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経理業務の5つの課題と解決方法を解説!効率化や3つの改善事例も紹介
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経理業務は企業の根幹を担う重要業務ですが、解決すべき多くの課題が残されている分野でもあります。本記事では、経理業務で発生しがちな5つの課題を紹介し、具体的な解決策を提示します。効率化を実際に達成した事例も紹介しますので、業務改善の参考にしてください。
【目次】
経理業務の5つの課題
経理業務は、企業活動における重要度が高いにもかかわらず、多くの企業では非効率性が指摘されています。そのため、経理業務の効率化のためには、経理業務の抱える課題を把握しておくことが重要です。
本章では、以下に挙げる5つの課題と、その問題点を具体的に解説します。
①属人化が進みやすい
②ペーパーレス化が進んでいない
③プレッシャーやストレスで作業が進みにくい
④頻繁な法改正に都度対応する必要がある
⑤経理担当一人当たりの業務が多い
①属人化が進みやすい
経理業務の属人化は、多くの企業で問題となっています。
経理業務は高度に専門的なスキルを必要とすることから、担当者以外では問題点を把握できず、特に属人化が起こりやすい業務です。
属人化が進むと、業務内容のブラックボックス化やフォーマットの複雑化につながります。
また、特定の個人に業務が集中した結果、担当者の退職や長期休暇の際に、引き継ぎや業務が停滞するリスクもあるでしょう。
②ペーパーレス化が進んでいない
慣例的なシステムに依存し、ペーパーレス化が進んでいないことが、多くの企業にとって大きな課題となっています。
請求書や納品書・領収書などを紙媒体でやりとりしている企業は、発行や管理に余計な手間がかかり、検索にも時間がかかる点が問題です。
紙媒体に依存した業務では、確認作業や印刷にかかるコストも増えてしまうでしょう。
また、紙媒体は破損や紛失の可能性があり、重要な情報が失われるリスクがあります。
重要書類を管理する体制を整えなければならず、書類の保管場所も確保しなくてはなりません。
③プレッシャーやストレスで作業が進みにくい
経理は金銭を扱う重要な部門であり、ちょっとしたミスが企業に多大な損失を与える可能性があります。ミスが許されないというプレッシャーは、作業効率の低下を招く大きな要因です。
ミスが許されないという精神的負担がストレスの原因になるだけでなく、チェック業務の増加は作業スピードの低下にもつながります。
過度なプレッシャーやストレスは、職場環境の悪化や離職率上昇の原因にもなりかねません。
④頻繁な法改正に都度対応する必要がある
経理業務では、会計基準や税法などの法改正が実施されるたびに、適切に対応することが求められます。
例えば、2022年には電子帳簿保存法が改正され、領収書や請求書などの取引情報をデジタル形式で受け取り保存する「電子取引」への対応が必要になりました。
上記のような法改正に経理が正しく対応できない場合、企業は罰則を科されるリスクがあります。そのため、経理業務において、法改正には迅速かつ適切な対応が必要なのです。
⑤経理担当一人当たりの業務が多い
多くの企業で経理部門に配置する人員数を最低限に抑える傾向があり、一人当たりの業務負担が多いことが解決すべき課題となっています。
経理は直接的に利益を生み出す部署ではないという認識が、人員不足に陥りがちな原因の一つであると考えられるでしょう。
人員不足により経理担当一人当たりの負担が増大すると、業務の質が低下したり離職率が上がったり、さらなる問題発生の原因にもなりかねません。
企業が実施すべき経理業務の課題解決方法
解決すべき課題が多い経理業務ですが、ルーティン化された業務が多いため、システムやツールの導入による課題解決がしやすい一面もあります。
ここでは、企業が実施すべき5つの課題解決方法を見ていきましょう。
①ペーパーレス化を進める
現代の経理業務において、ペーパーレス化は取り組むべき重要な課題です。
紙媒体をデジタルデータ化することで、文書の発行や管理・保管・検索に要する時間と労力を大幅に削減できます。
また、ペーパーレス化により必要な情報を迅速に共有でき、修正も容易になるでしょう。
紙媒体のように文書を紛失するリスクもないため、ペーパーレス化は企業にとって早急に解決すべき課題です。
②ITツールの導入・DXを進める
多くの複雑な作業を行う必要のある経理業務に対し、ITツール導入やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進は、効果的な解決策になり得ます。経理システムやクラウド会計システムの導入は、事務処理能力を大幅に向上させるでしょう。
ITツールを経理業務に導入することで、以下のようなメリットがあります。
・計算ミスを大幅に減らせる
・コスト削減につながる
・情報の確認・修正が容易になる
・経理担当者の負担を軽減できる
