法律関連

【2020年4月】法改正で何が変わる?パートタイム労働法

  • 更新日:


働き方改革関連法の成立により「パートタイム労働法」が「パートタイム・有期雇用労働法」へ改正、2020年4月1日より施行されます。※中小企業は、2021年4月1日から施行されます。

これまでパートタイム労働者など短時間労働者のみが法律の対象となっていましたが、今回の法改正では、有期雇用労働者も法律の対象に含まれることとなり、パートタイム労働法の各規定についても、パートタイム労働者・有期雇用労働者の状況に合わせて、改正が行われます。

そのため、法律の改正に伴い、パートタイム労働者や有期雇用労働者を雇用している事業主の方は、改正される法律を理解し、各労働者を法律に沿って雇用・管理することが必要になります。

そこで、この記事の中では、パートタイム労働法の何が改正され、事業主の方は、具体的にどのようなポイントに気を付ける必要があるのか、具体例を挙げながら解説いたします。

※現在、施行されているパートタイム労働法については、こちらの記事をご覧ください。
https://part.shufu-job.jp/business/details/583/


※パートタイム労働法正式名称:「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」
※パートタイム・有期雇用労働法正式名称:「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」

パートタイム・有期雇用労働法とは?

パートタイム・有期雇用労働法とは、同一の企業内において、正社員とパートタイム労働者・有期雇用労働者の間のあらゆる待遇について、不合理な差を設けることを禁止とする法律です。

※有期雇用労働者とは、契約社員や派遣社員、パート、アルバイトなどの非正規労働者のうち、雇用期間が定められている労働者のことです。

つまり、正社員とパートタイム労働者・有期雇用労働者の待遇について業務の内容」「責任の程度」「配置変更の範囲」が全く同じ場合の時は、あらゆる待遇を正社員と同等にすることで、労働者がどのような雇用形態を選択しても、待遇に納得して働き続けることができるよう定められた法律です。

もちろん、正社員とパートタイム労働者・有期雇用労働者の各待遇ごとに、業務の内容・責任の程度・配置変更の範囲、その他の事情の内容を考慮した結果、その各待遇差について合理的な理由がある場合には、事業主は、その違いに応じてバランスの取れた待遇にしなければなりません。

事業主に求められる対応

「パート」と「正社員」の待遇差をなくしましょう

・基本給、昇給、賞与、各種手当
・教育訓練、福利厚生 など

主に、上記に提示している基本給や賞与・手当などのあらゆる待遇について、同じ企業で働く、正社員とパートタイム労働者・有期雇用労働者との間で、不合理な待遇差を設けることが禁止になります。

もし、現在雇用している「正社員」と「パートタイム・有期雇用労働者」の間で、待遇に違いがある場合は、不合理な待遇の差を設けていないか、確認を行いましょう。

◆不合理な待遇差に当てはまる【禁止例】とは?

雇用形態 職務内容 責任の程度 配置の変更の範囲 待遇
正社員 パートタイム労働者と
同じ業務内容
パートタイム労働者と
同等の責任を担っている
(例)転居を伴わない
範囲での転勤あり
通勤手当あり
パートタイム労働者 正社員と
同じ業務内容
正社員と
同等の責任を担っている
(例)転居を伴わない
範囲での転勤あり
通勤手当なし

 

「待遇の違い」について労働者へ説明しましょう

事業主は、パートタイム労働者・有期雇用労働者から「正社員との待遇差の内容や理由」に関して、説明を求められた場合には、その待遇の内容や理由を労働者に説明しなければなりません

また、説明を求めた労働者に対して、解雇や減給をしたり、契約更新の拒否するなど不利益な対応をすることをしてはいけません。

 Q. パートタイム労働者・有期雇用労働者への対応【NG例】とは?
 パートタイム労働者 A 「なぜ正社員の方には、通勤手当があり、パートには手当がついてないのですか?」
 事業主 A 「それについては、教えることはできません。」

 

事業主が取組むべき手順とは?

パートタイム・有期雇用労働法は、2020年4月1日に施行されます。

現在、規定されている就業規則や賃金規定を見直すためには、各労働者との話し合いが必要になり、話し合いの結果次第では、手当等の改善をするための資金を準備するなど、考慮・検討しなければならないことが沢山出てきます。

パートタイム労働者及び有期雇用労働者を雇用されている事業主の方は、計画的に準備を進めていきましょう。

手順 事業主が取組むべき内容
手順1   労働者の「雇用形態」を確認しましょう
手順2 「待遇の状況」を確認しましょう
手順3   待遇に違いがある場合「違いを設けている理由」を確認しましょう
手順4   手順2と手順3において待遇に違いがあった場合、
「その違いが不合理ではないこと」を説明できるようにしておきましょう
手順5 「法律違反」が疑われる状況から早期脱却を目指しましょう
手順6   改善計画を立てて取り組みましょう

 

厚生労働省より、パートタイム・有期雇用労働法に対応するための取組手順が公開されていますので「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」より、ご確認いただくことをお勧めしています。
パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書/厚生労働省

法改正のポイントは3つ

では、どのようなポイントが法改正されるのか?ここではポイントを3つに絞ってご紹介します。

基本給や賞与などの不合理な待遇差の禁止


同一の企業内において、正社員(無期雇用フルタイム労働者)とパートタイム労働者・有期雇用労働者との間で、基本給や賞与などあらゆる待遇について不合理な待遇差を設けることが禁止されます。

