ごとに言語化・定義する
5. 定義した内容を「再現可能な行動」として評価指標に落とし込む
上記プロセスを経ることで、経験や職種の異なる候補者同士でも、公平な基準で比較・評価ができるようになります。
【行動特性の抽出例】
カスタマーサポート職で高評価を得ている社員複数名を分析したところ、次のような共通点が見つかりました。
・クレーム対応時に相手の感情を受け止めつつ、事実関係を冷静に整理していた(傾聴力・冷静さ)
・対応後、社内の改善提案につなげていた(主体性・課題解決志向)
・イレギュラー案件が発生した際、自己判断をせずに上司に相談して迅速に行動していた(現場対応力・判断力)
例のように、日常業務における行動ログから「成果に結びつく行動特性」を抽出して採用基準に反映させることで、自社にとって必要な人材モデルを見極める目が精緻化されていきます。
ステップ3:面接官・現場とのすり合わせ
実際に採用に関わる面接官や現場社員とのディスカッションを通じ、現場の感覚を反映させた採用基準の設定を行いましょう。
経営陣だけで決めず、実務を知る現場との乖離を埋めることが重要です。
ステップ4:評価軸を言語化する
抽出された行動特性や人物像などをもとに、チェックリストや評価シートなどに反映させ、運用可能な状態に整備します。
モデルとなる従業員の行動例と採用枠ごとでの設計が、評価の精度と一貫性を高めるカギとなります。
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採用基準で注意すべき公正性と法的リスク
採用における公正性と法的配慮は、企業にとって社会的責任に直結する問題です。差別的な採用を避けるためには、明確な採用基準と透明性の高い運用体制が不可欠です。特に、以下の2点については十分に配慮しましょう。
・厚生労働省が定める公的ガイドライン「公正な採用選考」
・採用活動に関連する主要な法令
採用差別をなくす公的ガイドライン「公正な採用選考」
厚生労働省が提示する「公正な採用選考の基本」では、応募者の基本的人権を尊重し、適性と能力のみに基づく選考を求めています。
たとえば、宗教や出生地など、業務に無関係な質問は禁止されており、面接時の注意点も明示されています。
【公正な採用選考の基本】
・応募者に広く門戸を開くこと
・応募者の基本的人権を尊重すること
・適性・能力に基づいた客観的な基準で選考を行うこと
・社会的差別につながるおそれのある個人情報は収集はしない
【採用選考時に配慮すべき事項】
・本来自由であるべき個人の思想や信条、信仰などを把握しない
例)宗教、支持政党、人生観、尊敬する人物、思想、購読新聞、愛読書など
【採用選考において避けるべき行為】
・身元調査の実施
・本人の適性や能力に関係ない項目を含む応募書類の使用
・合理的・客観的に必要性が認められない健康診断の実施
参考:公正な採用選考の基本|厚生労働省
採用基準に関わる主要法令
採用活動においては、関連法令の遵守が不可欠です。採用基準の作成や面接での質問内容が法令違反とならないよう、定期的な確認と社員への周知が必要です。
【主な関連法令】
・男女雇用機会均等法
→性別を理由とした差別の禁止、採用や昇進などの機会を保障
・労働施策総合推進法(旧:雇用対策法)
→年齢や就職差別の禁止、公正な採用選考を定める
・障害者雇用促進法
→企業に対して障害者の雇用機会の確保を義務づける
なお、法改正は定期的に行われるため、厚生労働省などの公的情報源を継続して確認しましょう。
\パート・アルバイト採用のお悩みはありませんか?/
【基準例コピペOK!】雇用形態別の採用基準
採用基準は、応募者の雇用形態やキャリアフェーズによって重視すべき観点が大きく異なります。「新卒」「中途」「アルバイト・パート」それぞれに応じた適切な評価軸を設けることが、人材ミスマッチの防止と組織活性化に直結します。
本章では、3つの雇用形態別に、採用基準の考え方・あり方を例で見ていきましょう。
新卒の採用基準
新卒採用ではスキルや経験がまだ形成されていないことが多いため、価値観やポテンシャルといった、会社との親和性が重視されます。社内の雰囲気や理念と合うかも加味して、下記の採用基準の一例を基準に盛り込んでみてもよいでしょう。