③アウトソーシングを活用する
経理業務の課題を解決するために、積極的にアウトソーシングを活用するのもおすすめです。専門的な知識とスキルを持つ外注先に経理業務を委託することにより、業務の多くが効率化され、社内の人材リソースをコア業務に集中させられます。
また、業務を外部に委託する際に、内部で把握しきれていなかった業務内容を洗い出すため、無駄の削減にも貢献できるでしょう。業務の透明性も向上し、社内の不正防止にも効果があります。
④適切な人材採用を進める
経理業務には、簿記や会社法の知識などの専門知識が必要であり、適切な人材を採用することが重要な課題となります。
しかし、専門性の高い知識・スキルを持つ人材をアウトソーシングしたり、教育プログラムにより育成したりするには多大なコストを覚悟しなければなりません。
そこで、人材育成やアウトソーシング以外の採用手段も検討してみましょう。
経理経験者を低コストで採用するには、主婦/主夫人材の採用に特化した求人情報サイト「しゅふJOB」の利用がおすすめです。経理経験者をはじめとして、さまざまな業務や社会人経験を持つ人材を効率的に採用できるでしょう。
⑤キャッシュレス化を進める
キャッシュレス化の推進により、経理業務の効率化に大きな効果をもたらすことが可能です。現金を取り扱う際に生じる、補充や両替・現金出納帳管理などの業務を、キャッシュレス化により省略できます。
残高と帳簿に誤差が生じた際の原因究明など、煩雑な業務からも解放されるでしょう。業務効率化が進み、お金の移動や管理も簡単になるため、担当者の負担も軽減できます。
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部署で実施すべき経理業務の課題解決方法
経理業務の課題解決においては、部署ごとに特化した取り組みも不可欠です。
業務の効率化を実現させるために、部署で実施すべき以下3つの方法を紹介します。
・業務の可視化を行う
・フォーマットの統一で無駄を排除する
・担当者のITリテラシーを高める
①業務の可視化を行う
経理業務の過度な属人化を防ぐために、業務の可視化が不可欠です。
業務の可視化には、以下の事柄を明確にしましょう。
・いつその業務が行われるのか
・業務の担当者は誰なのか
・どのような業務を行うのか
また、それぞれの作業に必要な時間やコスト、人員数などを明らかにしておくことで、無駄を省きリソース不足を正確に把握できるようになります。
属人化した業務を1人のみが担当している場合は、ブラックボックス化し易く不正の原因にもなるため、業務は複数人で担当することが重要です。
②フォーマットの統一で無駄を排除する
経理業務の効率化とエラー防止のためには、フォーマットの統一が効果的です。使用するフォーマットのばらつきは、ヒューマンエラーや情報の抜け漏れにつながります。社内でフォーマットを統一し、情報処理の一貫性を確保しましょう。
使用フォーマットが統一されていれば、業務が属人化している場合でも、容易に引き継ぎ作業を進められます。
③担当者のITリテラシーを高める
情報技術が発達した現代において、経理担当者も高いITリテラシーを求められます。経理担当者のITリテラシーが低い場合、さまざまなトラブル発生の原因にもなりかねません。
例えば、IT化の必要性を理解してもらえなかったり、システムやツールを使いこなせなかったりと、IT化のメリットを活用できない状況に陥ってしまうでしょう。
経理担当者のITリテラシー向上のためには、研修や教育プログラムを充実させることが重要です。
経理業務を改善する流れ
経理業務の改善を実行することにより、コスト削減や従業員の負担軽減など、さまざまな面で効率化を図れます。それでは、経理業務の効率化・最適化のために、どのようなステップを踏めばいいのでしょうか。
ここでは、改善の流れを以下の3つの作業に分けてまとめます。
①業務の内容を全て洗い出す
②無駄な作業を排除する
③結果を確認し改善する
①業務の内容を全て洗い出す
改善のファーストステップは、経理業務の内容を全て明確化して把握することから始めましょう。経理の各作業の内容を細部まで可視化し、作業ごとの所要時間や頻度・必要とする時間や人数・かかるコストを具体的に記録することが重要です。
全ての業務を同等のレベルで可視化する必要があるため、業務を以下のような異なる観点から整理し、詳細に分析しなくてはなりません。
・作業の種類ごとに分ける
・プロジェクトごとに分ける
・使用するツールごとに分ける
・優先度別に分ける
など
洗い出した業務はフロー化し、漏れている作業や無駄なプロセスが生じていないかを確認することが大切です。業務内容の可視化により、経理業務全体の理解も深まるでしょう。
②無駄な作業を排除する
経理業務の効率化のためには、無駄に費やされる労力や時間を特定し、排除することが非常に重要です。
無駄を排除するために効果的な方法の一つに、「ECRS(イクルス)の原則」が挙げられます。ECRSの原則は業務のプロセスを評価し、洗練させるためにデザインされたフレームワークです。