【待遇の差が禁止される項目】
1.基本給
2.賞与
3.手当(役職手当、業務手当、通勤手当、家族手当、住宅手当、食事手当など)
4.福利厚生・教育訓練(福利厚生施設、慶弔休暇、病気休職など)

また、今回の法改正において、正社員との働き方の違いに応じて均等・均衡待遇の確保を図るための措置として規定されている「均衡待遇の規定」の判断基準が明確化され、「均等待遇の規定」が有期雇用労働者にも適用されることになりました。

〇均衡待遇の規定とは?(不合理な待遇差の禁止)

①職務内容 ※業務の内容 + 責任の程度
②職務内容・配置の変更の範囲
③その他の事情

均衡待遇の規定とは、①~③の内容を考慮して、事業主が待遇を決定しなければならない規定であり、この規定により、正社員とパートタイム・有期雇用労働者との間で、不合理な待遇差が発生しないように整備されています。

具体例 「クレーム対応まで」を行う正社員と「クレームは受けず正社員へエスカレーションする」パートタイム労働者では、給与を差別化する。

 

〇均等待遇の規定とは?(差別的取り扱いの禁止)

①職務内容 ※業務の内容 + 責任の程度
②職務内容・配置の変更の範囲

均等待遇の規定とは、①②の内容が同じ場合、事業主が待遇について差別的取り扱いをしてはならない規定であり、この規定により、正社員とパートタイム・有期雇用労働者との間で、差別的な取り扱いが発生しないように整備されています。

具体例 「クレーム対応まで」を行う正社員と、同じく「クレーム対応まで」を行うパートタイム労働者の給与を差別化しない。

 

〇「同⼀労働同⼀賃⾦ガイドライン」の策定
新しく、どのような待遇差が不合理なものであり、どのような待遇差は不合理なものでないのか、原則となる考え方と具体例を示すガイドライン(指針)が策定されました。

詳しくは、厚生労働省が発表している、パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書にある「同⼀労働同⼀賃⾦ガイドライン」の概要より、ご確認ください。
パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書/厚生労働省

労働者の待遇差に関する説明義務


〇改正ポイント1
雇用管理の改善などに関する措置の内容やその待遇を決定するに当たって考慮した事項を説明する義務に関して、パートタイム労働法だけでなく、有期雇用労働者も対象に含まれることになります。

〇改正ポイント2
パートタイム労働者・有期雇用労働者は、正社員との待遇差の内容や理由などについて、事業主に説明を求めることができるようになります。

そのため事業主は、パートタイム労働者・有期雇用労働者から説明に関する求めがあった場合は、きちんと説明をしなければなりませんが、説明を求めた労働者に対して、解雇や減給をしたり、契約更新を拒否するなど不利益な対応をすることをしてはいけません。

事業主と労働者との紛争の解決支援について


都道府県労働局において、事業主と労働者との間の争いごとに関して、裁判を行うことなく、非公開かつ無料で紛争を解決する支援が行われますが、パートタイム・有期雇用労働法の施行後は、「均衡待遇」や「待遇差の内容・理由」に関する説明についても、行政ADR対象となります。

※行政ADRとは事業主と労働者との間の紛争を、裁判をせずに解決する手続きのことをいいます。

<参考>改正後のパートタイム・有期雇用労働法について/厚生労働省

事業主の方は、早めのご対応を

就業規則や賃金規程を見直すには、事業主とパートタイム労働者・有期雇用労働者との話し合いが必要などもあるため、早めに準備を進めておきましょう。

また、今回の法改正に関して、厚生労働省ではマンガを用いて分かりやすく説明しております。併せてご確認いただくことをおすすめいたします。

パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書/厚生労働省

労働環境の整備をサポートする人材を
採用しませんか?

パート雇用に関わる法律の多くは、時代の流れに合わせ改正の頻度が高く、改正内容の理解、労働環境の整備等とても労力がかかるのが現実です。

そこで労働環境の整備をサポートする人材を「パートタイムで雇用すること」で変化の速さに対応することが、有効的な解決手段の1つとして注目されています。

パート採用に特化した求人サイト「しゅふJOBパート」はその解決手段のサポートができる採用の近道となる媒体です。

1.求人サイト「しゅふJOBパート」は、
  事務職などのパート採用を得意としている

2.登録者の80%が正社員経験者のため、
  若年層向けのアルバイト媒体と比べ一定のスキルのある人材を採用できる

3.求人作成をプロのライターが代行することにより、
  求める人材に向けて訴求力が高い求人を掲載することが可能

またしゅふJOBパートでは、パート採用を成功させるコツやノウハウ、法関連の最新情報などを定期的に発信しています。
ぜひ一度、しゅふJOBパートサービスに関する資料をご覧ください。

求人媒体の資料をダウンロードする

監修

勝川 秀興氏(勝川社会保険労務士事務所 代表)

助成金活用を強みとし、設立以来2名から200名規模まで様々な業種の企業様へ、
助成金を徹底活用するためのコンサルティングや、株式会社ビースタイル主催のセミナーなどで講師もしている。

署名

この記事を書いた人

しゅふJOBパート活用ノウハウ編集部

編集部

ページ上部へ