<コミュニケーション能力>
・相手の話を最後まで聞き、要点を整理して返せる
・初対面でも明るく挨拶できる
・質問に対して落ち着いて自分の考えを述べられる
・オンライン面接でも適切な受け答えができる
<社風に合う人柄(人間性)・協調性>
・グループワークなどで周囲と協調して課題を解決した経験がある
・組織のルールや文化に前向きに適応しようとする姿勢がある
・説明会や面接から企業理念・価値観への理解が見られる
・役割に応じて柔軟に行動を変えられる
<主体性・行動力・チャレンジ精神>
・ゼミ・研究・課外活動で自ら課題を設定して取り組んだ経験がある
・新しい環境でも積極的に行動できる
・アルバイトやボランティアなどで責任を持って行動した経験がある
・変化に対して前向きに対応する姿勢がある
<誠実性>
・目標や課題に対して継続的に努力した経験がある
・遅刻や約束を守るなど社会人としての基本姿勢がある
・エントリーシートや面接で虚偽なく誠実に話せる
<将来のビジョン>
・入社後に挑戦したい仕事・学びたい分野がある
・社会人としてどのように成長したいかを言語化できる
・自身の強み・弱みを理解し、将来に活かそうとする姿勢がある
中途の採用基準
中途採用では過去の成果や業務経験が重視されますが、加えて再現性のある成果を出せるかがカギとなります。単なる経歴ではなく、どのような考えで業務に取り組んできたかを、面接時に深掘りしましょう。
また、中途採用では即戦力を求めることが多いため、新卒のような親和性を重視しつつ、スキルや経験を重視することが大切です。以下は、中途の採用基準の一例です。ぜひ、作成時にお役立てください。
<コミュニケーション能力>
・笑顔で対応できる
・相手の目を見て会話ができる
・相手の話の内容をキャッチして返答ができる
・質問の意図を理解して的確に回答できる
<社風に合う人柄(人間性)・協調性>
・会社の理念・ミッションを理解している
・在籍社員の雰囲気に適合できる
・チームとして柔軟に対応できる
・自社に見合った業務が遂行できる
<主体性・行動力・チャレンジ精神>
・自ら進んで業務を遂行する力がある
・変化におびえず柔軟に対応できる
・積極性がある
・優先順位を整理し、迅速に対応できる
<誠実性>
・真面目にこつこつと取り組むことができる
・責任感がある
<将来のビジョン>
・入社してやってみたい業務・プロジェクトがある
・将来的に身につけたいスキル・知識・資格
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アルバイト・パートの採用基準
アルバイト・パート採用では、限られた業務範囲のなかでも安定して遂行できる力が求められます。
また、主婦や学生やシニア層など多様な応募者層が想定されるため、業務への適応力や責任感といった共通の評価基準をあらかじめ明確にしておきましょう。以下は、アルバイト・パートの採用基準の一例です。
<コミュニケーション能力>
・笑顔で丁寧な対応ができる
・相手の話を最後まで聞いて理解する姿勢がある
・お客様やスタッフと適切な距離感で接することができる
・言葉遣いや態度に配慮しながら受け答えができる
<社風に合う人柄(人間性)・協調性>
・職場のルールや雰囲気に合わせて柔軟に行動できる
・チームの一員として責任感を持って働ける
・協力し合って業務を進める姿勢がある
・多様な年齢層や立場の人と円滑に関われる
<主体性・行動力・チャレンジ精神>
・指示待ちではなく、自ら業務を見つけて動ける
・未経験の業務にも前向きに挑戦できる
・変化のある状況でも柔軟に対応できる
・自分の役割を理解し、優先順位を意識して行動できる
<誠実性>
・時間やルールを守り、責任をもって仕事に取り組める
・ミスがあった場合に素直に報告・改善できる
・一つひとつの業務を丁寧にこなす姿勢がある
<将来のビジョン>
・短期でも意欲的に仕事に取り組む意思がある
・家庭や他の活動と両立しながらも継続的に働きたいという意向がある