ECRSの原則を構成する以下の項目を確認しておきましょう。
Eliminate(排除):その業務を取り除けないか
Combine(結合):分離されたタスクをまとめられないか
Rearrange(再配置):タスクの順序を変更し効率化できないか
Simplify(簡略化):複雑なタスクを単純化できないか
ECRSの原則に沿って全ての経理業務を見直すことにより、日常的なタスクに費やされる時間や労力を大幅に削減できます。
③結果を確認し改善する
業務改善のプロセスは、具体的なアクションを起こし、その成果を定期的に確認し、さらに改善していくというサイクルの繰り返しです。
まずは、以下のように具体的なアクションを実行します。
・ITツール導入により入力業務の工数を削減する
・キャッシュレス化により現金管理の手間を減らす
・ペーパーレス化により文書管理の作業を減らす
アクション実行後に、施策がプラスに機能しているかを定期的にチェックしましょう。機能していなければ再度業務を見直し、プロセスを最適化します。この反復により経理業務は少しずつ効率化されていくでしょう。
経理業務の課題の3つの改善事例
経理業務の課題を解決する方法は1つではなく、それぞれの企業にマッチした方法があるはずです。
ここでは、実際に経理業務の課題解決に取り組み、プラスの改善結果を出した、以下3つの企業の事例を紹介します。
①株式会社I-ne
②株式会社ベネフィット・ワン
③クオーレ労務経営
①株式会社I-ne
株式会社I-neは、事業拡大による業務の増加と、経理部門の属人化という課題に直面していました。
月に20時間にもなる経費精算業務を効率化するために、同社は経理のアウトソーシングを利用し、作業時間の短縮に成功したのです。
経費精算関連業務にかかる時間は1時間にまで短縮し、他の業務や確認作業にリソースを割けるようになり、さらなる改善のためのサイクルも回り始めました。
②株式会社ベネフィット・ワン
株式会社ベネフィット・ワンでは、毎月1,000枚を超える支払い請求書の処理作業により経理業務が増加し続け、他の業務を圧迫していたため、効率化を早急に実現する必要がありました。
同社は経理業務をアウトソーシングし、多大な時間がかかっていた支払い請求書の処理にかかる時間を大幅に削減し、業務の効率化と残業時間の削減に成功したのです。
アウトソーシングにより人員不足の解消にもつながり、属人化の課題もクリアできました。
③クオーレ労務経営
社会保険労務士事務所を運営するクオーレ労務経営では、ファイルサーバーを使用して情報共有を行っていましたが、必要なファイルを逐一探し出して開く作業が負担となっていました。ファイルを開くまでに時間がかかり、煩雑な手間が業務効率を下げていたのです。
対策として、同事務所はITツールを導入し、給与計算や助成金に関するデータへ瞬時にアクセス可能になりました。事務所で必要とされる全ての情報がツール上で一元管理されるようになり、業務が劇的に効率化されたのです。
経理の課題に関するよくある質問
経理業務にはさまざまな課題が存在するため、多くの方が共通して疑問に感じる事柄があるでしょう。
ここでは、多くの方が共通して抱く以下2つの質問に対して、回答を提示していきます。
Q:経理で大変なことは?
Q:経理業務テレワークの課題は?
Q:経理で大変なことは?
A:経理担当者は、ミスが許されない環境下で大量のタスクを処理しなければならないため、大変だと感じる人もいます。専門性の高い知識が求められるため、個人にかかる負担が大きくストレスの原因にもなるでしょう。
属人性を下げる試みや、ITツール導入、フォーマット統一などにより、経理担当者の負担を軽減する取り組みが重要となります。状況に応じて、アウトソーシングや必要な知識・スキルを持つ人材の採用など、有効な対策を講じましょう。
Q:経理業務テレワークの課題は?
A:経理業務をテレワークで行う際の大きな課題は、紙媒体の使用が依然として多いことと、情報セキュリティ面の問題です。契約書や請求書などの処理に、物理的な押印が必要であることも、テレワーク化が困難である原因となっています。
しかし、適切な情報セキュリティシステムを導入し、ペーパーレス化を徹底させることにより、経理業務テレワークの課題は解消することが可能です。
経理の課題は非効率な業務の進め方!無駄な作業の排除が重要
経理業務の効率化は、組織全体の生産性を向上させるために非常に重要です。
本記事では、経理の抱える以下のような課題を紹介し、その問題点を明らかにしました。
・属人化が進行しやすい
・ペーパーレス化が遅れている
・プレッシャーやストレスにより作業が進みにくい
・頻繁な法改正に対応する必要がある
・担当者1人当たりの業務量が多い
上記の課題を改善するには、無駄な工程を排除し、ペーパーレス化やIT化の推進が不可欠です。また、アウトソーシングの活用や、適切な人材採用も有効な手段となるでしょう。
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