・働くなかでスキルや経験を積みたいと考えている
アルバイト・パート採用で重視されるポイント
以下グラフは、ビースタイルメディアが運営するアルバイト・パートに特化した求人サイト「しゅふJOB」の登録企業へ行った【アルバイト・パート採用を決める際のポイントは?】のアンケート結果です。
出典:しゅふJOB登録企業様への独自調査(集計期間:2025年6月11日~2025年7月14日)
※1 調査概要下部記載
アルバイト・パートの採用基準として、最も重視されているのは「希望シフトの一致(34%)」でした。現場の人員配置や勤務時間の調整が必要な職場では、希望の勤務日数や時間帯が合致することが特に重要視されています。
次いで多かったのは「コミュニケーション能力(32%)」と「長期勤務の可能性(30%)」です。スタッフ同士の円滑な連携や、頻繁な人材の入れ替わりを避けたいという意向がうかがえます。
その他にも、「仕事への意欲・向上心(28%)」「明るさ・笑顔・元気の良さ(27%)」といった、働く姿勢や人柄に関する項目も上位にランクインしており、スキルや経験よりも“人としての柔軟さ”や“現場との相性”が重視されている傾向が読み取れます。
上記のように、アルバイト・パート採用では能力だけでなく、シフトの柔軟性や長期的な雇用、人間関係の適応力などを重視した採用基準が設けられていることがわかります。
しゅふJOBでは、ビジネススキルを備えた主婦や主夫が多数登録しています!今や日本は人手不足の時代です。採用に難航している企業にとって、働く意欲のある主婦・主夫の存在は大きな戦力となっています。
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「導入事例」を参考にする|大型プロジェクトから定型業務まで。戦力となる人材の採用に成功!(中央グループ様)
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「採用基準」に関するよくある質問(FAQ)
本章では、採用基準を作成するうえでの、実務担当者からのよくある疑問をカバーしました。
Q1. 採用基準は全社共通で統一すべき?
A. 必ずしもそうとは限りません。採用基準は職種ごとの特性や業務内容の違いを反映する必要があるため「共通軸」と「職種別の個別軸」を併用した設計が推奨されます。
Q2. 採用基準を見える化する方法は?
A. 評価シートやチェックリスト、行動例リストなどを作成することで、現場との共有がスムーズになります。また、採用担当者や現場責任者と共有することは、評価の軸を揃え、主観的な判断や評価のブレを防ぐためにも重要です。
Q3. 採用基準の見直し頻度は?
A. 目安として最低でも年1回、可能であれば半期ごとに振り返りを行いましょう。もし、早期離職や採用率に課題が出た場合は、速やかに見直しを検討します。
まとめ|採用基準は“経営資源”である
採用基準の設定は、面接時においてターゲットを明確に絞り込み、面接担当者の主観をなくすためにも重要な行程です。
運用までには時間的コストがかかりますが、中長期の人材戦略を支える“経営資源”として捉え、運用と改善を継続的に重ねていけば、企業競争力の源泉となり得ます。
また、昨今の人材業界では正社員採用にこだわらず、実力のある人材をアルバイトやパートとして雇用する企業が増加しています。社会人経験と生きたスキルを併せ持つ主婦・主夫採用をお考えの企業様はマッチングに有利な「しゅふJOB」をご利用ください!
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採用活動を成功させるための採用戦略についてはこちらを参考にしてみてください。
参考:採用戦略とは? 立案やポイント、前後に実施すべきことを解説!|LUF株式会社
\パート・アルバイト採用のお悩みはありませんか?/
【調査概要】
調査期間:2025年6月11日~7月14日
有効回答者数:594名
調査対象:しゅふJOB登録済みの採用担当者様
調査対象の業種:事務、サービス業、製造業、医療・福祉などの多様な業種
調査方法:Webアンケート